朝日新聞「施設における性暴力の被害者・加害者のうち、知的障害などをもつ児童は少なくない」:施設での性教育についての考え

見出しではあまり強調されていないポイントだが、以下の記述が気になる。

加害児の43%に知的障害、33%に発達障害などがあった。被害児もそれぞれ37%、24%だった。児童養護施設と児童自立支援施設全体では知的障害の児童が12%、発達障害などの児童が20%であることと比較するといずれも高く、こうした子どもへの配慮が必要であることが示唆された。

これについては、私の実感として「ありえるな」という感じである。もしそれが実態であるとすれば、知的障害や発達障害をもつ児童そのものの問題というよりも、そのような児童に対する支援が十分でないということに尽きる。

私の実感としては、児童養護施設における性教育の取り組みは、施設によってかなり大きな違いがある。児童養護施設は教育を第一の目的とするというよりも、生活の場であり家庭的養育の場である。その観点からすると、性教育を大々的に行うことへの異論も確かにある。

一方で、生活の中で性に対する感覚を学んでいくことが難しい児童も確かに存在し、その子たちに対して明確に「教えていく」ことも大切であろう。また、施設という場は集団生活の場であり、性的な行動が強化される機会が多い。その点では、施設での性に対する学びの機会は、生活の中であれ教育的な時間の中であれ、また障害の有無にかかわらず、重要になってくるのではないか。

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