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長く長く日が上った日の夕焼け 2021.6.22

昨日は午前中から斎場へ。
魂が抜けた父の身体は、1時間ほどで骨になった。

心筋梗塞や脳梗塞の既往歴はあるものの、認知症など発症せず、
12日の定期検診でも何ら問題なかった父。
それなのに日曜からお腹を突然下し始め、14日は嘔吐も見られ、
15日、病院に行こうと家族が準備する中、直前まで冗談すら言って、お昼前に眠るように穏やかな顔で自宅で亡くなってしまった。
私は父が息を止めた直後、血相を変えた母に呼ばれ、弟が心臓マッサージする中でまだ温かなその手を握り、その後救急搬送された病院で家族と共に父の死を告げられた。
後の死亡診断で、腸閉塞を起こしたのだと判明。
75歳。
まだまだ長生きして欲しかった父が、
役目を終え、空に帰っていった。

この1週間、たくさんたくさん、人の優しさに触れた。
おかげで仕事できなくなるほどに落ち込んだり、心身の調子を崩したりすることもなく、笑ったり泣いたりしてきたこの1週間。

でもさすがに昨日、父が火葬される直前は泣けて泣けて、声が出た。
こんな日がいつか来るだろうとは思っていたけれど、あまりに突然で、
この数日は朝目が覚めると涙が出て、
昨日は泣き疲れるほどに泣いた。

50年近く一緒にいた母は私なんかより何倍も辛いはずで、
15日のあの時から、泣き崩れる母の姿に何度も何度も胸が痛んだ。
父はこんなにも母に思われ、家族に囲まれ、
いくつかの偶然が重なって、天気のいい夏至の日に荼毘に付されることになるだなんて、
本当に幸せな死に方だと思う。

終わりよければすべていいんだなぁと、
長く長く日が上った日の夕焼けを見つめながら、
父に別れを告げた昨日。


頑固で時に厳格で感情的で、
でも冗談が好きで涙もろくて、花やクラシック音楽、本や映画、カラオケに精神世界の話も、そしてお酒も好きだった父。
私もそのいくつかを父から間違いなく受け継いでいる。

お父さん。
いつかそっちに行ったらまた、よろしくね。
その日までしっかり頑張るから見ていてください。
これまでお疲れ様。
本当にありがとう。
大好きです。



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