「ガンナイトガール」っていうエロゲがすごい。

 おはようございます。僕です。


 最近、エロゲの熱が再燃焼してきた。
 友達がアニメから原作のエロゲに興味が湧き、「オススメなに?」と聞かれたことが始まりだった。

 友達はみんなそれぞれ自分のオススメをそいつに勧めていたが、僕はどちらかというと「自分の気に入ったものの世界に一人で入り込み、一人で楽しんで一人で別の世界を探す」というスタイルでエロゲをやってきたので、人にオススメを聞いて買ったことがないし、インターネットで「オススメエロゲ10選!」みたいなのを見てエロゲを買ったことがない。
 いつも一人でゲーム売り場に行って一人で吟味して買っていた。孤独のエロゲだ。ゴローちゃんと同じく、寂しくもなんともない。
 確かに出会い方が大事なのはわかるが、性癖というのは繊細なものだ。僕は「エロゲを通じて人と和解し合う幸せ」より「なんの悪気もなく人によって自分の性癖の地雷を踏み抜かれ爆発してしまうリスクを回避すること」を選んだ。そこになんの後悔もない。

 しかし、最近ではやっていたゲームが全て終わり、いろいろと多忙になってきたのですっかりエロゲとはご無沙汰になっていた。
 それを聞いた友達の一人は、自分にもエロゲを勧めてきた。それが2012年にキャンディソフトから発売された「ガンナイトガール」だった。

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 正直気乗りはしなかった。僕は「マジでNTR以外だったら本当に何でもいい。エロいと感じたら抜ける」と公言するほど性癖に関しては寛容であると自負している。
 しかし、僕はこう言っておきながら、かなり面倒くさい性格をしていた。例え後々のイチャラブのための布石だとしても、ヒロインが他の男と行為に及んだりそういう想像をさせる何かがあると発狂しそうになるし、僕が気に入らないヒロインを発見してしまうと登場する度に歯ぎしりをしてしまう。
 自分で選んだエロゲでそうなってしまうのは百歩譲って自己責任だとしても、人に勧められたエロゲでそういったことがあってしまっては、いよいよ挙げた拳をどこに振り下ろすか困ってしまう。誰のせいでもないし、誰に責任があるというわけでもない。そうなると、その拳は自傷のために使うしかなくなってしまう。なんでエロゲやってまでそんなことにならないといけないんだ。

 そういうわけで、僕は勧められたゲームをプレイすることをなんとなく断っていたのだが、押しに弱い僕はついに根負けし、そのゲームを借りてプレイすることにした。本当に仕方なく、プレイすることにした。

 すごくいいゲームだった。
 いや、この記事を書いている時点で5人のヒロインのうち2人しか攻略完了していないのだが、すごいいいゲームだ。

 僕はネタバレが死ぬほど嫌いなのでゲームのパッケージ裏の説明のあらすじだけ書くが、要するに「近未来の世界では戦争が始まり、緊張感で満ち溢れていた。田舎町に住む主人公と幼馴染二人は、『自分たちのいた学校が廃校になり、代わりに軍の工科学校として使われる』ということで、最後のパーティを開いていたが、ひょんなことから主人公たちはその軍の工科学校に入学して、工科学校の生徒たちと一緒に勉強することに。いろいろな謎が交錯する中、主人公と工科学校のヒロインたちとの中は、次第に変化していくのだった」というあらすじだ。

 マジでざっくりと書いたが、このエロゲ、本当にヤバい。
 なんというか、僕が好きな性癖が詰まったゲームだったのだ。
 めちゃくちゃに勧めてきた友達には若干鬱陶しさまで感じていたが、ゲームを進め、一人目を攻略し終わり、エンディングを見てから号泣しながら「エモさを感じたときのネタキャプ」を大量にLINEに貼りまくっていた。

「日本でも戦争が起こっていて、それを背景にして物語を進める学園もの」というのが個人的に新鮮であった。
 大抵の学園ものエロゲでは当然そんなことは起こっていないし、シリアスになるとしてもそんな大それたものには発展しない。
 しかし、これは「軍学校の生徒たち」が基本的なヒロインである。つまり「軍人の卵」だ。「いつか戦争に行く人たち」なのだ。

「今までのほほんと暮らしてきた人間」と、「いつか戦場に行き、人と殺しあう仕事に就く軍人見習い」というシチュエーションだけでエモさがすごいのだ。設定を聞くだけでここまで心揺さぶられるゲームはなかなかない。

 人間、分かり合えないのが当たり前だが、ある程度悩みや不満というものには類似性がある。それは「同じような環境で生きてきて、ある程度同じ未来を歩むから」だ。
 しかし、「軍人」と「民間人」の悩みとなるとわけが違う。我々民間人は「死」があることを自覚せず日々を生きているが、軍人は違う。自分だけでなく、相手とも「命のやりとりをする」仕事に就くのだ。

 僕がネタバレに触れないよう勧めたいポイントは、こういった「民間人の間にある一般的な死生観や、何事への取り組み方」は「命のやりとりをする軍人」には通用しないという根本的な思想の違いによる「脳の処理のバグ」である。

 我々は理解出来ないものをなんとなく遠ざけようとして生きているが、その「理解できないもの」が身近なもので、しかも大切な存在だとしたらどうなるだろう。
 大切なものなら理解をしようと努力するだろうが、どうしても無理なものは無理なのだ。立場の違いや目線の違い、「死生観」という思想の根幹とも言える部分の認識のズレ。
 それを理解し、享受し、踏み込んでいけるだろうか。僕は無理だ。理解出来ないものは出来ないし、割り切れるものなら割り切りたい。出来ることならその場から逃げ出し、関係ないところで今まで通り、死に無自覚なまま生きていき、死んでいきたいと思うだろう。

 それに主人公がどう立ち向かっていくのか、という点が、僕の「性癖」だったのだ。
 興味が湧いたら、是非とも買ってプレイしてみてほしい。僕の推しキャラは「七海恋歌」という女の子だ。パッケージで後ろを向き、ちっちゃくピースしている女の子だ。僕の好きな性癖デパートの擬人化と言ってもいいレベルでドンピシャなヒロインなので、是非攻略してみてほしい。
 ちなみに僕は一番最初攻略サイトも何も見ないでプレイしてその娘を引き当てたので、「運命の出会い」だと思っている。

 みんなにこのゲームをやってほしいという一心で書き始めたが、ただ僕が暗い性癖を暴露しただけになってしまった。
 みんなはこういうボケたことをしないよう、注意してほしい。そしてガンナイトガールをやってくれ。


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