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おひとりさまの正の側面 cafe marble仏光寺店

新潟県のとある地域に住んでいる35歳おじさんが、2024年3月の末に京都へ行ってきました。
訪れた観光地やご飯やさん、カフェなど、私がその時どう感じたかという心境も交えつつご紹介・まとめていきたいと思います。

夕飯とご飯に対する考え方

 この日は滞在3日目。早朝の7時前から滞在する京都駅近くのホテルを飛び出し、

龍安寺→仁和寺→上賀茂神社→グリル生研会館→下賀茂神社→糺の森→出町ふたば→出町桝形商店街

 と越後民族大移動を繰り広げた1日。鴨川を見ながら、出町ふたばの豆大福を食べつつ友人からの愚痴電話に付き合っていたら(1時間ほど)、何だか疲れも相まってそろそろ観光に飽きてきた自分がいる事に気がつきます。

 まあこれだけ1日に詰め込めばそりゃそうなるわけですけど、まあかといって夕飯を食べないという択だけは良くないなと。

 というのも、夕飯に限ってお話をすると、滞在1日目は仕事の懇親会で全国津々浦々の食材を使ったフルコースをいただいたんですけど、じゃあ京都のものを食べたかっていったら、NOなんです。

 滞在2日目はお客様からいただいたおむすびと、テイクアウトした松之助のスコーンを1ついただきました。
 どちらも美味しかったには美味しかったんですけど、これは前に付き合っていた女性による調教教育の賜物なんでしょうね。

 その人の思想は

作りたてに勝るご飯などない。だから私はバイキング全否定派!

 言われてみれば私は中学ぐらいまでは祖母の作る手料理で育ち、高校からは母の手料理で育ったような人間で、ひとり暮らしをしていたその時だって曲がりなりにも自炊をしていたので、出来立てじゃないものを食べる習慣って元から無かったんですよね。

 そこへきてそんな思想を持った人と付き合ってきたもんだから、ちょっとばっかり面倒くさい食に対する哲学が出来上がってしまっていたのです。

 4日目は飛行機の都合で絶対に新潟へ帰ってからしか夕飯を食べられないと分かっていたので、3日目こそは人の作る温かな料理を食べよう、そう心に誓ったのでした。

おばんざい

 そんな事を考えて、友人の奥さんから『おばんざい』屋さんをオススメされていた事を思い出します。そのお店は営業時間的にお邪魔する事は難しかったのですが、おばんざい、まさしく3日目の私が求めていた、手作りの温かさを象徴するような響きじゃあないですか。

 夕方の4時過ぎから急いで探して、1軒目こそ断られましたが、2軒目で営業開始時間からおひとり席を確保。カウンター席しかないそうで、『狭いけどそれでもよろしければ』と。無論即断OKスタイル。営業開始1時間半を切った中で席を確保していただけるだけ感謝しかないですよ。

 とはいえ営業開始まで時間が出来た。あと1時間はゆうに観光が出来る。しかしその時の私は上述の通り観光に飽きている。

 よろしい、ならばカフェだ。

おひとりさま特化型カフェと興味深いお話

 という事でお邪魔しましたcafe marble 仏光寺店。別に下調べしたわけではなく、完全にフィーリングで決めたお店。
 あとそのおばんざい屋さんから徒歩で5分と離れていないのも高ポイントだったんです。

チャイ

 最近馴染の店でチャイしか飲まない私。こちらのお店では確かカフェインレスコーヒーが見当たらなかったんですよね。
 ならチャイだな、という事で頼んだチャイ。

 チャイが激甘だっていう事をすっかりと忘れていました。私の馴染の店では、ストレートチャイでスパイスの香りを楽しませてもらうか、ミルクを入れて常連にだけの特別サービスでハチミツで甘みをつけてくれたものしか飲んでいなかったので、久々にガツンと甘いチャイを飲みました。

 ギャップがあったというだけで、普通に美味しかったですけどね。

おひとり席

 何よりこのおひとり席、どうですか?対面に椅子は存在しません。写真奥の暖簾の先にはスタッフしか入れない空間とお手洗いしか存在しません。また写真では撮れていませんが、写真右側には、2人掛けテーブル3席ほどと、4人掛けテーブル1つ、そしてカウンター席というとても落ち着いた空間。
 落ち着いてはいたのだけれど、その分他のお客さんの会話が鮮明に聞こえてきたんです。

 更に私の体を隠すように壁があるんですね。古民家を改修したカフェだと思うので、私が掛けている席って本来はただの廊下だったと思うんです。だからこそおひとりさまを堪能できる素晴らしい空間になっていたんです。

 左側なんてもう説明するまでもない。素敵な中庭と、レトロなガラス。

お客さまたちの会話がチャイばりに濃い

A組の場合

 A組は女性おふたりでご来店しておられた組。話を聞くに、どうやら片方は京都出身のブラジル在住の方、もうお一方は、話の流れを読み取るにデザイナーさん?な組合せ。

 別になにか打ち合わせをしていたような様子ではなく、純粋にブラジルから帰国している友人とお話に花を咲かせているご様子。(ちょっとした年の差は感じる)

 しかし、

 「ブラジル訳解んないと思ってたけど、数年ぶりに帰ってきたらそれ以上に京都が訳解んない事になってるね!」

 「結構変わりましたよね、この辺も。」

 「変わったなんてもんじゃないよ!ブラジルより外国人いない?それはない?」

 とブラジル仕込のジョークを飛ばし続ける女性。どうやら近い内にブラジルに戻るようで、ご友人からプレゼントをいただいていました。

 「えっ!そんな事本当にしなくていいのに!いらないよ私!えーでもありがとうめちゃくちゃ好み~。ツボ抑えてるわ~。ありがとう本当に~。」

 「なんとなく、◯◯さんらしいなと思って、気に入っていただけて良かった^^」

 なんともほのぼのする会話をありがとうございました。

B組の場合

 もう一組の方へ耳を傾けてみると、何やら壮大なことを話している。

「世界には日本語の読み方のまま浸透した言葉ってあるじゃないですか!」

「というと?」 (私も心の中でというと?とシンクロ)

「TSUNAMI とか ANIME とか!」

(津波はともかくとして、アニメは絶妙なラインだよな。まあ言わんとする事は分かる。)

「ふむ、なるほどなるほど。」(HENTAIって言葉がネットでは浸透していてね。内なる私そろそろ退場したほうが良さそう)

「私はそうした言葉として、SYOKU IKUを世界に広めたいんです!」

「はー、なるほど」

「日本の食育って凄いんですよ。そもそも給食のレベルで食育が出来ているって、これ本当に世界でも類を見ないと思うんです!それを更に高めていって、子供たちの健康を守るという意味で、もっと世界中に広めたいんです!この活動を!」

「はいはい」

「何か反応薄くないですか?」

「いやごめんなさいそんな事ないよ。良いと思うよ~。」

その後も食育について熱く語る方と、冷静に聞き役にまわる方。

 冷静に聞き役にまわる方は大人だなー、と思って聞いておりました。だからといって熱量高く喋っている方を馬鹿にする気は毛頭ございません。

 なにかに熱中できるって、それだけで凄い事ですからね。皮肉ではなく、本当にそう思いますよ。


いつの日か、SYOKU IKU が全世界共通語になる事を楽しみにして、本日の投稿を閉じたいと思います。

本当はおばんざい屋さんとの合作にするつもりだったんですが、思いの外ボリューミーになっちゃったので、投稿をわけます。

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