あの廃墟が目に浮かぶ

 こんばんは。皆様3連休いかがお過ごしでしょうか。私は最近母がドハマリしているベーグルの捏ね作業を手伝っていました。

 昔から油粘土で遊ぶの結構好きだったので、こねこねするのは結構好き。無心になれるので、たしかにハマりますね。

 最近まで少し高めの強力粉を使っていたようなのですが(曰く、素人だから素材ぐらいはこだわらないと不味い)、慣れてきて安い粉に代えたそうです。
 味や出来に変化は無かった(むしろ経験が載った分上手に出来た)ので、やはりしばらくは腕を磨くしかないようです。

 さて今日は珍しくローカルな話題に触れてみようと思います。

新潟の繁華街~古町と万代の関係性~

 私ぐらいの世代になると、「新潟で一番の繁華街はどこですか?」と聞かれたら、即答で「万代(ばんだい)」と答えるでしょう。本当にいちばん混んでいるのはイオン新潟南だけど。

 しかし、私のゼミの先生(当時60歳ぐらいなので、今はもう71,2歳ですかね)は、年に2度催すゼミの飲み会を、頑なに古町(ふるまち)から動かそうとしませんでした。

 私はゼミの教授を敬愛していましたが、ここだけはホンマに頑固親父だなあとゼミ生と陰口を叩いたもんです笑。

 何故古町だといけないのかというと、古町は新潟駅からのアクセスが非常に悪いんです。
 昼間はバスが往来しているので良いですが、夜間はタクシー頼み。お金のない学生の私達は、先生がタクシー拾って帰るのを見届けた後、駅まで歩いたもんです。冬は寒かったなあ。歩って歩けない距離じゃないところがまたニクらしいんです。

 それに対して万代は、駅と接した箇所に広がる地域。駅の再開発と共に、商業施設が次々と立ち並び、若者の街として君臨する事になりました。

 対する古町は、昔は花街として有名で、港町だった新潟を彩る艶やかな街として知られていました。

 しかし、それぞれの街にあった百貨店を較べてみても、違いは明らかでした。
 新潟には大きな百貨店が2つありました。(もっと昔はもう1つあったのかな?知らんけど)一つは新潟三越。もう一つは新潟伊勢丹です。
 どちらも親会社は同じで、新潟三越伊勢丹ホールディングスが経営していました。

 近くに若者向けのアパレルが多く入った商業ビルが沢山あった為か、人の往来も多く、客層も若年~中年をターゲットにした伊勢丹と、昔なじみ、常連の中流階級より上の富裕層をターゲットにした三越。

 立地格差を跳ね除けるパワーはなく、新潟三越は2020年3月に閉店しました。コロナ前から閉店をすると決定が為されていたので、コロナショックはあまり関係ありませんでした。

 新潟市は今もなお、観光立県を目指して新潟駅の再開発を最重要課題と捉えて、急速な再開発が進んでいます。
 これは間違いなく万代にとっては追い風であり、駅ビルから万代までの人の往来を創る事こそが、新潟の商業の中心地を創る事とイコールであると考えている人は多いです。

では古町は寂れていく一方なのか

 結論から言えば、古町は寂れています。しかし年に2回ほどですが歩いてみると、結構面白いお店が多く立ち並んでいる姿も見ることができます。

 ローカルデザインを手掛ける会社や若者に人気の古着屋さん。本格ハンバーガーを手軽に食べられるダイナーや、まあ勿論ムフフなお店も多いです。さすが花街。私行ったことないけど。

 そう、古町はディープなんです。新潟の中心地の表面だけを見るのなら、駅周辺と万代で十分です。
 しかし昔から根付いた文化を感じる事が出来るのは、間違いなく古町です。そしてその文化と若者を融合させようとする取り組みは、間違いなく増えてきています。

 だから若い人が古着屋さんなども始めるし、ゲストハウスなんかもあったりするんです。
 古町は今、転換期を迎えているのです。

で、何だねこの計画は(畏怖)

よし詳しく見たい方は↓のPDFをクリッククリック。

https://pdf.irpocket.com/C8804/cEro/wDOt/iz90.pdf

 この資料を読むに、三越の跡地に商業施設兼オフィス兼住宅(タワマン)の機能を持った新潟最高層ビルが立つ予定なのだそう。

 商業施設が建つというのは、以前から噂としてあったので、新潟県民もそこそこ期待していたはず。
 しかし何だこの、何だ、何とも言い難いこのデザインは。

 私は真っ先に中国のコレを思い出したぞ。

 高層ビルを建てること自体に反対するつもりは無いのですが、古町を発展させていくにあたっては、コレジャナイ感が満載すぎる。

 そもそも上場企業のオフィス移転を目論んでいるようですが、あのアクセスの悪さをどう騙して招聘する気なのか。
 無駄に地価は高いままだから、ぼったくりって程賃貸料は取るんだろうし・・・どんな企業がこんなビルに入るのか想像がつかん。

 商業施設はまあ、頑張ればそこそこ呼べそうではあるんだけど、何度も言うように問題はアクセスなのよなー。
 二階~六階ぐらいまでを立体駐車場にして、万代よりも安いパーキング料で駐められるようにしなければ、少なくとも県民が使う未来は見えないな。

 何よりこの環境に配慮したった感を演出するだけのこの🌲はなんだ。新潟が日本一暑い事は今年嫌というほど証明したし、冬は豪雪地帯だぞ。新潟市中心部の積雪が酷くなる事は、県外の人のイメージほどは積もることないけれども、それでも年に一度は積雪のある地域。

 はたしてこんな地域で緑を守る事が出来るのか、甚だ疑問です。

批判ではなく提言で終わろう

 こういう話は批判して終わりにしてはいけない。

 私が古町を再生するのだとしたら、3つの事に重点を置く。

 1つは交通手段の確保。駅との公共交通機関の往来増は勿論の事、レンタサイクルの積極的導入。また地方都市特有ではあるが、やはり駐車場の確保は外せない。

 2つ目は万代とは違う視点で若者を呼べる街にする事。わかりやすいのは大学作りゃいいんだよ(暴論)。
 アパレル中心の万代に対抗するなら、アカデミックとビジネスが融合した街づくり、これしかない。
 大手企業の招致が出来るならたしかにそれに越した事はないけれど、上述した通り難しいと思う。それなら教育機関と積極的に交流する事のできる企業を沢山迎え入れて、日本海側最大の学園都市を目指せばいい。
 新潟は専門学校の数だけは全国でも有数の街。土壌はある。やってやれない事はないはず。

 3つ目は文化の継承。新しいものを創る時つい忘れてしまいがちな古いもの達。温故知新という言葉もあるように、古きを知るは即ち新しき事をする助けになるんです。

 そういった意味で古町の文化や伝統というものは、しっかりと継承していく必要があると思います。伝統芸能や技術の集積地として、博物館や美術館などの建設をしていってほしいなと思います。

 美術館はまあ、あるかもう。

 せっかく古い町と書いて古町という町を名乗っているのに、目指す姿が完全に新町なのよ。
 言葉遊びしているつもりはないけれど、結構、大切だと思うんです。土地についた名前を大切にする事って。

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