齋藤 宣裕(さいとう せんゆう)

秋田県秋田市の寺町にある、秋田県最古の日蓮宗寺院、法華寺(ほっけじ)の副住職。お寺を開…

齋藤 宣裕(さいとう せんゆう)

秋田県秋田市の寺町にある、秋田県最古の日蓮宗寺院、法華寺(ほっけじ)の副住職。お寺を開き地域の方々とご縁を結ぶ中で、秋田を盛り上げていきたいと思います。仏教が好き、お寺が好き、人が好き、カレーが好き。

マガジン

  • これからのお寺とお坊さんを考える

    日本のお寺が過渡期を迎える中、お坊さんたちは試行錯誤、手さぐりで新しいお寺、新しいお坊さんのあり方を模索しています。お坊さんの考えていること、少し覗いてみませんか?

最近の記事

これからのお寺観光〜sightseeingとtourismについて

コロナウイルスによるお寺業界の変化今回の新型コロナウイルスの問題は世界中に大きな変化をもたらしていますが、 日本のお寺業界にも少なからず変化が見え始めています。 それはお寺のIT、オンラインの急速な発展です。 以前からお寺にも一般社会のようなIT促進を求める声がありつつ、ホームページを持っているお寺もまだ多いとは言えない状態が続いていました。 ところが今回の新型コロナウイルスによって、従前のお寺の仕事を行うことが難しくなったこともあり、現在は全国各地のお寺で急速にIT

    • オンライン疲れの正体

      オンライン疲れ自粛生活の中で、世の中の多くのものがオンライン化されています。 出かけなくてもオンラインでできる、ということは大きなメリットですが その一方で「オンライン疲れ」という言葉も耳にするようになりました。 本来はリラックスするはずの自宅などからオンライン参加しているのに、どうして疲れが生じるのでしょうか。 思ったより厳しい「自分を見る目」いろんな人にお会いしていると 「私、だらしないから」 「私、ゆるい人なんです」 というお話をよく聞きますが、総じてみなさ

      • 正しい言葉と伝わる言葉

        みなさんは「重複」って、どう読みますか? 正しくは「ちょうふく」だったのですが、じつは今は「じゅうふく」も正解なのだそうです。 このように元々は誤った読み方が、世の中で広く使われるようになったために認められた読み方のことを「慣用読み」といいます。 たとえば「早急」は「さっきゅう」が正解ですが、慣用読みの「そうきゅう」も認められています。 知識として正解を知っておくことは大切ですが、人に何かを伝える時、正しい読み方にこだわってしまったり、「ら抜き言葉」などを指摘したりす

        • インスタライブ 〜 発信したい私たち 〜

          新型コロナウイルスの問題があって、いろんなことがオンラインに場所を移し始めています。 自粛生活で自宅にいる時間が増え、スマホに触れる時間も増えているように思います。 ネットはいろんな隙間を埋めてくれますが、その一方で浮き彫りになってくることもあります。 •*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚ SNSによって誰でも簡単に発信できるようになりましたが、 今はInstagramでライブ配信する人が多く、視聴者が数人であってもインスタライブ

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        • これからのお寺とお坊さんを考える
          8本

        記事

          クラヤミトイレ

          昨夜、トイレに入ろうとしたら事件が起きた。 何度ポチポチしても、トイレの電気がつかない。 むむむ。 電球が寿命を迎えたのだ。 しかたなく、真っ暗闇の中で座ってみる。 ドアを開けておくのもなんとなく気が引けて、明かりの漏れるドアを閉めるとトイレの中は本当に真っ暗である。 最初はなんとなく落ち着かないのだが、不思議なことに少し経つとなんだか暗闇が心地よい。 人間は本能で暗闇を恐れるものだと思っていたが、文明に溺れる現代人は原始の暗闇を懐かしく思い出すのだろうか。

          仏系青年とさとり世代

          今回のコロナウイルスの問題は、自分の心の中と向き合わざるをえないですね。 自分への思い、他者への思い、家族への思い。いろいろ考えさせられます。 自分自身をじっくり観察してみたいと思います。 •*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚•*¨*•.¸¸☆*・゚ さて、恥ずかしながらつい最近知ったのですが 中国では「こだわりもやる気もない若者」が増えており、こういった若者を「仏系青年」と呼ぶそうなのです。 中国メディアでは ​───────​─────── 仏

          100日後に死ぬワニと自分だけの物語

          「100日後に死ぬワニ」が大きな話題となり、 そして残念ながら炎上とともに終わりました。 これだけ話題になった作品ですから、結末に賛否両論あろうことは想像しましたが、 まさかこんな形で問題になるとは思っていませんでした。 ワニくんに寄り添ったファンのひとりとして、やはり少し残念に思います。 「100日後に死ぬワニ」は連載開始時から「一日一話更新で百話目、つまり百日目にワニくんが死にます」という前提で進んでいました。 ​───────​─────── 作者のきくち

