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食は人の天なり:豪雨災害のあった秋田五城目にご飯を作りに行かせていただきました。

7月15日の豪雨災害で被災した秋田県南秋田郡五城目町。町内の浄水場が浸水した影響で今月16日からほぼ全域の3500戸で断水していました。
薩摩会議にも登壇してくれたうっしーを始め、私たちSELFと関わりのある方々が多く住む街。

↑こちらの記事でも紹介させていただいている、ポコポコキッチンのまるちゃんが、キッチンを開放して炊き出しをおこなっているとのことで、SELF有志で資金を出し合い、鹿児島のお肉やお米等を送り、EAT LOCAL KAGOSHIMAとして、日当山無垢食堂の料理長田中、支配人中原と、SELF古川で炊き出しのお手伝いに行ってきました。

多くの住宅が床上浸水した上に断水続いており、復旧は長期戦になりそうです。

食べることは生きること

左から:EAT LOCAL KAGOSHIMA田中・中原。五城目POCOPOCO KITCHENまるちゃん・みずきさん

ー来てみて、何か感じることはありましたか?

田中@鹿児島:テレビで(災害の様子を)みていたんですが、実際に現実を目の当たりにして心がギューっと痛くなりました。でも、秋田の皆さんがどなたも笑顔で。この地の方々の強さとまっすぐさに感動しました。

丑田@秋田:都市と田舎の違いってあって、田舎は助け合いもあるし、自然との距離も近いから、何か起きても受け入れるしかなかったりするから、大変だし辛いけどしょうがないかという感じはあるかもしれない。共助の感じがまだ残っているというのが、この五城目くらいの田舎町だとあるのかなと思う。
都市だと人工的に管理された街だから、何か起きた時もすぐに麻痺するし都市設計どうなってるんだよとか行政何やってるんだ!となりやすいのかもしれない。お隣さんの顔も知らないということも少なくないだろうから、もちろん緊急時に助け合いはするんだけど、日常からの関係性ができていない分田舎よりはちょっと距離が出ちゃうかもしれない。

古川@鹿児島:確かに、昨日も炊き出しのご飯を食べにいらっしゃった方たちも「お向かいのおばあちゃんが一人暮らしだから」とか「誰それさんちも断水してるから」と言って食べ物を持って行ってくださったりしてたよね。
ご近所さんのことを皆さんよくご存知な様子だった

中原@鹿児島:確かに。皆さん凹んでるだけじゃないというか。
しかし、ご飯を作っていてあんなにたくさんの方に「ありがとう」「ありがとう」と言っていただけるのは本当に嬉しかった。

鹿児島チームの作った料理をおいしいと食べてくださる五城目の皆さん

田中:はい。涙を流しながらありがとうと言ってくださる方が本当にたくさんいらっしゃって。そんなに喜んでくださるのかと。

古川:やっぱり、ご飯が作れるって強いなって感じたよね。何かのお役に立てるというか。

田中:はい。私たちはみんな、食べるために生きてますからね。

古川:昨日もマキさん(田中)と話していたけど、大変なことがあった時もとりあえずおいしいご飯があるってすごく大きなことだし、それを自分以外の誰かが作ってくれるっていうのも支えになるよね。

田中:本当は自分達でそれができる方達なんだけど、今はそれすらも難しいというのが、大変だろうなと思いました。

普段からあった共助の仕組み

古川:もともとまるちゃんのポコポコキッチンという開かれた場があったというのは、とても良かったよね。

丑田:そうだね。たまたまあそこのエリアは断水せずに水が出るっていうのも良かったし、日常から五城目には300年以上続いている街の酒蔵とか、500年以上続いている朝市とか、僕らの作った「ただの遊び場」とか、温泉とか。そういう場所が採算度外視だけど街に開放されて、そこがコミュニティのハブになっていくというのが良かったなと思ってる。

炊き出しを始めたきっかけ

古川:まるちゃんはどうして炊き出しを始めようと思ったの

石丸@秋田:単純に行政とかを待ってられなかったというのと、この地域だけは断水しなかった。その中で大量調理できるって、ここ(Popoco Kitchen)しかなかったので、やれることをやるしかないっていう感じですかね。普段から地域の農家さんから米もらったりしてたから、とりあえず炊いて出すかという感じから始まった。
それを街の人のところに持って行ったら、状況がわかってきたという感じ。周りを見渡しても僕しかいないから。「あぁ、これはやるしかないな」と

とりあえずはあるもので、食べるもの作って運びまくって。
でも、どんだけ作っても全員には届けられないんだよね。それで心折れそうになったけど、とりあえず知っている人からでいいからできることをやるしからないって。行政が入ってくるまでの初動。やれることをやっていたって感じですね。

古川:復旧は、長期戦になりそうですね。

石丸:そう。今ようやくいろんなところからものが集まってきたり、キッチンカー持ってる人が街に出てきてくれたりし始めてる。僕は支援している人たちを支援するみたいな。食べる喜びを感じてもらいたいというか。
みんな、菓子パンとかカップラーメンとかしか食てねぇって言ってるから。

「食べる」は言葉の壁を越える

古川:昨日も「久しぶりに野菜を食べました」という方、結構いらっしゃいましたね。まるちゃんが、もともとここにこういう開かれた場を開いてくれていたということも意味が大きかったですね。

石丸:そうなのかもしれないと感じました。地元のばあちゃんたちと畑とかもやってたから。移住者(※まるちゃんは広島から五城目に移住)って移住者コミュニティだけに収まりがちなんだけど、僕はそこからはみ出していたというか。
じいちゃんばあちゃんたちって、よそ者に目が厳しいところもあるから。そこをガツガツ入って行けない人もいるんだけど、「食べる」っていう共通言語があったってのはめちゃくちゃでかいと思う。僕もばあちゃんたちに、地元のばあちゃん料理みたいなのを教えてもらったり、差し入れももらったりするし。
僕の料理は、ばあちゃんたち曰く”ハイカラな料理”らしいんだけど、そんな感じで一緒に料理したり、ばあちゃんたちと一緒にイベントやったりしてたから。

古川:え?どんなイベント?

石丸:しるこフェスとか。ばあちゃんたちが小豆作ってるから、小豆を収穫して、もち米炊いてお餅ついてただただ汁粉を食おうぜっていう会。

田中:それは楽しいですね!

石丸:蕎麦とかもみんなで作ってるから。蕎麦育てて、収穫して、石臼で引いて蕎麦作ってみんなで年越し蕎麦作ってとかね。やっぱり「食べる」って言語を越えるから。僕広島出身なんで秋田弁まじわかんないんだけど。

古川:五城目にきて今何年?

石丸:今3年目。五城目きて、ただおしゃれなカフェやってもばあちゃんたちと交流できないし。泥臭いところもありながら、わかる人はめっちゃわかるみたいな。ここのPOCOPOCO KITCHENは「ポコポコ」っていう通貨があるんだけど、ばあちゃんたちは説明してもあんまり意味わかんない。けど、でももらったらなんか嬉しいみたいな感じでやってます。

ポコポコキッチンだけで使える葉っぱのお金(ポコポコ)。畑仕事を手伝ったり、食材をお裾分けしたりするともらえて、キッチンでの飲食代として使うことができる。

私たちが鹿児島に帰った翌々日にやっと水道が復旧。それでも街に日常が戻るのはしばらく先になりそう。まるちゃん、みずきさん。またいつか一緒に料理をしましょう! 無理しすぎず頑張って!


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