放物線の詩


布団に包まるよりも、土に埋まりたい
できれば花壇の下がいい

足にはリンドウ
腕にはスイセン
体にはヒマワリ
頭には、何だろ
みんな僕に根を張り巡らしてすくすく伸びていってほしい

生きた証は受け継がれていって
彼らの笑顔を見届けたら
魂はさっぱり洗い流されて
形而上の核は誰にも掘り返されることなく
どこまでも薄まっていって
終には空に溶けてしまいたい
いつ終わるのか分からない宇宙の歳月を経て
空の遥か彼方まで無限に広がっていきたい
旅路はそこからが本番

波に流される前提で生み落とされたクラゲのように
責任を負うことなく
誰かと競い合うことなく
生き急ぐことなく
思い出を留めることなく
毎日が新鮮なまま
物を投げたら落ちてくるこの美しい世界を
音と光に包まれながら漂っていたい

天国があるとしたらこの世界そのものだろうね





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