見出し画像

Senry&Manry 1 「JFK」

JFK
妹Manryと甥っ子の光を迎えにJFKへ。

「入国審査で順番抜かされてんな。係りの人にこの列で待ち!言われたから待ってんのに、どんどん先にみんな追い抜いて行くからどうしよう思て振り返ったら一番最後やったわ!」

待てど暮らせどi到着ロビーに出でこないので「どうしたのかな」と心配になって来たところに二人がクタクタになって現れる。大きな荷物に手持ちのバッグを引っ掛け、Manryは気合の入ったNY旅行用太まゆで「ちょっとトイレいってくるわ」とマイペース。高校一年になった光は「どうやった飛行機?」とUncle Sが訊ねてもスマホのスクリーンから顔を上げない。いつものコンビがNY初上陸。

父の看病で長いこと自由がきかなかったので念願だったNYステイを思い切って敢行することにした。(敢行=観光)宿泊はUncle Sのブルックリン宮殿。

「お腹減ってへんわ。飛行機の中でいっぱい食べてん。関空のサンマルクカフェで焦ってコーヒーこぼしてパンツが茶色になってもうたわ」といっていたにも関わらず「わ、食べたことない味やわ、この茄子。スパイシーやなあ。やっぱりNYの味なんかな」お腹空いてないと言いつつ近所で買って来たテイクアウトを美味しそうに突くManry。

彼らが来るので家の中を徹底的に掃除したUncle Sはそわそわ最後のベッドメイキングに余念がなかった。キンキンに冷えた宮殿で風邪を引かぬよう新しいブランケットを2枚買ってセットしたベッドの上にリボンをかけて置く。それをハサミでカットしたらさあ、お待ちかねのNY旅行の砂時計がひっくり返された。

ここから先は

306字 / 2画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?