「答えが一つとは限らない問題」とは

◆答えは一つ

小学校や中学校で習う科目のテストでは、ほとんど答えは一つですよね。
中3で習う数学の二次方程式では2つの解が答えですが。
他の教科でも〇か×の答えも多いですし、どうしてなんでしょう?

ある方は『戦後日本の占領政策の一環として、日本の教育に二元論を注入した』と述べています。
二元論とは、「正しいか間違っているか」「良いか悪いか」「○か×か」という考え方で、日本をコントロールしやすい国にするために、このような考え方を定着させたということらしいです。

40年ほど塾業界に身を置いている私としては、次のような理由もあるかと思います。
『テストで採点しやすいため』

数十万人が受験するセンター試験でも、そのほとんどが選択式、しかも必ず答えは一つですよね。
2020年から「大学入学共通テスト」となり、記述式問題を導入する方針とのことですが、8割方はこれまで通りじゃないでしょうか。
数日間で数十万人の答案を採点するということになれば、それは致し方ありません。

◆二元論の弊害

受験現場でも、まずは正解をいかに早く導くかが一番重要なことになっています。
ただ、このことで、現代社会に弊害が起こってきているのではないでしょうか?
仕事の面で何か正解みたいなものがあって、それを先輩たちが教えてくれるものだと思ってる若者が増えてきているような気がしてなりません。
確かにマニュアル的なものはあったとしても、社会に出たら答えは一つとは限らないでしょう。

◆答えが一つとは限らない問題

そこで、公的学校現場ではまだまだ難しいとしても、我々のような私的教育機関では、様々な試みがされています。
私としても「答えが一つとは限らない問題」を生徒に挑戦してもらい、問題解決力の向上を図っています。

例を挙げると、次のようなマッチ棒数式問題です。

『マッチ棒で作った数式・・・間違ってますよね。
マッチ棒を2本動かして正しい式にしてください!
答えは1つとは限りませんよ』
(出題:早大セミナー塾長 福田誠)

◆数学の問題であれば
「方程式 2χ+1=3 を解きなさい」
これは、もちろんχ=1しか答えはありませんが、

「方程式が 2χ+1=3 となる問題を作りなさい」という問題ならば、
たくさんの答えが考えられます。

◆探求する考え方が大切

このような問題を考えるということで、探求する考え方が身につき、創造力や問題解決力が育ちます。

この note でも、たくさんの「答えが一つとは限らない問題」を紹介していこうと思います。

2018年6月に創設37周年を迎えました『早大セミナー』では、ただ単純に教科書の予習復習をするということは一切せずに、とにかく柔軟な考え方・物の見方を身につけることを目標にやってまいりました。 そのような発想力を鍛える問題そしてその考え方等々について書き記していきます。