顧客起点マーケティング

こーすけ(@10969kosuke_mfs)です。
今回は『たった一人の分析から事業は成長する 顧客起点マーケティング』(著:西口一希)についてアウトプットしていきます。

①サービスや商品における「アイデア」

本書では「アイデア」というワードが多く使われます。
この「アイデア」とは2つの要素を兼ね備えており、「独自性」「便益」です。

最も良い「アイデア」とは「独自性」と「便益」の両方を兼ね備えたものです。
仮に、「便益」はあるけど、「独自性」のない商品やサービスの場合では、その商品は世に多く存在し、いわゆるコモディティ化となっています。
またその逆もしかりです。「独自性」はあるけれど、「便益」がない商品は、注目は集めるものの、長く使続けてもらうことはできません。ギミック(仕掛け)であり、そこに時間もお金も費やされることはありません。
そして、最悪なのが「独自性」も「便益」もないサービスや商品です。これは「資源破壊」であり、各種のリソースを無駄にしている状態です。

これらの「アイデア」はマーケティング業務上で2つ存在し、サービスや商品そのものにあたる「プロダクトアイデア」と、商品やサービスを顧客に認知してもらうための「コミュニケーションアイデア」の2つが存在します。

②強い「プロダクトアイデア」は必要不可欠

2つのアイデアが存在する中で「プロダクトアイデア」の強化は必要不可欠です。
かみ砕いて言い換えれば、いくら商品やサービスを広めるべく「コミュニケーションアイデア」を強化(よりバズるCMや広告賞を得るような広告)したところで、結局「プロダクトアイデア」が弱ければ、そのサービスや商品は一時的な売上しか得られないということです。

「プロダクトアイデア」が弱いにもかかわらず、広告代理店などに案件を投げていては、売上は維持できません。そのため、より強い「プロダクトアイデア」が必要不可欠となります。
そして強い「プロダクトアイデア」があれば、「コミュニケーションアイデア」をクリエイティブにする必要はなく、「プロダクトアイデア」を前面に押した広告を打てば、売上につながります。

したがって「プロダクトアイデア」と「コミュニケーションアイデア」は主従関係にあります。

先日、とある会社のチョコレートの売上が上がらず、Twitter上で意見を集め、意見をした人にAmazonギフト券100円をプレゼントするという企画をしているのを拝見しました。

その会社の過去を見てみると、以前はCMでアイドルを利用していましたが、そのアイドルがCMから出なくなった途端、なかなか商品が売れなくなったのではないかと勝手に分析しています。(あくまでも1つの要因だと思いますが)アイドルが出ていたから、そのチョコレートを買っていたけれど、アイドルがCMから降りたら、買う気がなくなってしまったという感じだと思います。

ここから感じ取ったことは、チョコレート自体の「プロダクトアイデア」が強固なものであれば、アイドルを使ったCM(コミュニケーションアイディア)が変わろうとも売上はそこまで下がることはなかったのではないかと思います。

つまり、弱かった「プロダクトアイデア」が、「コミュニケーションアイデア」で隠れて見えず、アイドルをCMから外した途端「コミュニケーションアイデア」で保てていた売上が崩壊し、売れなくなり、急に焦りだして顧客に意見を求めたといった感じかなと勝手に考えていました。

③ N=1分析とは

本書ではN=1分析が最もマーケティングにおいて有効であると述べています。
N=1分析とは、文字のごとくN=1であり、個々人の意見の中にマーケティングにおいて重要なヒントが隠れており、そのため顧客の意見を深く掘り下げることが重要であるということです。

例えば、プレゼントについて考えたとき
Ⅰ)友達、父親、母親、恋人のだれか一人
Ⅱ)会社の同期、大学の友達30人
ⅠとⅡでどちらがより相手のニーズを満たすことができるかと考えたとき、圧倒的にⅠであると思います。自分の知らない概念上の複数人になれば、より何をプレゼントすれば喜んでくれるのかわかりにくくなってしまいます。

「アイデア」創出には統計学では不十分です。大まかな傾向や差を知るには、統計学は有効ですが、論理だけで突き詰めるマーケティングには限界があります。したがって、具体的なN=1の個人レベルまで抽象度のレイヤーを落とし、徹底的な深堀がマーケティングには必要不可欠になります。
マーケティングを行う上でよくある失敗例として「マス思考」がよく挙げられます。
統計学的、論理的に完璧なのに数値が伸びないという感じです。
「マス思考」では、量的調査から商品企画やマーケティングを行ってしまうため、エッジがなく、妥協策となってしまい有効な「アイデア」を見つけられず、結果として駄作に終わってしまいます。

