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HMV&BOOKS SHIBUYA SPECIAL EVENT REPORT 20190708

7月に入ったというのに、ちょっと肌寒いTOKYO。でも、ここSHIBUYAは違いました。なんたって、Uncle Senriがやってくるんですから。

——さあ、みなさん長らくお待たせしました。御本人に登場していただきましょう。大江千里さんです!

平日にもかかわらず来ていただき、本当にありがとうございます。新作が思ったよりも早く出るということで、戸惑っている方もいらっしゃるかと思います。戸惑っている? なんだろ、指折り数えてっていうより、えっ? もう出るの? 大丈夫? みたいな。

もうぶっちゃけてお話しているんですけれども、今日もみなさんに前金で(苦笑)、払っていただいて、ほんとに申し訳ない(笑)。明日マスタリングがあるので、ご報告いたしましょう。2、3、4日にかけてTOKYO MIXが素晴らしい出来だったんで、みなさん、ご期待くださーい!!! 

(パチパチパチパチパチパチパチ)

明日9日、午後ですね、ソニーのスタジオでマスタリングを行います。これで全部、出来上がります。そしたら僕が今組んでいるアメリカのロサンゼルスのPR会社に、一気に音源が行くわけですよ。アメリカでは7月の中旬くらいからバケーション取る人が多いので、持って行ってカリブの海でビキニになって聴いて、日焼けして帰ってきたときに膨らましたアイデアでPRを組むわけです、7月の終わりから。ま、そんな感じでアメリカも日本も走り出します。

実は青春期に作った『APOLLO』とか『レッドモンキー・イエローフィッシュ』は、日本で音を作って、アメリカでミックスをしたりマスタリングしたりして、それを日本で発売したりという歴史があるんだけれども、今回、僕はアメリカで音を作って、それを日本でマスタリングしました。来年、東京オリンピックもありますし、もう少し経つと我がふるさと、大阪で大阪万博なんてのもあったりして、今、日本がものすごくキーワードですね。

日本のたべもの、日本のホスピタリティ、日本人の優しさ、礼儀正しさ、そして人の気持を慮るイマジネーションを日本はたくさん持っている。そういうことが世界的に認められてきている。僕も12年アメリカで踏ん張ってやってきて、今はジャズで頑張るのなら、ポップスの扉を開けちゃいけないとしまっていたものを『B&G』を出して、僕の中に空気がふーっと流れ込んできた。音楽的なというところをまず優に考えると、僕の肉や血が培われたポップスというフィールド、そして日本・東京で培ったノウハウ、そういうものを自分がもう一回評価しないといけない、というとすごくおこがましいんだけれど。僕がやっていることは小さな世界かもしれないけれど、世界に向けて発信しないといけないと思ったわけですね。

ニューヨークで一緒に組んでいるオスカーとか、もう自分がミックスするわけじゃないから「なんでなの?」っていう気持ちもあるかもしれない。でも、そんなこと全然お首にも出さずに「楽しみだねぇ、東京の音」って。それをCDにするときはちゃんと手伝うからねって、日米のスタッフがtogatherで未来ゴールに向けて走っています。近いゴールは、まず前金でもらっているので、このまま完成しないわけにはいかない(笑)。素晴らしい作品にしてまたこのHMVさんにフィーチャーしてもらって。次の作品でもまたエネルギーを共有できる瞬間を味わえるよう、今作っている最中です。

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大江千里の未発表のエッセイ、動画、詩、サウンドを発表していく実験ラボであり、みなさんと作り上げていくコミニュティスペースです。購読者限定の「ぴの裏耳情報」ではライブの先行予約やプレゼントが行われます。

グラスワイン1杯分のお楽しみをジャズと共にブルックリンからデリバリー。エッセイ「ブルックリン物語」、ラジオ「Sen Corouge」、日常…

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