超カワイイ産まれたてホヤホヤのお馬さん

 絵に書いたような素晴らしい太陽が、牧場を照りつけている。木の柵の向こうで、馬達はたてがみをなびかせて無邪気に走る。風が吹いて、草原の囁きと、トタン屋根の小屋がギシギシと音を立てた。いかにも年季の入った馬小屋の中では、ちょうど産まれたての仔馬が立ち上がろうとしている。まだ身体はみずみずしく、つぶらな瞳と必死そうな口。その2つが釣り合わないアンバランスな顔は超かわいい。ブルブルと震えながら、足が伸び切るギリギリで膝から崩れ落ちる。これを何度か繰り返すうちに、大人の馬がぞろぞろと集まり、応援が始まった。立つんだ。立ち上がるんだ。両親は誇り高きサラブレッドだ。湿っていたたてがみが乾ききったころ、ついに仔馬は立ち上がった。その時を待っていたかのように、馬々は雄叫びを上げた。
「ヒッヒーーン!」
牧場をリズミカルに駆け抜ける仔馬は、どの馬よりも早く走った。太陽はいつの間にか影ができないほどに真上に、仔馬は汗もかかずに走り抜け、その様子を大人の馬たちは優しく見守っていた。

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