ここからもN=1分析が重要であるとわかると思います。

④顧客セグメント

ここからは、N=1分析からマーケティングに落とし込んで、ざっくりとフレームワークについてまとめます。

初めに顧客セグメントとは、認知と購買頻度を用いて5つのセグメントに分けたピラミッド状の図を指します。
認知があり、購買頻度が高い一番上層のセグメントをロイヤル顧客とし、一般顧客、離反顧客、認知・未購買顧客、未認知顧客と階層が下に行くにつれて認知が薄く、購買頻度も低くなります。

このセグメントごとに分けるのは簡単な質問を3つくらい用意し、ネット調査などを用いて簡単に行えます。そして、セグメントごとに振り分けていきます。

よく「20-80」の法則というのが知られています。上位顧客20%が全売上の80%を占めており、その中でもロイヤル顧客が売上の80%を生み出し、一般顧客が売上の20%を生み出していると考えられています。ここで見落としてはいけないのが、それ以外のセグメントです。現時点で売上に関与していないからと、視野から外すのではなく、中長期的に成長するために離反顧客、認知・未購買顧客、未認知顧客も無視してはいけません。

上位ロイヤル顧客層以外への投資は短期的に見れば利益貢献度は低く、赤字になることもあります。したがって一般顧客以下にかけている投資は削除するべきか、減らすべきか、あるいは中長期的のLTV(Life Time Value)として見て正当化できる投資として継続すべきか検証していく必要があります。

⑤N=1分析のカスタマージャーニー

セグメントを5つに分けたら、具体的な顧客一人一人に焦点を当てたN=1分析を行います。
実際の顧客個人の生活態度、習慣、購買行動から購買に関する認知や心理をカスタマージャーニーしながら深堀していきます。

「いつ、どのようなきっかけで、ブランドを知ったのか/ロイヤル顧客化したのか」を知ることが「アイデア」創出において重要になります。10人の方のN=1分析を行った際も、N=10として平均的な回答を見つけるのではなく、N=1×10であることを忘れてはいけません。

仮にロイヤル顧客をN=1分析すれば、顧客化からロイヤル化の変遷をたどることができます。ただし、注意すべき点は昔の話が曖昧で最初に使い始めたきっかけや理由と、現在ブランドを愛用している理由が混在しがちなことです。ロイヤル化した理由(使い続けている理由)とトライアル理由は多くの場合で異なっていることがあるので、慎重に分析しなければなりません。

N=1分析のなかで重要なのは、どんな「アイデア」=独自性と感じ取ったかということです。こちらの想像の範疇にない回答や特殊なきっかや事実を見つけられた際は、具体的な「便益」を合わせて「アイデア」化し、コンセプト立案として設計していきます。

⑥9セグマップ

ここまで顧客ピラミッドをつくり、N=1分析までの流れをざっくりまとめました。
しかし、顧客ピラミッドの5つのセグメントの中でも、積極的にその商品やサービスを選んで人もいれば、そうでない人もいます。

したがって顧客ピラミッドを「積極・消極」という2つの要素を加え、9つに分けていきます。例えば、購入頻度が高いロイヤル顧客の中でもその商品が良くて、次もその商品を買おうと考えている人は積極的ロイヤル顧客ですが、購入頻度は高いけれど次もその商品を迷わず選ぶかわからない顧客は消極的ロイヤル顧客となります。未認知顧客は積極も消極もないので分けません。

単なる「好き」や「嫌い」といった曖昧な評価ではなく次回購入や使用本人の「意志」を確認する必要があります。
消極的顧客を積極的顧客に変えるには「プロダクトアイデア」の強化が必要不可決です。仕方なしに選んでいる商品を、好んで買ってもらえる商品にしなければなりません。その一方で、販促的活動は比較的容易です。離反顧客→一般顧客や認知・非購買顧客を一般顧客にする動きです。

その販促活動においても慎重に行わなければならない点もあります。例えば、値引きなどの貨幣的価値の訴求などは即効性があるものの“お得感”を出してしまいブランド的価値を下げてしまったり、ポイント制などを打ち出すとポイントを集めることが目的となりブランド選好を落としてしまうこともあります。

9セグマップにおいて、顧客をそれぞれのセグメントに分けたうえで深い分析から仮説検証と深層心理の掘り下げを繰り返し行っていくことが重要であると思います。

今日はここまで。(@10969kosuke_mfs)

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こーすけ

渋谷で働くWebマーケター(20卒)日々の学びであったり、本のアウトプットがメインです。Twitter→@10969kosuke_mfs

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