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欧州出張に行ってきました

昨年は海外出張は北米のみだったのですが、今年はようやく欧州に行く気になりました。少々待ってもウクライナ情勢が大きく変わりそうにはないので。東北大学と連携しているルーヴェンカトリック大学(KU Leuven)との間の神経科学に関するジョイントシンポジウムが6月6日、7日に開催され、そちらをメインに前後の予定を組みました。
この間にCOVID-19レギュレーションは変わり、ワクチン接種証明は不要となり、帰国時の税関検査は微妙に紙から電子への変換の途中のようです。往復は成田ーブリュッセルの直行便を選択。同行した先生方の中には、帰路のフランクフルト便が急遽、欠航となり、カウンターをたらい回しにされた挙げ句にドバイ経由、東京到着が遅れてさらに1泊となったとのことでした。乗り継ぎのリスクは以前より増えたように感じています。

マーストリヒト大学訪問

最初の訪問先はマーストリヒト。宿泊は近郊の町のBed & Breakfastを勧めていただきました。

本場の風車! これは典型的なものではないとのご説明でしたが、何が典型的なのかは分からずじまい。

東北大学大学院医学系研究科はマーストリヒト大学と修士レベルのダブルディグリー(DD)プログラムに関して連携しています。私の前に谷内先生という方が東北大学側の中心となっていて、谷内先生のご留学先のHarry Steinbuch先生とのご縁をもとに設置され、現在、谷内先生からのバトンを受け継いでいます。相手側の先生もWilfred Germeraad先生に替わりました。

現在、DD制度でお世話になっているWilfred Germeraad教授のオフィスにて。

マーストリヒト大学の健康生命科学研究科は病院と直結した立地となっており、さらに同じ建物の中にベンチャー企業も何社も入っていて、学生の習得単位の中にもベンチャーでのインターンシップが選べるようになっているとのことでした。
うちの研究室には何人かDD生が来ており、今年の秋から本学に滞在予定の学生さんにも、初めてface-to-faceで会うことができました。思い起こせば、COVID-19以前にはオンライン面接はSkypeを用いて行うことが多かったですが、今はだいたいデフォルトがzoomとなっていますね。世界とオンラインで繋がりやすくなったというのはコロナのもたらした大きな変化だと思います。

ルーヴェン大学訪問

KU Leuvenは歴史のあるカトリック系の大学で、ベルギーの中のトップ校です。大学図書館も有名で、大学の象徴的建物にもなっています。この図書館は何度も火災等の被害に見舞われているのですが、戦前、日本から多数の書籍を寄贈したものが今では貴重図書となっているようです。そのエリアは見られなかったのですが、入場料を支払って中を見学することができました。
ご案内いただいたのは2月にNeuro Global国際大学院プログラム(NGP)の海外審査員を務めていただいたAdelheid Soubry先生。ルーヴェン駅近くのレストランでランチをご馳走になりました。仙台でのおもてなしのお返しですね。オンラインのみの交流では、このようなやりとりができず、やはりリラックスしてお話しできることは何よりです。

Soubry先生と再会ランチ。季節のホワイトアスパラガスをいただきました。
ルーヴェン大学附属図書館前にて学生のJasperくんと。

さて、ジョイントシンポジウムの方は、東北大学からは10名の教授が参加し、そのカウンターパートとなるようなKU Leuven側の先生方とのマッチングのようなプログラムとなっていました。初日はシステム神経科学系の話題が多く、2日目は分子・細胞レベルのお話が中心でした。

東北大学からは10名の教授が参加。今後の連携について相談しました。
初日のレセプションは元修道院をファカルティ・クラブとしてルーヴェン大学が運用。普通にレストランとしても使われているようです。
夕食後に歩いたルーヴェンの町並み。いかにもヨーロッパ、という風情。

2日目のランチの折には、学長(Rector)も立ち寄られ、今後の大学レベルでの連携についても意見交換が為されました。まだ50代前半の若い学長で、改革に積極的な印象でした。

