男性ブランコ単独公演「えんがわサイケ」

公演まるまる1つのコントのようでした。
面白くて丁寧でおしゃれでサイケデリックで、、

難しい話だとは思うけども、どれだけ人気になってもこの規模の空間でやり続けてほしいと思いました。こんなに書いちゃダメだったらすぐ教えてほしいです、

客入れが蝉の鳴き声と水の音、公演のはじまりも虫や鳥の鳴き声。夏の音。

「お一人様ですか?」
強すぎないけどくせのあるキャラクターを描くのがうまいですよね。前半はテンポ感ある掛け合いが続いて、途中流れが大きく変わるところでぐっとスピードが落ちる感覚、そのままパッと切り離すようにネタが終わり、別居中の妻を待つ夫と喜びを隠すようにむすっとした表情をした妻の再会を私たちは想像する。お客さん各々の想像した展開が空間を浮遊するような、とかは言い過ぎですかね。

「玉猫」
謎のダンスタイム。めちゃくちゃ笑う。

「豆もやしのマメモ!」
自己肯定感の低い妖精は初めて出会いました。そんなマメモと、離れて暮らす中学生の娘との接し方に迷うのりひろがお互いの選択を肯定し合う。哀愁だけど前向きで。もっと長尺でマメモの存在の意味付けとか知りたいなと思いました。

「消しなさい!」
これが…!これがまた!すごいネタです。面白くてげらげら笑ってたら、急に予想もしない展開。そして近未来。圭太に感情移入するように、さっきまでの団欒が消えてしまうことを惜しむ気持ちで胸が苦しくなります。ハッとするオチ。ああ、それがそれで、!だからか、ああ待って、!と後から思って記憶を回収しようとしても消してしまったアプリのように取り戻せなくて切なくなりました。

「黄昏時です」
これは最初のコント「暑いですねえ」から繋がる設定。妖怪の世界を垣間見た二人。ここで照明を使った演出。うわっと驚かされます。これで終わりだと思ったら

「ああ、もう夜だ」
これもまた「誰も見ないなあ」から繋がるネタ。また照明を使った演出。素敵。オチの台詞が綺麗です。

以前平井さんにいただいた「今後ともぜひ見ていてほしいです!」というメッセージすら公演の最後につながる伏線だったんじゃないかと思えるほどです。

終わってから見てみるとフライヤーにもリンク要素が

コントだけじゃなくてネタの間の青照明での転換も余韻を残していて、より全体でひとつの構成を強めているように感じます。

男性ブランコさんはとにかく色んな人に見てほしいのです。ネタライブで見るのもいいですが、面白いコントを作る演じるだけではなくてライブをつくる能力に長けていて、それが存分に発揮されるので特に単独公演をおすすめしたいです。次も絶対に行く、!!