見出し画像

DXを起こす原点は、組織のビジョンとその展開

(文:SELF編集部:かつ しんいちろう)

私は総務省の地域情報化アドバイザーを務めている。最近自治体から依頼をいただくのはDX(ディーエックス:Digital Transformation)をどう進めたら良いかの話。
鹿児島県のDX推進アドバイザーも務めている。最近企業や経済団体から依頼いただくのもDXの話。
国も県も多くのDX関連事業を走らせている。世の中DXセミナーばかりだ(少なくとも私からはそう見える)。一般の人にはどう見えているのだろうか?不安になることがある。色々ニュースに出てくるから何かしないといけないと思っているのだろうか?いやいや、うちはITとは関係ないからと思っているのだろうか?自分の代はITは御免なので次の代から頑張ればいいと思っているのだろうか?

色んな研修や講演会に呼ばれて私が話していることは一つ。「DXをやろうと思ったら、間違いです。この先20年くらいの長期を見てミッション、ビジョン、バリューを再定義したうえで戦略を見直し、BSC(Balanced Score Card:バランスド スコア カード)でアクションプランの整合性をとり、各アクションプランにKPI(Key Performance Indicator:重要業績指標)を設定したうえで、デジタルのチカラが有用なところに適用するだけです。

キャプランとノートンが1992年に発表した経営戦略とアクションプランを整理するフレームワークBSCは、今でも私がコンサルティングの現場でよく使うフレームワークだ。オリジナルは、「財務の視点」「顧客の視点」「業務プロセスの視点」「学習と成長の視点」の4つの視点をバランスさせていた。

私はこの数年、企業の社会的責任を考慮し、新たな視点「SDGs達成の視点」を加えている。

そして、その内容の見直しは、従来は1年に1回であったのに対して、リアルタイムで良いと伝えている。組織の全員が最新版をアクセスできるところにBSCは保管され、誰もが閲覧できるようになっている。経営環境が日々変化する中で戦略が同じで良いわけがない。

こうしたことが行なえるためには、まずミッション、ビジョン、バリューを再定義だ。ここがブレたり、合意できていないと組織は弱い。

既にBSCを使っている組織は「SDGs達成の視点」を加えてみよう。実際に取り組んでいる内容が組み入れられるハズだ。まだの組織はBSCで整理してみよう。足りないところ、重複しているところ、ビジョンとつながっていない活動が見えてくるハズだ。(*BSCの解説はまたどこかで)

今回は、ビジョンからの展開でDXは起こるということについて書いてみた。組織目標を達成するためにデジタル技術は時に重要な役割を果たす。デジタル技術がビジョンに影響を与えることもある。ゴール実現に無くてはならないテコであることもある。そうでないこともある。

今日以降私のDX関連の講演を聞く人は「また同じ話をしているよ。」と思ってほしい。なぜなら、これこそがDXの本質だからだ。ビジョンに描かれていないようなトランスフォームはITの技術があっても起こらない。ビジョン主導なのだ。たぶんそういうことなのだ。

「あ、鹿児島っておもしろい」そう感じたら、ぜひサポートをお願いします^^ おもしろい鹿児島を、もっと面白くするための活動費として使わせていただきます。