私だって男に生まれたかったよ

昨日、小顔注射3回コース、最後の1回が終わった。

夜、一緒に飲んでいた女友だちにそのことを報告していると、カウンターの向かいに座っていた男性客からチャチャが入った。

「え、整形してるの?」

別に隠すことでもないので「はい。今日小顔注射してきて」と答えた。そして、せっかくだからひと笑いくらいとっておこうかと思って「ちなみに鼻にもヒアルロン酸入ってますよ〜(笑)」と付け加えた。

すると「え、なんでしようと思ったの?」と、いぶかしげに聞いてくる。

「そんな深い理由はないですけど……。ちょっとこの辺のお肉が気になってたし、ちょうどお金もあったんで」

「結構、変わるの?」

「注射なんで、劇的に変わるかって言うとそうでもないですけどね。でも自分で触ると感動しますよ」

「ふーん。でも男はそんな小さな変化気付かないと思うよ」

……は? いやいや、なんでそこ、男の評価のためにやったって決めつけてるの?

「いや、別に、自分の気分を上げるためにやってることなんで。あんまり男性からの評価とか、関係ないっすね」

「へえー。でもさ、なんで整形したって、隠さずに言えちゃうの?」

まずは、自分の失礼な決めつけを謝れよと思ったが、事を荒立てたくはなかったので「まあ、私にとっては、スキンケアとかメイクの延長線上なんで。普通に、女同士の世間話って感じだったんですよね」と答えた。

「そうなんだ。俺はそういうのいいと思うよ」

……は? は? は? は? は?

“いいと思うよ”だと?

なぜ? なぜ、そんな上から目線なの? お前にいいとか悪いとか判断される筋合いないんですけど? 

ていうか、これまでの失礼な質問の数々に丁寧に答えてやってたのは、お前に認められるためじゃないからな? めんどくせえなと思ったけど、礼儀として答えてやってただけだからな? 

あまりにも腹が立ったので「お前何様? いいとか悪いとか決めつける権利あるわけなくない? ていうか、超絶失礼なんですけど?」ということを、もう少し丁寧な物言いで伝えた。

すると「そういうふうに吹っかけてくるの、上品じゃないと思うよ」と。

”上品じゃないと思うよ”だと?

そもそも、人の話に割り込んできて、いきなり失礼な質問や勘違い発言を連発して、しまいには何の権利もないのに人のこと値踏みしやがったのはどこのどいつだよ!

隣にいた女友だちも怒り心頭で、一触即発の危機だった。1発くらいぶん殴ってやりたい気持ちだったが、これ以上嫌な思いをしたくないのですぐに店を後にした。

なんでだろう。ここですぐに「男ってほんと……」という話にしてはいけないのかもしれないけど、男性にこの手の怒りを感じさせられることがよくある。

女がやることは、すべて男にいい悪いを判断されなきゃいけないの? 女が男に反論したり、自分の主張を訴えたりすることは下品なことなの?

こんなことで心を乱されるくらいなら、私だって男に生まれたかったよ。いつまでこうやって、戦わなければならないんだろう。

その後、女だけでしこたま飲み明かして、なんとか楽しい夜を取り戻せた。夜を楽しむ権利まで、奪われなくてよかった。

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ぽちっとな
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近藤世菜

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