幸福のための_感情論_

【第一章無料】幸福のための「感情論」-本当の自分を手に入れる方法-

あなたは最近「感動」しましたか?

あなたは最近「怒り」ましたか?

あなたはこれからの人生に「期待」を持てていますか?

あなたはこれまでの人生を「後悔」しているでしょうか?

人は、起きて行動している間中なんらかの感情を感じています。

喜んだり、悲しんだり…様々な感情がコロコロと変化しながら毎秒毎秒を生きているのです。

こうした感情が「どのようにして生まれ」「どのようにして消えていくのか」について、多くの人はあまり気にとめていないのではないでしょうか。

なぜなら、感情が生まれて消えるまでの一部始終を当事者として体感しているからです。

もちろん、こうした感情への気づきが悪いわけではありませんが、人は繰り返されることで慣れていく生き物です。

感情も同様で、何度も何度も同じ刺激が繰り返されれば飽きてしまいます。

すると、自分がどんなことをすれば喜ぶのか、自分がどんなことをされたら悲しむのか、といった感情の根っこの部分を忘れて人生が進んでいってしまうのです。

私は長らく、『感情』をテーマに本を書きたいと思っていました。

なぜなら、感情を理解することこそが人生を幸福に導く鍵であると信じているからです。

私はこれまで気功を中心に、数々の神秘的な精神修行に触れてきました。

そうした修行には、必ずといって良いほど「意識」についての深い理解が求められます。

しかし、ひとくちに意識といっても、平凡に生きてきた私にとって、どのようにして理解を深めれば良いのか分からない、掴みどころのないものでした。

人は、こうした精神修行を行う際に、大づかみに意識を捉えようとして行き詰まってしまいます。

ですが、ここで「感情を理解してみよう」と言われればどうでしょうか?

「それならばできそうだぞ」という気になってはこないでしょうか?

私は意識を「自分を認識する行為」であると考えています。

今、自分の身の回りで何が行われているか。

それによって自分が何を考え、どんな感情を抱くのか。

ですからまずは、外からもたらされる刺激によって、自分がどのような感情を発しているかを知ることが、スピリチュアルを理解する大切な一歩になるのです。

私が、自分の感情に対して深い理解を行うようになったきっかけは、人生への行き詰まりで、特に仕事において大きなストレスや閉塞感を毎日のように感じていたからです。

昨今でこそ、「ブラック企業」なる言葉が生まれ、働き方に対する考え方が問われ始めましたが、私が組織で働いていた時代は、モーレツ社員などの言葉が象徴するような極めて組織優先な、集団的な考え方のもと時代そのものが進んでいました。

そんな毎日を過ごしていると、周囲につられて自分の本当の感情がよく分からなくなっていることに気づきました。

悲しいことが起こっても「周囲を見渡すとこれは普通なことのようだぞ」という具合に感情を押し殺したり、嬉しいことが起こっても「こんなことで浮かれていてはダメだ」なんて具合に自分を戒めたりしていました。

そうすることで、主体性のない機械のような自分が出来上がっていたのです。

私は、本当の自分を取り戻すために仕事を辞め、自分に正直に生きられるよう、気功を通して自分と向き合いました。

その結果、今は精神・肉体共に自由を手に入れ、自分にとっての幸福を手に入れることができました。

本書は、過去の自分に宛てた手紙のように思い入れのある作品です。

ですが、ただのエッセイではなく、しっかりと自分の感情をコントロールして日常生活に活かせるような参考書になるよう工夫を凝らしました。

内容についても、「[1] 幸福になるために(感情に関する解説)」「[2] 感情の動きに気づこう(感情をコントロールするトレーニング法)」「[3] 真の自分に出会うために(意識に関する解説)」「[4] 私たちの願いは叶う(集合的無意識へ入るトレーニング法など)」と、段階的に私たちの心を知ることができる内容になっているので、初めてこうした精神世界の本を手に取る人も分かりやすく学ぶことができるようになっています。

