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相手の「納得」のためにー綿貫さんにとって「書く」とは。【2019年7月期受講生課題記事】

※こちらは「ライティング基礎ワークショップ(2019年7月期)」の受講生が、課題として作成したインタビュー記事です。

今回、フリーランスでコンサルティングをはじめ、ラジオのアシスタントやコンテンツ企画を手掛けている綿貫さんにお話を伺いました。

綿貫さんは2019年の初めに会社を退職し、信頼のおける先輩と共に起業。起業前にはITコンサルや、スタートアップ企業で働いていた経歴をお持ちです。

以前から書くことが好きだった綿貫さん。起業をして得られた気づきなどをnoteに月報にまとめた記事をはじめ、英語の翻訳記事も書かれています。
「なぜ書くのか」の問いを意識したとき、綿貫さんの書いた自己紹介やnoteの記事にあった、言葉やフレーズに触れながらインタビューを行いました。

相手と自分の「納得」のために

――よろしくお願いします。綿貫さんの自己紹介やnoteを拝見しました。今回はその中からピックアップしたフレーズをもとにインタビューさせて下さい。

自己紹介の中で綿貫さんが使っていた「思考の言語化」というフレーズから
おたずねします。 あくまで私のイメージですが、コンサルティングは相手の困っていることを言語化して、最適な仕組みに落とし込むお仕事だと思います。日々、「思考の抜け・漏れがないように言語化する」ことを意識されていると思いますが、綿貫さんが思考の言語化ができている、と思える基準はなんでしょうか。

相手が「納得」できたら、だと思います。欲を言えば、納得感に加えて「面白い」と思ってもらうことや、「今まで知らなかったことを知ることが出来た」と思ってもらえたら嬉しいです。

――noteの月報も「思考の言語化」を意識して書いているのでしょうか?

月報は、自分が納得感を得るために書いています。実は、会社を立ち上げた当初、些細なことから共同創業者と関係が少しこじれてしまって。自分のネガティブな気持ちを整理するために書こうと思いました。

――ご自身の感情を俯瞰されたトーンだったので、意外な一面です。

人が読んで面白いものを書かなければならない、となると冷静になれるんです。私は割と感情に支配されてしまうときがあるので、ネガティブな感情を抱え込むと辛くなってしまう。

辛くなったときは、「人はこういう状態のときに悲しくなる」と理由づけをして、自ら納得することで乗り越えて来たので。

月報も気持ちの整理の一環で書いています。

――月報を拝見すると、共同創業者(以後、CEO)の話が頻繁に出て来ますね。CEOの存在は大きいと思いますが、「書く」ことを考えたとき、彼女は綿貫さんにとってどんな影響を与えてくれる存在ですか。

企画書を「書く」ときの話ですが、アイディアを出し合うブレインストーミングを行うとき、二人共、物事へのアプローチが全く異なるので、新たな発見が生まれて、いい刺激をもらえます。

思考の精度を上げるときにとてもありがたい存在ですね。

――今まで転職をされた中で「書く」ことへの意識は何か変わりましたか?

仕事柄、企画書を書くことはやっていましたが、長文を書くという意味の意識に関しては、最近やっと激務から解放されて。意識を向けられるようになったので、なんとも言いがたいです。

――もともと書くことはお好きでしたか?

はい。Twitterによく書きこんでいます。

――それは、自分の考えを発信するために書いていましたか?

それともアイディアの発想のためですか?自分が納得したくて、書いていました。あわよくば、人に面白いと思ってほしい、という下心もないわけではないですが、それが主目的ではなく、自分が楽しいから書いていました。
今もそのスタンスは同じです。

ライティング講座を通じて変化した書くことへのフォーカス

――この講座を通じて、受講前と後で「書く」ことへの意識は変わりましたか?

劇的に何かが変化した、というよりは記事分析みたいに課題が出るので、
自然とやらなければ!という意識が芽生えました。

後、ずっと考える癖がつきました。

自分で書いていると、深く考えずに惰性で書いてしまうこともあったので
どんなことを意識して書くか、など常に意識するようになって書くことへのフォーカスが変わって来ました。

仕事のよい循環をつくるポートフォリオを

――この講座を修了してから、書いてみたいことは何かありますか?
自分の実績をテーマにした記事を書きたいです。

私は色んなアイディアを出すところから、スタートアップ企業をサポートしたい。過去の事業の実績を書いて、こんなことが出来ると相手に伝えたいです。

――実績に関する記事……ポートフォリオですか?

そうですね。

―― お仕事のポートフォリオですね。プライベートでのポートフォリオはどうですか?

例えば、自分の好きなことを書いてポートフォリオにするのも面白いと思います。プライベートはあくまでも個人の記録であって、ポートフォリオではないと思います。

今、私のポートフォリオの定義は、個人の好きなもののコレクション、ではなく、目に見える結果の記録です。

私はその記録を発信し続けることで、見た相手が自分の仕事の結果に納得して、面白い、と思って新たな仕事を任せてくれることにつなげていきたい。
そして、いただいた仕事の実績を発信して、新たな仕事に繋げていく、という循環をつくりたいです。その循環から生計が立てられるように書きたいと思っています。 

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――「納得」のために書く。

「相手は一体何をかんがえているのか」と常に考えて、ベストな結果を仕事で出そうとする綿貫さんだからこそ、「納得」という言葉が繰り返し出てきたのだと思います。

綿貫さんのインタビューを通じて、書くことは自分だけではなく、相手のことも「納得」させるためには欠かせないコミュニケーションの一つであることを考えさせられました。

私も書くことに対してより真摯にむきあおう、と感化されたインタビューでした。

(インタビュー・文/平川美南)
(写真/  Eva Waardenburg on Unsplash


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