弟子入りをするのなら

 我が埼玉西武ライオンズのクローザー増田達至投手が、来シーズンからライオンズに復帰する豊田清コーチに弟子入りを志願する、というニュースが流れた。
 豊田コーチといえばライオンズ東尾政権時に抑えに転向し、2002、2003年に連続38SPを達成し、特に2002年は防御率0.78という有り得ない成績を出した当時のレオファンからしたら絶対的な守護神だった。その彼にブルペンでの気持ちの持っていきかた、果ては打たれた後のメンタルの事とか色々聞いていきたい、と増田投手は語っていた。
 今シーズンの増田投手は昨年空振りが中々取れなかったストレートの質が向上し、K/9も昨年の5.40から9.56に飛躍的に上がり、4勝1敗防御率1.81、30SPという素晴らしい成績を収めた。
 昨年二軍暮らしも経験し、苦しんだ分今年にかける想いは強かっただろうし、だからこそ今年以上に来年という意味で同じクローザー経験者の豊田コーチに弟子入り、というのは凄く理解できる。であるならばたかだか1年か、そこらで吸収できたり、またできる、と思っていたら大間違いだ(してやろう、という気持ちは大事)。
 先日の契約更改で球団からの複数年提示を断り、単年契約を結び一部ファンの間でも来季FA確実、と思われているのは皆さんご存知の通りだ。本人は複数年だと自分の場合甘えが出るので単年で1年1年を勝負したい、とは言っていたが。
 それなら自ら弟子入りを志願する豊田コーチがチームにいる間はライオンズに骨を埋める覚悟で取り組まないと嘘になる。正直、確かに今シーズンの働きは素晴らしかったがトータルで見れば、豊田コーチの全盛期やかつてのサンフレッチェに比べて安心感があるか、と問われたら素直に首を縦に振ることはできない。恐らく本人もその辺の自覚があるからこその弟子入り志願なんだと思う。
 成績関係なくFA移籍してファンから「やっぱりな」「弟子入り、って言ってこれか」と言われるか、成績もしっかり残してライオンズの為に闘ってくれるか、それによって彼の1年1年を勝負の年にしたい、豊田コーチに弟子入りしたい、という言葉が軽いのか重いものなのかがハッキリする。

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