          100日後に死ぬワニと自分だけの物語

          新型コロナウイルスに思う3つのこと

          今、新型コロナウイルスが世界中で大きな問題となっています。 病気としての怖さはもちろんですが、社会活動がストップして経済や文化活動に与えられる影響がものすごく大きくなってきました。 最近では感染を広げないための自粛と、私たちの日常を守る活動とのバランスが課題となっています。 今回の件で考えたことがあります。 「信用の重要性」 「情報を選ぶ時代」 「生命の危機と本能」 の3つです。 ​───────​─────── ①「信用の重要性」 今回のウイルスは人から人へ

          新型コロナウイルスに思う3つのこと

          「バズる」より「ジワる」

          SNSなどでは日々「バズ」が起きています。 今回の新型コロナウィルスの影響によって、多方面で改めてインターネットの活用、リモートワークが注目されており、お寺業界でもまた一歩、ネットの活用が進む印象があります。 では、そろそろうちでもSNSやネットで何かやろうか、と考えた時に 私などはつい 「どうやったらウケるかな?」 と、いわゆる世間で注目されることを考えてしまいます。 いわゆる「バズる」ことを目指してしまうのです。 ​─────── バズる、とは 短期間で

          「バズる」より「ジワる」

          吉良吉影は静かに暮らしたい

          【吉良吉影】という単語でピンときた人はジョジョフリーク。 「激しい喜びはいらない…そのかわり、深い絶望もない…植物の心のような人生を…そんな平穏な生活こそ、わたしの目標だったのに…」 もはや国民的マンガとも言える「ジョジョの奇妙な冒険」の第4部『ダイヤモンドは砕けない』のラスボス的キャラ、吉良吉影の言葉である。 吉良吉影の正体はとんでもない殺人鬼なのだが、このセリフに限って少しだけ共感を覚えてしまった人は少なくなかったように思う。 植物のように静かに生きていきたい

          吉良吉影は静かに暮らしたい

          オードリー・ヘップバーンの語る幸福

          みなさんにとって「幸福」とは何でしょうか。 一言で答えるのは難しいかもしれません。 有名な女優オードリー・ヘップバーンは、こんなことを話していたそうです。 「幸福のこんな定義を聞いたことがあります。『幸福とは、健康と物忘れの早さである』ですって! わたしが思いつきたかったくらいだわ。だって、それは真実だもの」 なるほど。幸福=健康は思いつきますが、物忘れの早さというのは言い得て妙ですね。 「知らぬが仏」という言葉がありますが、苦しみや悩みの多い人生において、忘れてし

          オードリー・ヘップバーンの語る幸福

          私がオジさんになっても

          もう40歳を過ぎてしまった。 医療が発達して長寿高齢社会とは言うものの、明らかに私の人生は後半戦である。 仏教の世界では 「若いからと言って先が長いわけではなく、いつ生命を終えるかわからない人生を大切に生きましょう」 とお話するわけだが、やはり年齢を重ねてくると生命の残り時間を意識するタイミングは増えてくる。 自分に残された時間はどれくらいなんだろう。 いつまで元気に動けるのだろうか。 思い出してみると、中学生の頃「うわー、だいぶおじさんだな」と思っていた担任の

          私がオジさんになっても

          転んだっていいよね

          今朝、雪かきをしていて派手に転んでしまった。 幸い誰にも見られていなかったが、 この年齢になると痛いやら恥ずかしいやらで、なかなか大変である。 しかし、しばらく早朝の参道に寝転んで見上げる冬空は、なんと心地よいことか。 そう、転んだっていいんだ。 また起き上がればいい。 転んでしばらく起きれなくたっていいじゃないか。 いいこと教えてもらったなあ。

          お金がなくなる日

          いつか世界からお金がなくなる... 「新しい時代のお金の教科書」という本があります。 著者の山口揚平さんは、お金の本質は発行している母体の「信用」と、使っている人の数で表せる「汎用」のかけ合わせだと言います。 そして、信用の母体が国家から個人に移ってきている、とも指摘しています。 お金の正体を「譲渡できる信用」「外部化された信用」と考えた時、これからお金はどうなっていくのか。 お金を使わず、個人間で信用によって物と物、あるいは物とコト(体験や行動)を取引する時代がや

          幸せの最小公倍数

          今年は全国的に暖冬、あたたかい冬です。 私の住む秋田でも、雪のない大寒を迎えました。 昨年も大変雪が少なかったですし、もしかしたらこれからはこのような冬が増えてくるのかもしれません。 なまけものの私などは 「いやー、今年の冬は雪が少なくてありがたいなー。雪かきしなくていいな」 なんて喜んでしまいますが、 その一方でニュースを見ていると、各地のスキー場で雪が降らなくて困っている、雪まつりが開催できるか心配、雪解け水がなくなると農業では春からの水不足が懸念される、除雪

          伝説の雑誌「ゲーメスト」

          突然ですが、私はいわゆるゲーム世代でして。 小学生時代にファミコンが発売されて以来、私たちの世代はゲームとともに成長してきた、という方が多いのではないかと思います。 ゲームにもたくさんのことを教わってきた私としては、最近のゲームに対する厳しい意見を目にすると複雑な思いです。 さて、その中の文化(と呼んで差し支えないと思います)のひとつに、ゲームセンターがありました。 一時期は不良のたまり場として忌み嫌われ、学校ではくれぐれも近づかないように!と指導されていたこともあり

          伝説の雑誌「ゲーメスト」