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命さえあれば。

また新たな土曜日の朝。

シェードをあげようかどうしようか一瞬迷う。今日もまた一日中家の中にこもっているのならば外の景色なんて寧ろ必要ないのではないかとさえ思う。しかし始まりの儀式をやはり一応やっておこう。スルスルスル。徐々に露わになる誰もいない世界。死んだように固まった景色はどこか異様だ。

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さっきもN Y Cからアラートが鳴った。携帯がいつもじゃない振動と音で左右に揺れたのだ。尋常じゃない黄色のアラートメッセージが飛び込んだ。

「どうか医療関係で昔働いていた人たち、力を貸してください。ボランティアの人も。今すぐに力を貸してください。医療がもうすぐ崩壊しようとしています」

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昨日郵便局にどうしても行かねばならない用があったので意を決して外へ出る。

マスクの上から首巻きをしてドアに触れるであろう左には手術用の手袋をして。

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