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『信長公記』首巻を読む。

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『信長公記』首巻の原文、現代語訳、解説になります。
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#桶狭間の戦い

『信長公記』「首巻」について

『信長公記』「首巻」について

 『信長記』(しんちょうき)は、戦国大名・織田信長の一代記(全16巻)で、著者は家臣の太田牛一(1527-1613)です。この『信長記』をもとに、小瀬甫庵は『信長記』を著し、元和8年(1622年)に刊行しました。両者を区別するために、太田牛一の『信長記』を『信長公記』、小瀬甫庵の『信長記』を『甫庵信長記』と呼んでいます。
 どとらも「記」(物語)ですが、「記」から脚色部分を取り除けば、史実が残るわ

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『信長公記』『松平記』『三河物語』にみる「桶狭間の戦い」

『信長公記』『松平記』『三河物語』にみる「桶狭間の戦い」

「桶狭間の戦い」について語る時の必読書は、
・太田牛一『信長公記』
・大久保忠教『三河物語』
・阿部定次『松平記』
ですね。

 ──何が問題かって、三冊三様ってことです。

《『信長公記』の「桶狭間の戦い」》
https://note.mu/senmi/n/nd7f28bfc3ed9

①5月17日、今川義元、沓掛城に着陣。
②5月18日夜、松平元康(後の徳川家康)大高城兵粮入れ。
②5月19日

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「桶狭間の戦い」関連古文書

「桶狭間の戦い」関連古文書

「桶狭間の戦い」については、『信長公記』の記述が100%正しいとして、100%正しく解釈すると、
①今川義元、桶狭間山着陣。「丸根、鷲津砦を落とした」と聞いて上機嫌。
②織田信長、善照寺砦に着陣。
③今川義元、漆山着陣。先鋒が織田軍を倒して上機嫌(「鳴海の戦い」)。
④正午、織田信長が「山際」まで移動すると、暴風雨になる。
⑤午後2時、今川義元本陣をピンポイント攻撃(「桶狭間の戦い」)。
⑥今川義

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