自分の中に起こる「本当の感情」に気づくことができると、人生は飛躍的に向上します。

私のようにガラッと人生が180度変わってしまう人も出てくるかもしれません。

感情に気づくことで、どんなことができるようになるのでしょうか。

そしてどんな未来が待っているのでしょうか。

「感情を知れば幸福になれる」

それではいよいよ、心の扉を開いてみましょう。

幸福のための「感情論」〜本当の自分を手に入れる方法〜 目次
はじめ
[1] 幸福になるために
・感情と幸福の意外な関係
・感情ってなんだろう?
・世界は感情の動きで出来ている
[2] 感情の動きに気づこう
・自分の感情を取り戻すために
・イメージの世界に居場所を作ろう
・感情の上がり下がりを感じてみる
・どうすれば幸せになれるかな?
・肉体を幸福モードに調整する
[3] 真の自分に出会うために
・感情と変性意識
・変性意識で潜在能力を高める
・変性意識で他人と深く共感する
・幸福な自分の作り方
[4] 私たちの願いは叶う
・あなたの幸せはみんなの幸せ
・感情は記憶すら操る
・感情は「未知なる声」を聞かせてくれる
・おわりに
・著者紹介

[1] 幸福になるために

【感情と幸福の意外な関係】

『感情が動けば体も動く』

本書は、感情の動きを理解して、人間誰でもが願う「幸福」を目指すことを中心に話を進めていきます。

幸福といっても、人それぞれ幸せの定義がまちまちなので、そんなことは決められないだろうと思われるはずです。

確かに、一つ一つ、細かな願いに分けてしまうと、それは人それぞれ違った幸せの形が見えてくるでしょう。

しかし、それを大きく捉えると、幸福とは「自由」であると考えられるのではないでしょうか。

「願ったとおりの恋愛を行うこと」

「願ったとおりのお金を手に入れること」

「願ったとおりに人と分かり合うこと」

突き詰めて考えれば、願いが叶うことは自由を手に入れたことと同じす。

逆に、願いが叶わないことは、自分が思い描くことに対して不自由な状態なのです。

なので、本書では幸福の定義を「自由になること」として話を進めていくことにします。

ひとまず、幸せであることが自由であることまでは分かりました。

しかし、幸せや自由であることと、本書のテーマである「感情」がどう関係しているのでしょうか?

そこには、感情と幸福の意外な関係が隠されているのです。

ここで幸福の仕組みを、よりシンプルに考えていきましょう。

まず、人は、幸福に向かって人生を作っていくために「想像」します。

「大好きな人と結ばれたい」

「このぐらいのお金を稼いでみたい」

そうした想像が形になった時に、人は自由を、そして幸福を体感しているのです。

だから、「明日は麻婆豆腐が食べたいぞ!」という想像が叶うだけでも、幸福を感じています。

この想像は、実際に「行動」が伴わなければなりません。

「麻婆豆腐が食べたい!」と想像しながら何もしなければ、もちろん麻婆豆腐は食べられません。

つまり幸福とは、「想像と行動」がセットになって実現していると考えられるのです。

これを公式にすると、「想像 + 行動 = 幸福(自由)」といったところでしょうか?

