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夕方のロバ #10

記憶のけむり③
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全ては過ぎ去ってしまった

目の前には記憶の「次」の場面が用意されていて

私たちはそれを演じなければならない

記憶をかき集めている時間はない

すべては断片的な印象と

数行のセンテンスに置き換えられて

けむりのように漂うだけだ

そして私もいつか

記憶のけむりとなる



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