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不動産屋のやりがい

この春に引越しする方のお部屋探しが
ようやく落ち着いて来た。

今年も良く頑張りました、アタシ。
いわゆる繁忙期が静かに終わりを告げる…

今年は娘と同じ年齢の男の子7人との
お部屋探しで1人大体3時間位話しながら
お部屋を見てまわり
その後、書類を書いたり
後日契約をしたり
往年の染之助染太郎状態で
7枚の皿を回しておりました。

7人が最後に鍵を受け取る
段取りをするまでが
私のお仕事でございます。

お部屋の案内をしながら
信頼関係を作るのに
大事にしていることは
雑談力!
部屋の設備のことや家賃など
メインはお部屋に関することながら
やはり人間なので長い時間一緒にいて
アレコレ話題は飛ぶわけで…

自炊したいから二口コンロで
シンク脇には作業台が有る部屋希望。

服が好きだからクローゼットが上から下までコートが掛けられる広い部屋がいい。

飲み会大好きで、寝に帰るだけだから
狭くても家賃を抑えめにしたい。

家でほぼゲームしながら過ごすので
ネット環境を重視している。

車を実家から持って来たい。

本が好きだから収納がたくさんある
部屋を探して欲しい。

みんな自分の私生活を明かしてくれて
その話から紹介する部屋を
少しずつ絞り込んだりもする。

7人が同じ会社の新入社員だけど
7人7色のお部屋に落ち着いて行くのが
不思議だった(って自分で紹介した癖に)

会社の方針で、仲介手数料は
値引なしの満額頂くにもかかわらず
(私は会社のご紹介なんだから
割引すべきだと今でも思うんだけど)
みんな部屋が片付いたタイミングで
「お世話になったので」と
地方の銘菓やお茶など
お礼の贈り物をお待ちくださるのだ。
若いのに、出来た子だよーーーと
涙が出そうになる。

モノが貰えるからではない。
こうして感謝してくださることに
感無量になるし、この仕事のやりがいを
強く感じる瞬間だ。

品物こそ、お母様がご用意したかも
しれないけれど…
それをわざわざ持って来てくれる
その気持ちに胸が熱くなる。

お店に来てくれる時の顔が
希望に満ち溢れて、輝いている。

どうか、新しい部屋で新しい人生を。
自分の思い描く、輝かしい未来を。
いろいろ辛いことも有るでしょう。
そんな時は是非また顔見せてね。
今時のフレーズで言えば
レジリエンスを持って歩んで欲しい…

同じ歳の子がいるんだから
完全にお母さん目線だけど
最初にお店に来た時と違う
引越しをやり遂げた背中が凛々しく
おばちゃんは目を細めながら
見送るのであった…【完】

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