やった本人が一番悪いと簡単に言うのは思考停止

昨日27日千葉地裁で2019年におきた強盗致傷事件の裁判員裁判が開かれた。
被告人の名前は千丸剛、2017年の夏の甲子園で埼玉初の優勝を勝ち取った花咲徳栄のキャプテンを務め、スポーツ推薦で駒大に進んだ人物だ。
そんな人間がなぜこのような事件を起こしてしまったのか、そこに至るまでの過程に狭いコミュニティの、特に日本のスポーツの社会の中に残る悪しき縦社会が遠因になってるのではないだろうか。
以前YouTube内でライオンズOBかつ駒大OBの石毛宏典氏が駒大野球部について「4年神様、3年人間、2年奴隷、1年畜生」という文化が自分の時代はあった、と語っていた事がある。これは石毛氏が学生時代の40年以上前の事かと思ったが、どうやらこの名残は今も続いているようだ。
千丸被告は1年の春期のリーグ戦から出場をしていたが、上級生から深夜2時3時までコンクリートの上で正座を強いられたり、煙草の根性焼きをやられたりして1年の9月に野球部を退部した。そしてその後キャンパスで上級生らと顔を合わせるのも嫌になり大学自体も退学する羽目になった。同級生2人がプロ野球選手になり(埼玉西武ライオンズの西川愛也選手、中日ドラゴンズの清水達也選手)自分の存在意義がわからず自暴自棄になった彼は事件をおこす事になってしまった。
この手の事件がおきた時に必ず言われるのが結局犯罪をおかした本人が一番悪い、という言葉だ。
だがコンクリートの上に正座をさせたり、根性焼きを押し付けたり、畜生として扱い人間としての尊厳を粉々にし、彼を思考停止どころか思考迷子に陥らせた事を考えると一言で本人が一番悪い、と簡単に片づけてしまうのは実はこの事件の遠因にあたる主従関係が生まれやすい日本の悪い意味での縦社会の継続を許してしまう事になるのではないだろうか。

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