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HSPは歯科衛生士に向かないと思う自分なりの6つの理由

少し前に、Twitterなどネット上でHSP(Highly Sensitive Person)という言葉が話題になった。

わたしは歯科衛生士として歯科医院に約2年半勤務した。
12年ほど前にはうつ病と診断され、約2年半前にⅡ型双極性障害に診断が変わり、繊細な自分と向き合いながら日々暮らしている。
投薬を受けながらこの気質とずっと向き合ってきた経験から感じたことをまとめてみたいと思う。


HSPとは?歯科衛生士の仕事内容は?

HSPとは、心理学者のエレイン・アーロン博士によって提唱された心理的概念で

〇人の感情などに深く共感し、圧倒されやすい
〇音や光、においなどの刺激を過剰に受けやすい

などの性質を持った人のことである。(詳しくはしっかりしたサイトを参考にしてほしい。)


一方で歯科衛生士とは、専門学校や四年制大学の歯科衛生学科等を専攻後に国家試験に合格することで得られる資格である。(こちらも詳しく知りたい場合は調べてみてほしい。)

歯科衛生士にはいくつか働き方がある。
今回はそのうち、ほとんどの人が選ぶ歯科医院での勤務について考えてみたいと思う。

歯科医院での歯科衛生士の業務内容は医院によって異なるが、歯科衛生士のメインとなる仕事として

●歯のクリーニングやメインテナンス
●患者さんへの歯磨き指導

などがあげられる。

また、医院によっては受付や電話対応、歯科医師のアシスタントなどの業務を行うことも多い。


ここがニガテ・・・。歯科衛生士のお仕事


1.体調を崩しても休めない

患者を常に1人の歯科衛生士が診る患者担当制の医院でなくても、歯科衛生士は自分の枠で患者の予約が入っている。
休みたい場合は1か月前など事前に申告することが就業規則に規定されていたりする。急な体調不良の場合は、予約の患者に連絡し、変更をしてもらうことになるケースが多い。

となると、休むことにひどい罪悪感が生まれる。
とくに精神的な不調は、職場の理解が得られなかったり、休む基準があいまいになってしまう。
無理をして仕事に出続け、私生活がぐちゃぐちゃになってしまうことが非常に多いのだ。


2.”痛そう”な行為をする

歯科衛生士の独占業務である歯石除去は、刃のついている道具を使い、ときには歯ぐきの下の歯石まで取り除く。

技術的に未熟な若手歯科衛生士である場合や、痛みに敏感な患者の施術を行う場合はとくに、患者が痛そうな様子にこちらもつらくなってくる。
また、歯科医師が行うオペのアシスタントにつく場合もつらい。


3.初対面の人と会話し続けなければならない

検診やメンテナンスは、医院によって45分や1時間など決められた時間で行う。

これはつまり、決められた時間おきに新しい人と会話をして施術しなければならないということである。

数ヶ月ごとに来てくれる患者なら少しずつ距離も縮められるが、初めて会った人から私生活の話を引き出したり、健康のために歯磨きをしてくださいとお願いするのは人の顔色を常にうかがってしまうHSPにとっては至難の業だ。


4.強いにおいや大きな音にさらされる

歯科医院だけでなく、医療機関には薬剤等強いにおいを発する材料が割とある。歯科衛生士として患者と向き合う場合は口臭やタバコ、香水の強いにおいに非常にストレスを感じる。

また、バキュームや子どもの泣き声、それをかき消そうとする大きなBGMは体調を悪くする原因となりやすい。


5.誰がやってもいい仕事を引き受けてしまう

患者さんが帰ったあとの片付けや、器具の洗浄・消毒は通常手の空いている歯科助手や歯科衛生士の仕事となっており、とくに当番などは決まっていないことがほとんど。
記入する業務記録が残っているけれど、消毒室には手のつけられていない器具が山積み…。そんなとき、ほかのスタッフのことも考えて自分を犠牲にしてしまうのがHSP。

自分の仕事を休み時間や診療後に回す、なんてことを日常的に行っていると自らの体力とメンタルはどんどん削られていく。


6.院内の年功序列

これは医院によるが、年功序列を重んじる先輩がいる場合もまた精神的に負担になる。

ご自身の若いころは一番に出勤して仕事を開始し、誰よりも先に片付けや掃除、電話番などを行ってきた先輩方。
ハラスメントという言葉が横行し、多くの人が口をつぐんで新しい時代の到来だと主張している昨今である。先輩の歯科衛生士からは何も言われないことが多い。
無言の圧力を自分のなかで何倍にも増幅してしまうのがHSPの気質でもある。


まとめ:HSP気質が歯科衛生士として働いていくには


歯科医院で働く歯科衛生士には、HSPにはやや厳しい環境がそろっている。
では、そんなHSPの歯科衛生士が少しでも快適に仕事を進めるためにはどうしたらいいのだろうか。

個人的な意見としては、ほかのスタッフに了承を得て昼休みに一人になれる環境を整備すること、患者担当制の医院でなくても同じ患者を継続して診るようにすることで少なからず現状を楽にしていくことはできるはずだ。

しかし、HSPが歯科衛生士として歯科医院で働くことは、デメリットだけではない。
患者さんからの感謝の言葉や行動変容に導けたときの喜びは、きっとほかの人より強く感じることができる。
それがHSPの魅力でもあるとわたしは考えている。

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