私たちは地球に住み、物理的な制約を受けながら生活しています。

しかし、それだけでなく、私たちは物理的な世界の他に「想像(イメージ)の世界」にも住んでいます。

この想像(イメージ)の世界とは、つまり「心」です。

私たちは日常生活で、物理的な物事を見聞きし体感していますが、それだけでなく、物理の常識にはとらわれない究極に自由な世界を一人一人持っています。

なので、言ってしまえば、日常生活の中で起こる物理世界のあれこれだけに執着するのではなく、この自由なイメージの世界でたくさんの想像をしないと損なのです。

ですから、願いはたくさん想像した分だけ叶いやすくなっています。

そして想像は、物理世界で行動を行うことで形になります。

なので、願いとは想像の産物で、常に情報世界と物理世界をいったりきたりさせることで叶っていくものなのです。

こうした幸福のメカニズムを効率よく叶えるために「感情」を使います。

本書冒頭でもお話ししたとおり、感情には様々な種類がありますが、人は一日のうちに感情をコロコロと変えながら生活しています。

感情は、毎秒毎秒湧き上がっては消えていく泡のようなものです。

そんな感情は上手に使いこなすことで、どんどんと願いを叶えやすく自分自身を行動させてくれます。

誰しも、物事が思い通りに進んだ経験を持っていると思いますが、その時は決まって自分で自分の感情をコントロールして、自分を高めながら積極的な行動を行えた時なのです。

人の幸福の鍵は、感情が握っています。

自分自身から湧き上がる、本当の感情の動きに気づいた時に、あなたが思い描く幸福は加速度的に叶っていくでしょう。

ここから先は、感情のメカニズムやそれをコントロールして日常生活に活かす方法まで分かりやすく解説していきます。

【感情ってなんだろう?】

『感情とは、外の世界と自分を結んでいる』

私たちが毎日のように付き合っている感情ですが、それがなんのためにどうやって生まれているのか、深く考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。

実際のところ、感情が生まれるメカニズムについて、科学的に解明されていないことも多いのです。

この章では、できるだけ分かりやすく、感情について解明されていることを中心に、どういったメカニズムによってそれが生み出されているかを説明していきます。

感情とは、分かりやすく言えば、外の世界からもたらされた刺激によって起こる脳内での反応です。

私たちは、起きて行動を行っている時にはいつも、「五感」と呼ばれる感覚を身体に感じています。

そして五感から得た情報は、全て「脳」で適切に処理されます。

脳の情報処理は、大脳辺緑系と呼ばれる部分で行われ、その中でも海馬と呼ばれる部分が「五感から入ってきた情報」を「記憶」と結びつけて処理し、様々な判断を行います。

五感からの情報と記憶が結びついた時に、感情が生まれます。

この際に、記憶と情報の差が大きければ大きいほど、感情の振り幅も大きくなるのです。

私も企業で働いている時に、毎日楽しいのか悲しいのか自分の感情が分からなくなっていました。

これは、サラリーマン生活で起こる様々な経験が、すでに五感からの情報として記憶にインプットされているために起こる馴れが原因でした。

感情の幅もごくごく小さく、自分が本当の意味で楽しんでいるのか悲しんでいるのかが分からなかったのです。

ですので、五感からの情報を常に新鮮に保つために、「ユニークな視点」で外からの情報を取り入れていく必要があります。

[2種類の感情とは?]

感情には、「ポジティブ」と「ネガティブ」という2つの側面の感情があります。

ポジティブな感情には、楽しさや感動、そして安心などに代表するようなもの。

ネガティブな感情には、悲しさや不安、そして後悔などに代表するようなもの。

なぜ、このような大きな2つの感情が生まれるのかというと、五感からの情報が海馬を経て記憶と結びつく段階で、ごくシンプルに「プラスかマイナス」という大雑把なくくりで処理されるといいます。

恐らくこのプラスとマイナスは、言い換えれば「快か不快か」という正と負の関係に置き換えられると考えられます。

このプラスとマイナスが、さらに分岐をしていくことでポジティブの中でも楽しさや感動が生まれ、ネガティブの中でも悲しさや不安が生まれているのです。

自分が想像した願いを叶えるためには、「ポジティブ」に感情をコントロールすることが求められます。

もちろん、怒りや劣等感といったネガティブな感情を使って行動を起こす場合もありますが、これはあくまでもカンフル剤のように使うことが望ましく、最終的には感情をポジティブにコントロールすることが肝心なのです。

[感情とモチベーションは別物?]

