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日本個性化教育学会「春季研究会」感想と個人的メモ。

あっという間に4月も10日を過ぎてしまいました。早い。早過ぎる。

毎日が皆さんと同じくバタバタでありますが、そんななか、3月末に、日本個性化教育学会の春季研究会というものに参加してみました。参加というのか、オンラインですから、拝見?(拝聴?)

こちらの学会の存在は「学びの個性尊重プロジェクト」の上田さんから聞き知りました。角谷詩織先生も「松村暢隆先生が講演されます」とFacebookで紹介されていました。今回は私自身の学びメモとして記しています。

個性化教育学会とUConnと松村先生

レンズーリ先生つながり、コネチカット大学つながりで、松村先生には尊敬と親しみの気持ちを個人的に持っています。UConnの先生方からも「松村先生は日本の教育のためにと非常に熱心だった」と聞いていました。ここでの共通点はご覧の通り「日本」だけですが、私のなかでの親近感は勝手に盛り上がっております。

今回は「個性化教育学会」という名称にも「お!?」と運命らしき何かを感じてしまいました。すごい、そんなピンポイントな名称の学会があるんだ!とドキドキです。早速ホームページをのぞいてみました。

「タイトル未設定」と出てしまってますが、クリックするとちゃんとホームページに飛びます。

発足は愛知県東浦町って、そっか!緒川小学校か!距離的近さを感じます。

ひき続きあちこちクリックして松村先生のお名前を探しますが、見つけることができません。そっか、先生は今回の春季研究会では特別ゲストか何かで登壇されるんだな!これは見逃せない!直前でしたが即申し込みました。

春季研究会は朝10時前にスタート。15時過ぎまでというスケジュールでしたが、最初から最後まで非常におもしろく、あっという間に時間が過ぎていきました。2017年春にカリフォルニア・ギフテッド協会のカンファレンスに初めて参加したときのような興奮です。

そういえばあれが私の初めてのカンファレンス体験でした。あそこでウェブ先生と、レンズーリ先生&リース先生のプレゼンをLIVE体験して、震えるほどの感銘を受けたのです。その直後、締め切り間近だったUConnに大慌てで出願しました。

それまでじつは迷っていたのでした。おうちベースのオルタナ教育もしてましたから、大学院での学びにこの私が本当にコミットできるのか、息子のadvocateがおろそかになってしまわないか、と自信が持てなかったからです。あのカンファレンスに参加していなかったらUConnには進んでなかったかもしれません。やはり「今だ!今しかない!」と思った瞬間を大切にしなくては。

個性化教育学会では、カリフォルニア・ギフテッド協会のカンファレンスやUConn現地で経験した知的興奮をひさしぶりに感じることとなりました。UConn現地で最後に授業を受けたのが2019年夏ですから、じつに3年ぶりです。

松村先生が発表されているときは、レンズーリ先生のセミナークラスでのお話やConfratuteでのプレゼンを聞いているような錯覚に陥りました。UConnで学んだことを日本語で「まとめ復習」している感じでもありました。

以下は私のリマインダー的なメモだったり新たな気づきです。内容は有識者会議でもお話されていることだと思います。

こちらの会議第9回傍聴は4月15日金曜日13時から15時まで、受付は4月13日水曜日の17時までだそうです。

才能教育と松村先生

・WG(→Working Group)
・CSTI

・giftedの概念がごっちゃなので、あえて「gifted」は使わない

・連邦法(1978年)
・識別基準(個別のプログラムでの基準)
・課題への傾倒(→task commitment)

・differentiation of instruction by C. A. Tomlinson
・日本の個別最適というものかも(共通?)
・このモデルでやる、という感じではない

・早修(acceleration)は、単位修得・早期修得
・先取り学習は、単位修得済みにならなければ「拡充」という位置づけ
(↑ アメリカでは単位修得になることが多いため完全に言い忘れてた!)
(拡充であるSEMも、生徒個人の習得状況により積極的に先取りする)
(その先取りが「早修」になる場合もある)

・どこまでが2eか、を考え始めると永遠に続く
・故にここでは追求(追究?)しない

・日本では「学習~~~の子たち」
(↑「~~~」のメモが抜けた)
・障碍の有無を限定せず困っている子たち

・発達多様性

・松村先生は特性を talent と書かれていた(と思う)
(↑ 個人的にとても興味深い)
(gift, giftedness, talent の定義はアメリカでも研究者によって異なる)

・2e教育の理念は才能教育の原点

・広義の2eは、例えば発達障害が6%とすると、その全体の2%かな?

