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真夏の悪事! 涼を求めるホームレスが考えた『電車乗りっぱなし作戦』がエグすぎた

 先日、新宿のホームレスのおっちゃんに、暑い日の過ごし方についてたずねてところ、“電車乗りっぱなし作戦”との答えが返ってきました。
「電車は涼しいし、ずーっと乗っているんだわ。寝ていても文句を言われないし」
 いかにも、ホームレスが考えそうな発想です。
「どの路線に乗るとかってのはあります?」
 そんな漠然とした質問をしたところ、おっちゃんがふっと鼻で笑いました。
「やっぱり都営線だな」
「それはまたどうして?」
「パス券を持ってるんで」
 おっちゃんが何やら電車の磁気定期のようなカードを取り出しました。表面には、『都営交通無料乗車券 2020年3月31日まで』と書かれています。
「これを使えば、都営線に無料で乗れるんだわ」
 都内在住の身体障害者、知的障害者、生活保護世帯の方に対して、役所から発行されるカードとのことです。
「ふーん、いいですね」
「ほしい? ほしいなら1千円で売ってあげようか?」
「はっ?」
 何いってんだ? 首をかしげると、おっちゃんがカードをこちらに寄越してきました。瞬間、唖然としました。裏がダンボールです。これ、ニセモノじゃねーか!
「そう、これはニセモノ。知り合いの生活保護のジジイが持ってる本物のパス券をカラーコピーさせてもらって、ダンボールに貼り付けたものだわ」
「…こんなもん使えないでしょ?」
「それが大丈夫なんだな。駅では自動改札に通すんじゃなく、脇の駅員のところを抜けるのよ、こんなふうに」
 カードを手に握り込み、駅員に出すような感じでこちらにチラっとかざして見せる。
「駅員は、カードの日付しか見てないんだろうね、止められたことは一度もないよ」
 言葉がない。…ったく、しょーもないことを考えるものですな。呆れるわ。


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