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自治体議員の不祥事!クビにできればいいのだけど。大阪府寝屋川市、東京都港区、江東区の事例から

選挙ジャパン代表おかたかしです。

大阪府・寝屋川市議会 吉羽美華議員の逮捕

大阪府寝屋川市議会議員の吉羽(よしば)美華議員がコロナ対策融資を巡る詐欺事件で2022年8月1日に逮捕されたことに私は衝撃を思えました。
彼女は、美人すぎる市議として地方議員界隈では有名人であって、その勢いで、国政選挙にも度々出馬していましたから。いつの間にか元の寝屋川市議で復活していたようです。それで、福岡を拠点とする詐欺グループの一味として、寝屋川市議の名刺をふりかざして、堺市で詐欺を働いていた。本業の寝屋川市議の活動とは縁遠いところで犯罪を働いていたそうです。
ホンマ何してんねん!

寝屋川市議会サイトより転載

そんな思いで長いnoteをしたためます。途中から、有料にしております。ご購入いただけますと嬉しいです。

議員をクビにできるか?

犯罪を犯す議員はクビにしよう。
そうした民意は寝屋川でも大きいようです。
そこでよくつかわれるのが、議会での辞職勧告決議。ただし、議会から辞職勧告決議が出ようとも、当該議員には従う義務がないのです。あくまで勧告。
除名というのもありまして、地方自治法に除名の定めはあります。ただ、これも議会内での言動に対して、議会が懲罰を課す前提なので、議会内で詳細なルールが制定されていない限り、今回のケースは対象にし難いでしょう。
そうしたわけで、議員をクビにすることはほぼ不可能。

東京都議会での木下富美子・前都議の事件も記憶に新しいですね。

報酬カットという兵糧攻め

木下富美子・前都議の事件の際にも言及しましたように、報酬カットという兵糧攻めが有効です。逮捕などで議員が雲隠れしている間に、議員報酬が支払われることへの有権者の批判は大きいです。そこで、長期欠席議員の報酬減額条例を制定すればいいだけなのです。

東京都議会は、あれだけ木下富美子・前都議の事件が騒ぎになったのに、条例制定せずに有耶無耶にしてますけども。

寝屋川市では吉羽美華議員の議員報酬差し止め

寝屋川市議会は、吉羽美華議員の逮捕を受けて、臨時議会を開いて議員報酬を一時的に差し止める条例改正案を全会一致で可決しました。

大阪府寝屋川市議会は8日、新型コロナウイルス対策の融資制度を巡る詐欺事件で逮捕された同市議、吉羽(よしば)美華容疑者(42)の議員報酬を一時的に差し止める条例改正案を全会一致で可決した。公職選挙法では、禁錮以上の刑が確定すれば失職するが、それまでは本人が辞職しなければ議員報酬が支払われ続ける。寝屋川市議の報酬は月額64万3000円で、6月には約156万円の期末手当も支給された。条例改正案では逮捕に伴い議会を欠席した場合、刑が確定するまで一時的に支給を差し止める。
福岡県警は8月1日、コロナ禍で経営悪化した福祉施設に融資を仲介すると偽り約6000万円をだまし取ったとして、吉羽容疑者ら5人を詐欺容疑で逮捕していた。吉羽容疑者は2007年に初当選し、現在3期目。国政に3度挑戦していずれも落選したが、19年、市議に返り咲いた。22年5月からは体調不良を理由に議会を欠席していた。

毎日新聞 2022/8/8

条例の中身は以下の通り。他の自治体でも規定したらいいのに、との思いで引用します。

議員が被疑者又は被告人として身体の拘束を受けていることにより議会の会議を欠席した場合には、当該欠席した日の属する月分から、同日後において最初に議会の会議に出席(被疑者又は被告人として身体の拘束を受けていること以外の正当な理由により議会の会議を欠席した場合を。)をした日の属する月の前月分までの各月分(これらの日が同じ月に属する月は、当該月分)の議員報酬は、その支給を停止するものとする。
前項の規定による議員報酬の支給の停止は、当該議員報酬の支給の停止の理由となった行為に係る刑事事件につき、公訴を提起しない処分があったとき又は無罪の裁判(無罪の裁判と同様の効果を有するものを含む。)が確定したときは、これを解除するものとする。

寝屋川市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例 第5条の2

逮捕で議会を欠席したら、次に出席するまでの月の報酬は支給停止。
無罪が確定したら、支給停止が解除されます。
期末手当(ボーナス)の計算期間からも除外されます。

逮捕されたのに、議員報酬が支給されるのオカシイという市民感情に沿うものです。
一方で、無罪だったら、支給停止は解除します。というのも、不当逮捕による不利益除去という点で大切な規定です。

長期欠席議員への報酬停止

22年5月からは体調不良を理由に議会を欠席していた。

と、先ほどの記事にあったように、適当に理由をつけて議会から雲隠れする政治家というのもいるものです。
5月から欠席とありますので、すでに、5月,6月,7月と3ヶ月欠席しながら、議員報酬を得ているよう。

寝屋川市議会は、吉羽美華議員の不当なサボタージュに対して、すでに動きを見せていました。
6月の定例議会で長期欠席議員への報酬停止する条例改正を制定。ちょうど8月1日から施行されています。

条例の中身は以下の通り。他の自治体でも規定したらいいのに、との思いで引用します。

議員が長期欠席(一の定例会の会期中における全ての会議(委員会の会議を含む。以下同じ。)を欠席することをいう。)をした場合には、当該定例会に閉会の日の属する月の翌月分から、当該議員がその後に開かれた定例会の会議に出席した日の属する月の前月分までの各月分の議員報酬は、支給しない。ただし、当該長期欠席が次に掲げる事由による時は、この限りではない。

寝屋川市議会の議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例 第5条

定例議会を全部欠席したら、議員報酬は支給しません。
期末手当(ボーナス)の計算期間からも除外されます。

報酬停止の例外規定は以下の通り。
出産、
感染症の罹患、
入院及び退院後の療養(診断書があり議長がやむを得ないと認めるときに限る)

多少の病欠はあるでしょうけど、定例議会の全部欠席は不祥事くらいでしか起こり得ませんから、真っ当な規定です。
入院などでも、議長がやむを得ないと認めてくれることが条件なので、なんでもいいから診断書さえ書いてもらえばOKというわけじゃないのが良いですね。

広瀬けいすけ市長が詳細をツイートされるくらいですから、寝屋川市政全体の問題として対応にあたったことがうかがえます。

他の自治体はどうでしょうか?

東京都から港区と江東区の事例を交えて紹介しつつ、議員の不祥事対策を整理します。

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