よく、感情と同じように語られるものの一つに「モチベーション」があります。

これも感情や意識と同様に、知っているけれどよく分からないものとして有名です。

感情とモチベーションは同じ物なのか違う物なのかというと、別物です。

モチベーションとは、人間が目標に向かって行動を起こす際の「動機」「きっかけ」のことを言います。

例えばある人が、「おしゃれに気を使ったり、ダイエットを頑張る」という目標を掲げたとします。

この目標は、「大好きな人に私のことを好きになってほしい」からなんとかして達成したいものでした。

この、「大好きな人に私のことを好きになってほしい」がモチベーション、つまり動機やきっかけなのです。

ですので、よく『モチベーションが下がってしまった』という言葉を耳にしますがこれは間違いで、モチベーションが下がることはないのです。

モチベーションが下がっていないのに、なぜやる気がなくなったりするのかというと、そこに「感情」が関わっています。

つまり、上がったり下がったりしているのはモチベーションではなく、感情なのです。

ここで、以前インターネット上で見た、モチベーションと感情のコントロールの大切さをあらわす話をしましょう。

悲しいお話なので、そうした話が苦手な人は読まなくて結構です。

ある日、鉄道の人身事故が起こりました。

事故にあった方は、重症を負いながらもなんとか息をしている状態です。

周囲の人も必死に励ましながら救急車の到着を待ちます。

しかし、そんな中、ある心ない野次馬の一人がこう発しました。

『うわぁ!これもう助からないでしょ!』

それを聞いた瞬間、どんどん血の気が引いていき、その場で亡くなってしまったそうです。

これはその昔、インターネット掲示板に投稿された内容で、真偽のほどは分かりませんが、モチベーションと感情の観点から考えると十分にあり得ることです。

事故にあった方は、「生きたい」というモチベーションによって呼吸を整えたり、痛みに耐えたりしていました。

しかし、心ない一言によって一気にネガティブな感情に飲み込まれ、モチベーションを失ってしまったのです。

モチベーションには、上がり下がりはありませんが、感情の変化によってモチベーション自体をなかったことにしてしまう場合があります。

ですので、感情は常にポジティブに調整できるよう、その方法を理解しておくことが重要なのです。

感情について大まかに解説しましたが、いかがでしたか?

感情は、外の世界の出来事と自分を結び、自分の立ち位置を教えてくれる装置のようなものです。

時には安心したり、時には不安になったりします。

感情のスペシャリストになることで、人生は驚くほど楽しいものになっていくのです。

【世界は感情の動きで出来ている】

『私たちの身の回りにあるものは、誰かの感情の“塊”』

人は、感情が強く動いた時に行動します。

叶えたい願い(俗に言うモチベーション)があるけれど、どうしてもダラダラしてしまうなという人でも、例えば体感したことのない恐怖の感情を感じると一気に動き出せてしまいます。

前にお話したとおり、「想像 + 行動 = 幸福(自由)」という公式が幸福を実現する際に必要になりますが、想像や行動の原動力になるのが感情なのです。

深く想像したり、行動を行なったりする力を感情が担っています。

私たちの身の回りにある物質や考え方は全て、誰かの強い感情が形になったものです。

『うおー!こんなものが世の中にあったら素晴らしいだろうな!』

なんていう強い感情の動きが、この世界を作っています。

かくいうこの本も、私の強い感情によって書かれていると自負しています。

そうした強い感情によって生み出された物によって、私たちは感情を動かされ購入して身の回りに集めているのです。

これは、お仕事だけでなく、恋愛やその他の人間関係にも当てはまる重要な事実です。

強い感情によって生み出された物は、その分それが形になって現れて人の心に作用しているのです。

そうして考えてみると、この世の中の全ての出来事は、人々の感情によって動いていることが分かります。

私たちが、普段よりもちょっとポジティブな感情で物事を行えば、それがきっかけで世界が別の形で動き出すかもしれません。

だから、『こんなことやったって無駄だよ』なんて諦めない方が良いのです。

世の中に溢れる感情の波に翻弄されるのではなく、自分が生み出す感情によって世界を変えていく勇気が、大切なのではないでしょうか。

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