大怪獣のあとしまつのオチに納得できない人へ

大怪獣のあとしまつのラストのオチが不評だが、ではどんな結末だったら納得するのか教えて欲しい!

解体しても腐った肉は食えないし、ゴルドンみたいに金が含まれてるわけでもなく、放射能も出さないから核燃料としても使えない。考えうるのは鯨のように海洋投棄だが、そんなの映画で観て面白いか??

もしアラタが「希望」を持ち去らなかったら?

キノコは既知の生物なので薬品や海水で容易にその繁殖を防ぐことができるはず。
人体に生えたのは、怪獣の体液に直接触れたのが原因と考えられるため、不特定多数に被害が広がる可能性は低いと考えられる。

腐敗ガスに関しては、再度腐敗隆起が発生しても、ブルースが開発したミサイルランチャーで処理可能。
さらに、ダム作戦によって、水に通すことで悪臭が軽減されることも証明されているから、ガスをパイプで水中に逃がすことによっても対応可能。

薬剤によって腐敗を止め、原形を留めたまま保存できれば、当初の目的通り観光資源としてインバウンド収入が得られ、復興に寄与することができる。

つまりアラタは「人類を救った」のではなく、人類を見捨てて「復興の邪魔」をしたに過ぎない。

大怪獣のあとしまつで監督が描こうとしたもの

大怪獣のあとしまつで監督が描こうとしたのは、ルッキズムの否定ではないかと思う。
美形のアラタは人類を救うヒーローじゃなくて、痴話喧嘩に敗れて人類を見捨てるチキンである。
空気を読まない下ネタギャグを連発する国防大臣は、裏で手を回して特務隊から指揮権を奪う実力の持ち主だし、何を考えてるかわからない雨音は着々と自分の謀略を進めてる。
怪しい身なりの八見雲は、本編で唯一成功した作戦の立案者だし、ブルースやその仲間も、とても仕事ができるようには見えないが、きちんと仕事をこなしている。

ウルトラマンにしか見えない光の巨人にしても、その目的は結局語られることはなく、もしかしたらメフィラス同様、地球侵略を狙う外星人かもしれないし、怪獣を倒したのも自作自演のパフォーマンスで、証拠隠滅のため死体を持ち去った可能性さえある。

大怪獣のあとしまつには、人を名前や、見た目や、肩書や、先入観で判断することを諫める描写が何度も登場する。
それこそが、監督がこの映画で本当に伝えたかったことではなかったのか?と思う。

セリフを文字通りの意味でしか受け取れず、説明を省いた部分は伝わらず、不快な描写があればすべてをミュートしてしまう観客が多かったのは、残念だ。

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