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読んで書いて、思い出す。


今日は12回目のオンライン読書てらこやだった。
この1年を振り返って、最後に共同主催である、書店「読書のすすめ」の小川貴史さんから、
今回のテーマ「何を書くのか」について、さらには今回の課題本を読んだ上で
小川さん自身に起きた思考の変化の話をされたのだが、
これがまったく想像していなかった内容で、聞いていて思わず涙がこぼれた。
参加者からもこの1年でこれまでの読書会とは異なる感覚を覚えたとの声を聞くことができ、
主催者と参加者が共に変化し合えるような時間を共有できたことが、とにかくありがたかった。

一部の著者は本を書く上で、
「ここにはない何か」を探すことから始まって、結局は自分の中にずっと眠っていたものを思い出す場合がある。
忘れていた自分自身を引き出しから探し当て、何度も問いを重ねて、
思い出したかったり思い出したくなかったりする自分といよいよ目が合う。
本来の自分の声を耳にする。
そうした目つきを著者が見せた瞬間、まるで釣り人が針を合わせるように、
わたしはその背中をドンと押す。

「さて、書きましょう」と。

とはいえこれは、書籍の著者に限った話ではなく、
本を読む人にも当てはまることが多々ある。
読書する中で読者が自分に立ち返ったその時から、
その人の行動が、表現が、始まる。
その人自身が、そこから動きだす。
今日の読書てらこやでは、まさにそんな瞬間が垣間見られたように思えた。


自分は何かを忘れているかもしれないと感じた方はぜひ、
センジュ出版と一緒に、読んで、書いてみてほしい。
そのことを思い出す助けとなるために、本はあなたに味方する。


*来月は、番外編で、この1年を小川さんと一緒に振り返ります。
どなたでもご参加可能。

特別講演 本を読むのは何のため?


#今日の一冊
#ないものがある世界
#今福龍太
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