・2e = アメリカ
・2E = 日本

・GDF = gifted with discordant feelings
(↑ 日本でのterm。アメリカでは出会ったことがないterm)
・障碍は認められないが、才能による困難がある
・困っている才能のある子= 2E + GDF

・不登校・行き渋りのうち3割近くが才能による困難からだった(2020.8)
・学校でも国でも認識されていない

・個性化教育学会の昔からのメンバーである
・幽霊部員ではない
(↑ 笑)
(松村先生ご本人が学会中におっしゃられていたことです)

日本の教育と奈須先生

奈須正裕先生のご講演は、日本の教育に疎い私にとって非常に興味深いものでした。「自立的な学び」や「アクティブ・ラーニング」のお話は、具体例や具体策は若干違えどUConnで学んだことと基本は同じで、日本語で復習できたことを嬉しく思いましたが、「一斉指導とは何だったのか」や「学校教育の過去・現在・未来のモデル」など、日本の教育の成り立ちというか今昔、流れに関しては初めて学ぶことだったので、とてつもなくおもしろかったです。

私自身35年前に義務教育を終えたあとは英米の学校に進み、子育ても日本の教育から離れましたから、日本の(学校)教育にはとにかく疎いです。アメリカの州立大で取った学士も教育学ではありません。故に以下の個人的メモの抜粋は私の無知さ加減を披露するものとなりますが、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

~~~~~

・高度経済成長期までの社会の要請
「みんなと同じことができる」「言われた通りにできる」
(↑ これはアメリカでも同じ)

・これからは自立した学習者に変えていこう
・自立していくために教育がある

・総合学習=協働的
・独自学習=個別最適

・active learningは先生に出されたことをactiveに学ぶことではない
(↑ 笑)

・一斉指導とは?
・一斉指導は明治にアメリカから入ってきた
・江戸時代は寺子屋で、個別指導だった

・日本の強みは「相互作用」
・日本の教育はじつは協働学習
(↑ 聞きそびれた。一斉指導では厳密にはないってことだったかな?)

・しかし日本は教師がいないと学べない=教師主導
・教師のイニシアティブがないと学べないようになっている=正解主義
・同調圧力や忖度が生まれやすい
(↑ なるほど!)

・日米の教科書の違いなど
(↑ 確かにアメリカの教科書は「図鑑」=それだけで独自学習可能)

・ICT・GIGA端末はツールとして生徒の学びのために使用
・教師が教えるために使用していたら「教育」は変わらない
・生徒が直接アクセスできる文具のように使用すべき
(↑ 園では直接アクセスできるのに、小学校から突如「要許可」)

・環境による教育=子が直接リソースにアクセス&大人は支援
・学校環境整備&支援

・学校に合わないと、子どもに障害があることになってしまう
・そうではなくて、カリキュラム(学校)に障害があるのではないか

・生徒主体の学びが行われている長野の小学校での理科実験の様子
・生徒自身が気づいた学びを、教師は(肯定も否定もせず)繰り返す
【主体的で自立的な学びを促す例】
生徒:〇〇だから△△だった!
教師:なるほど、〇〇だから△△だったんだね
(↑ 以下はUConnでの学び)
(教師はfacilitatorとして重要な役割を担っている)
(meaningful questionsで生徒のさらなる思考を促すことが大事)

・幼児のように、遊びのなかから偶発的に学びが起こるのでは困る
・もっと鋭角的に

・学びの手引き
・めあて
(↑ ?)

・本物の学び
・オーセンティック
(↑ authentic)

・教え込む授業は、X

おわりに

後半では天童中部小学校の先生方の素晴らしい発表や討論会などがありました。ここでは割愛しますが、新たな気づきや感動が得られましたので、またの機会がオンラインであったらぜひ参加したいと思いました。

英語ですと「differentiation」の一つで理解だったり表現できるところ、日本語にすると「個性化」「個別化」「個別最適化」「個別最適な学び」といろいろあって、しかもそれぞれ微妙に定義が違うようで、こんがらがっています。

何がどう違うのか・・・・
(調べてみよう)


【追加情報】
日本個性化教育学会の2022年の全国大会は、8月6日&7日に開催されるそうです。オンラインだそうです!


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