見出し画像

短冊に書く願い

短冊に小学生の息子が書いた願いは「コロナがなくなりますように」。
彼の毎日はこのウィルスの出現により、さまざまなことを我慢させられるようになった。
その代わりの楽しみを見つけもするけれど、代わりは本体じゃない。
本物じゃない。

さて、わたしは今日、何を願おうか。

今進めている働き方に関する本の関係で、最近改めて『お金のいらない国』(長島龍人著)を読んだ。
著者が大手広告代理店に勤めている中で、35歳の時に書いた小説が2003年に書籍化され、わたしが手にした本の奥付には改訂版9刷と書かれているロングセラー。
この小説のことが今日、スタッフとの長い対話の中で話題に上り、そして前澤友作さんのお金贈りの話にもなった。
昨年からの世界の変化の中で何度か耳にすることになった「ベーシックインカム」からの、自身の思考の転換から出会うことになったこの本。
前澤さんが2018年にご自身のTwitterで「10年ほど前に衝撃の本に出会った」と書いていることを、ついさっき知った。


そして、興味をもって読み進めるうちにたどり着いたこちら。


会社員だった頃、この会社をどうしたいか、という質問に「社会貢献できるほどに利益をあげたい」と答えたことがある。
すべてのステークホルダーが満たされる程度ではなく、もっともっと誰かに差し伸べる手の数を増やしたい。そんな会社になって欲しいし、そうしたいと本気で思っていた。

震災と出産がきっかけとなって会社を辞めてセンジュ出版を立ち上げ、今、この会社の売上はあの時在籍していた会社の一部署の売上にも満たない。
が、わたし自身は相変わらず馬鹿みたいに、センジュ出版もまた「社会貢献できるほどに利益をあげたい」気持ちが何も変わっていない。

ただ、世界がガラリと変わってしまった今、感じていること。
それは、いつかこの世の中からお金がなくなった世界を見てみたいという願いだ。
センジュ出版を立ち上げるためのレシピとなったいくつかの本のうちの一冊、
『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(渡邉格著)を読んで、お金も腐った方がいいと強く感じていたのが、センジュ出版を立ち上げる直前のわたしだった。
前澤さんのnoteから渡邉格さんの本を思い出し、そして今、短冊に願いを書くならば。

「この世の中からお金がなくなって、みんなが自分の人生を生きられますように」

同じことを短冊に書いた人たちと、楽しいことをこれからいくつも重ねていきたい。

*写真は七條甘春堂の羊羹「天の川」。もったいなくて、今日開封できなかった。
和菓子には宇宙があるなぁ。


#今日の一冊
#お金のいらない国
#長島龍人
#188 /365


#ベーシックインカム
#田舎のパン屋が見つけた 「腐る経済」
#渡邉格

サポート、励みになります!