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さだまさしさんのお庭から        vol.12#(番外編) すかんぽ

『風の篝火』


昨年の『すかんぽ』中の「風の篝火のすかんぽは恐らくイタドリ」という記述に物言いが付きましたので、番外編として『すかんぽ』を再投稿します。

早稲田大学さだまさし研究会同期のF氏曰く「開花期からしてスイバだろう」
イタドリは夏から秋に白い花を、一方スイバは初夏から夏に赤い花穂をつけるので、蛍の季節に重なるのは確かにスイバです。
けれど唄を覆う淡く儚い色彩のトーンから「すかんぽの小さな花」は赤よりも白、イタドリの方が似つかわしく思えたのです。
改めて『風の篝火』を読み返してみました。

「篝火」とは一体何を表しているのでしょう?
それまでずっと、蛍がたゆたう様子を風に揺らぐ篝火になぞらえていると思っていました。が、篝火とは周囲を照らす為、或いは御札などを焚べる為に燃やす火で、蛍の光のような淡く儚い光ではありませんね。

スイバは小さな赤い花穂を無数につけます。そして全体として紡錘形のそれは、燃え盛る炎を思わせます。
そう、篝火は赤いすかんぽ、スイバなのです。
蛍は篝火から上がる火の粉、或いは雪のような灰塵なのかも知れません。
2人の物語は篝火に焼かれ、舞い上がって全て終わるのでしょう。

作品の解釈は読み手の自由だと思っているので、好き勝手書いております。そして30年を超えて尚、こんな論争を繰り広げられるなんてとても幸せな事ですね。

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