レモングラス茶で一息。

海外を転々とする生活も約20年、9か国目のパキスタンでの任期は残り11週間になりました。 過酷な暑さが半年近く続く、厳しい夏が始まったパキスタンでは、今週はもう30℃を超えるようになり、自宅でも職場でもついに扇風機がまわり始めています。 

長くて厳しい暑さになると冷たいものを飲んでいたのは若き日のこと。常夏のカンボジアやタイに暮らしていた時に、夏バテで体調を崩すことが多くなって以来、ローカルスタッフから勧められて飲んでいたのがレモングラス(シトロネル)や菊花のお茶でした。 レモングラスのお茶は、単独では味があまりないのではちみつと生姜を入れてみたり、少し緑茶や青茶を足してみたり。 熱いお茶なのに清涼感があり、飲んだ後にすっきりするこのレモングラス茶を欲するようになると、私にとって夏が本格化したサインです。 

もう一つ、夏になると登場するお茶はミントティー。 冬は紅茶とセージのティーバッグ2個使いのお茶、夏はミントティーを飲むようになったのは中東出身の人のご相伴にあずかるようになってから。 私は仕事中、常に何かしらの飲み物を手元に置いていますが、自分が暮らしてきた国や地域で教えられたり、世界のあちこちの国出身の友人・同僚から「生活の知恵」や習慣を受け継いでいたりで、私の日常生活はとても多様で豊かなものにしてもらっていたようです。ま、そうは言いながらも、根本のところは日本の田舎で祖母から受け継いだ生活の知恵だったりするのですけどね。

以前、英語が苦手な甥っ子が中学生だった頃、なぜ英語を勉強した方が良いか説明を求められたことがありました。英語ができないと入試に不利とか就職が難しいとか、そういう現実的な事情があるから、英語ができないがためにやりたいことができないという状況を作らないように、という消極的な理由が一つ。 でも英語で生活し生計を立てている私が本当に感じている英語ができると良いと思う理由は、複数言語が使用・理解できると多くの文化や感情や知恵や経験により多く触れることができて、それが暮らしや人生を豊かにすると思うから。どうしても英語でなければ・日本語でなければ表現しにくいこともあって、その時には両方の言葉を持ち合わせていて良かったと感じます。例えばお悔やみのときの I am so sorry.は「残念ですね」と全く違う心の痛みを伝えてくれます。例えば相手の好意を「わざわざ」ありがとうと言う時の感情は、英語ではなかなか表現できないから、Thank you for わざわざ callingと言ってしまう。和英両方の言葉があるから的確に表現できる気持ちは、一つの単語を2つの言葉で言い表すだけではなくて、モノリンガルでは言い表せなかった心を出せることのような気がします。

夏の暑い日に麦茶じゃなくてレモングラス茶を飲みながら、なんだか人生まで考えてしまいました。 私の生活や人生を豊かにしてくれている世界中のあれこれに感謝。

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Sekomo

開発ワーカーの胸の内

途上国を転々として、相手国政府に技術支援する「開発ワーカー」なる仕事。 何してどんなことを考えているのか、たまにご紹介。
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