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「優しい音楽〜ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ〜」は心にグッとくる素敵なハートフルヒューマンドラマでした♪

新春ドラマスペシャル「優しい音楽〜ティアーズ・イン・ヘヴン 天国のきみへ〜」、録画してあったものを昨日やっと観ました。タイトルの「ティアーズ・イン・ヘヴン」は言わずと知れたクラプトンの名曲。優しく穏やかなメロディー・ラインが耳に心地よい曲ですよね。

瀬戸まいこさん原作で、脚本は私が大大大好きで、この方の作品は間違いなく感動できると思っている岡田惠和氏。これで駄作なわけがないでしょう!なんでも、原作に惚れ込んだ岡田氏が長年温めてきた作品だとか。その思い入れの深さが非常に感じられる素敵なドラマに仕上がっていました。

土屋太鳳ちゃん主演で、永山絢斗くん相手役、太鳳ちゃんご両親が仲村トオルと安田成美。絢斗くん職場の上司が佐藤浩市。なかなかの豪華キャスト。

大切な家族を亡くした悲しみから抜け出すことのできない登場人物たちの「心の再生物語」なわけですが、私自身も同じ経験があるので、当時の様々な想いが蘇ってしまい余計に感情移入してしまうところがあったかもしれません。

ある日突然の事故と闘病生活との違いはあれど、家族を亡くした時の深い悲しみと喪失感は簡単に気持ちの整理ができるものではないですからね。

ネタバレになってしまいますが、亡くなった兄にそっくりのタケルへの思いが恋愛なのか、大好きだった兄への愛情をただ重ねただけなのかの境目が最初はついていなかった千波が、最後にタケルへ「好きだ」と告白するシーンはジーンときました。

母は他人と分かっていながら娘の彼氏であるタケルを見て、まるで愛しい息子が帰ってきてくれたかのような束の間の喜びを味わいながらも、改めて息子が亡くなってしまったという現実への苦悩を深めていき。父は妻が再び壊れてかけていることを優しくケアしながら、自分自身もまた息子の死を完全に乗り越えられていないことを認めざるを得なくなり、タケルを前にして涙と感情が溢れ出てしまい。

このご両親役のお2人の演技は胸が締め付けられるほどでした。ぶっきらぼうに振る舞いながら、タケルを愛情深く見守る佐藤浩市氏の役どころも見事でした。

ドラマの最後の方で、家族4人(あえてこの表現)で奏でた「ティアーズ・イン・ヘヴン」の音色は、それぞれの悲しみを少しだけ昇華させることができたような、そんな温かい愛に満ち溢れたものでした。兄がフルートを実は吹けなかったというオマケ付きでしたが、だからこそ家族の愛情を知らずに生きてきたタケルが、千波の家族と疑似家族かのように過ごさせてもらえたことへの感謝の想いをフルートの演奏に乗せて伝えられたあのシーンが、余計に感動的なものになったのだと思います。

いわゆるお涙頂戴的なドラマではなく、静かに涙が流れてくる・・・そんなハートフルヒューマンドラマ。観て損はしないと思いますし、おすすめです。


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