私の右隣が学長(Rector)のLuc Sels先生、その右隣が今回のKU Leuven側のコーディネートをしてくださったPeter Jansen先生。

ベルギーはそもそもオランダ系(フレミッシュ)とフランス系の人々が混在しており、都市によってその偏りがありますが、KU Leuvenは実は大学が2つに割れていた時期もあり、現在でもややその名残りを感じる面がありました。例えば、神経科学の研究者の組織としても、Leuven Brain Institute (LBI)という組織はオランダ系であり、フランス系にはVirtual Institute of Brain Science  (VIB-KU Leuven)という組織があって、両者でなかなか情報共有が為されていいないことも垣間見ました。だからこそ共通言語として英語を使うというスタンスにもなっているようです。

ミュンヘン ホルムヘルツ研究所訪問

今回はせっかく欧州まで飛ぶので、できる限り色々なところを訪問しようと思っており、まだ面識のなかったMarcus Conrad先生を訪ねてミュンヘンのホルムヘルツ研究所を訪問しました。

ブリュッセル空港からミュンヘンまでは空路で1時間半くらい。日本の国内旅行の感覚でEU内は移動できます。Conrad先生に空港まで車でお迎えいただいて研究所へ。広い敷地に点在する建物が多数あり、キャンパス内には託児施設やサッカー場、テニスコート、スポーツジム等もあるとのこと。
南ドイツでは休日(宗教的行事に基づくBank Holiday)だったのですが、数名のラボメンバーに招集をかけて、ミニセミナーをしてくださいました。日本人の博士課程の学生さんやポスドクの方も多く、Conrad先生は不思議な日本語を話しておられました。

セミナーをしてくれた中村さんは、なんと医科歯科同級生の一條先生@東大薬のところの出身。最近ちょうどNatureに論文が出たところ。おめでとうございます!

Conrad研はフェロトーシスという細胞死についての研究のメッカの1つで、競争の激しい中、良い論文を次々と出しておられます。東北大学からは腎臓内科の三島先生や、農学研究科の伊藤先生などが留学中。今回、Jasper君の短期留学先としてのお願いもしに伺った次第。
セミナー後に、本当はいかにも南ドイツらしく本当のBeer Garden(屋外)でビールをいただく予定が、天気予報どおりに雷雨となって撤退。やむを得ずミュンヘン市内の伝統的なビアホールにて夕食をご馳走になりました。

コンラッド研メンバーと一緒にビールで乾杯!

BSCDB Spring Meeting参加

最後の訪問先はリエージュでした。ルーヴェンから電車で東に30分くらいの位置関係です。ベルギーの細胞生物学・発生生物学の春季ミーティングに友人のLaurent Nguyenよりお声がけいただき、short talkをしました。

ベルギーの中でリエージュはフランス語文化圏です。会場となったのはリエージュ大学に寄付された小さなお城。改装して小さな会議の会場やレストラン(ミシュラン星付き)を大学が運営しているようです。

BRSCDB Spring Meetingの会場となった小さなお城

今回のテーマはStem Cells & Cortical Development。毎回、テーマを変えて開催されるので、学会というよりシンポジウム形式ですね。規模的には日本の地方会くらいのサイズ。1会場でのトークとポスターセッションが20題くらいだっでしょうか。ポスター会場がちょっと狭かったかも。

今回のオーガナイザー、リエージュ大学のLaurent Nguyen先生
Pax6 mutant miceをお送りしたEric Bellefroid先生にリアルに初めてお目にかかりました。こういうこともミーティング参加の意義ですね。
Speakers' Dinnerにお呼びいただきました♬ 一番右側はオルガノイド研究で最先端を走るスタンフォード大学のSergiu Pasca先生

その晩はリエージュに宿泊し、翌日は夕方の便で再びブリュッセルから帰国予定であったので、昼間の間、リエージュの町を歩き倒しました。下りのルートが戻るだけのようだったので、この階段に登るチャレンジは断念。博物館と美術館を巡りました。いずれも空いていて最高♬

青の時代のピカソ、マネっぽい印象。
中世のような石畳のある町の中、Liege Guillemins駅はモダンなデザイン。

夏のヨーロッパは日が長くて最高でした。

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