初志リターンズ。

たまたま1.5カ月前のNewsweek日本版を読み直していたら、見過ごしていた最終頁にびっくりする記事を見つけました。(海外にいる間、日本語の雑誌は私の精神安定剤みたいなもので、隅から隅まで、何度も読みます。)

この記事で取り上げられている1989年7月のNewsweek(英語版)、交換留学に旅立つ直前の高校生だった私が、記事を何度読んでみても内容を全く理解できず、悔しくて、もうすぐ始まるアメリカでの生活が不安になり、わんわん泣いた号です。この記事が28年経って私の目に留ったのが驚くべき偶然。

今になって思えば、日本の純ジャパ高校生の私が、Roe vs Wadeのとても難しい判決内容や、米国司法の複雑さや、リプロダクティブライツなど日本語としても意味を理解していなかったものを英語で読み理解できるはずもなかったのです。でもあの当時、高校生にとっては高い購読料を払って英字雑誌を読み、留学準備に英語を勉強しようとしていた私には、「何も理解できない」は大きな挫折でした。

結局、私は高校での1年間の留学がきっかけで、英語で仕事をし、海外で生活をする大人になりました。この数年後にはアメリカの大学院でリプロライツの論文も書きました。28年前に「英語をちゃんとわかりたい」と泣いた気持ちはすっかり忘れてしまっていましたが、こんな偶然であの悔しさが蘇るとはびっくり。(しかもこのNewsweekはたまたま友人経由で入手した稀な号。)海外の新聞を読みたい、CNNのニュース速報を和訳される前に理解したい、と思って英語を一生懸命に勉強した若き日を、外国を知りたいと願った初志を思い出せという何かのメッセージだったのかもしれません。

海外生活に疲れてくると、見るもの聞くもの全てが嫌に思えたり、無駄に日本や別の国と比べて「だからこの国は…」と嘆いてみることも少なくありません。でも何があろうと自分で望んで選んだ道。こうやって海外で日本にいては体験できなかったことや知ることのなかったこと、気付かなかった感情などを全部まとめて楽しめるよう、また前向きにやっていこうと思う機会でした。Newsweekさん、ありがとう~。

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Sekomo

数年刻みに居住国を変えて約20年の開発ワーカー。これまでに暮らし・働いた国はアジア・アフリカ・欧米含めた10か国、行った国は約50カ国。食べることと飲むことが何より好きで、途上国で地元の食材を使った和食を作るのが一番の趣味。https://twitter.com/sekomo

開発ワーカーの胸の内

途上国を転々として、相手国政府に技術支援する「開発ワーカー」なる仕事。 何してどんなことを考えているのか、たまにご紹介。
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