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サウナの梅湯さんを拠点に、関西の銭湯を取材してきました。 (取材旅行・京都編)

こんにちは、高円寺の銭湯・小杉湯の番頭イラストレーターの塩谷歩波(@enyahonamiです。

銭湯図解本の取材のため、関西に2週間ほど行ってきました!

前半は京都にあるサウナの梅湯さんを拠点に、後半は大阪の昭和湯さんのご兄弟が経営されるゲストハウスを拠点に取材やライブペインティングを行ってきました。

前後編に分けて、レポートをお届けします。今回は京都編です!

<1日目>

東京駅を発って、まずは新幹線で愛知県に向かいます。

今回の旅の目的は3つ。

① 銭湯図解本の取材

現在執筆中の銭湯図解本。私が普段使いしている東京の銭湯がメインではありますが、「遠くの銭湯」の章の中で、東京以外の銭湯も題材にしたいと考えています。今回の関西出張では、京都のサウナの梅湯の取材にきました。

② 旅の手帖の取材

交通新聞社「旅の手帖」で連載中の『百年銭湯』。全国各地の創業百年の銭湯を紹介する連載コーナーで、関西方面で2件取材にきました。

③ 関西の皆さんにも銭湯図解を知ってもらう

家が東京だったので、これまで銭湯図解は東京をメインに描いてきましたが、書籍化に向けて集中制作期間に入っている今、出張の機会を活かして、東京以外にお住まいの方も銭湯図解を知ってもらいたいと思いました。

知ってもらうには、今描いている図解を実際に見ていただくのが一番と思い、SNSで銭湯図解のライブペイントの場所を募集したところ、大阪の銭湯さんとカフェバーの方からご連絡をいただきました。

また、自分自身の趣味としても、旅行に行ったら銭湯に立ち寄るのが好きなので、この機会に何件かの銭湯さんを周り、銭湯図解のご紹介をしたいなと思いました。

1日目の目的は②。まず、創業百年銭湯の取材をしに、名古屋駅に向かいました。

(新幹線の中で。東京で取材した銭湯のエッセイを書きます。新幹線の机はノーパソを置くにはちょっと小さすぎるので、ipadとブルートゥース接続のキーボードがぴったり。おすすめです)

百年銭湯の取材先は地蔵湯さん

娘さんが自ら描いた壁画があったり、明治時代からあるモダンなデザインの敷居壁があったりしてめちゃくちゃかっこよかったです!また、めちゃくちゃフレンドリーなおかみさんが素敵で、始終銭湯あるある話で盛り上がったのも楽しかった・・。

こちらの図解と詳しい内容は「旅の手帖」10月号(9月10日発売)に掲載されますのでぜひご覧になってください!

ここ最近の中でも本当に暑い日に取材を行ったので、取材直後は汗だくでバテバテ・・・銭湯図解の取材は、銭湯にまつわるお話や、裏話、ご主人のこだわりなどが聞けてすっごく楽しいのですが、「記事にするからには取りこぼしがないように頑張らねば〜〜〜!」と気合いを入れているのでいつも取材後は疲れていることが多いのです。

その日も名古屋駅に着くころにはヘトヘトでしがた、そのまままた新幹線に乗って京都へ向かいました。

京都は多分5回目。家族旅行や大学の修学旅行、建築旅行で今まできましたが、銭湯好きになってから訪れるのは初めて。京都は古くからの銭湯がいろんなところにあると聞いていたので、到着したときには取材の疲れもうそのようにめちゃくちゃ興奮しました!

駅からタクシーに乗って、まずはサウナの梅湯へ。

実は、京都での滞在はサウナの梅湯さんの梅湯寮を使わせていただくことになりました。梅湯を運営する湊三次郎君は、元アパレル業界にいましたが、銭湯好きが講じて、アルバイトで働いていた梅湯を引き継いだ、銭湯界の若きホープです。

昨年の秋頃に百年銭湯の取材で梅湯に訪れてから、同い年ということもあって仲良くなり、京都に行くに当たって湊くんに滞在場所を相談したところ、湊くんの知り合いや梅湯スタッフの人たちが使っている建物の一部屋が空いているということでそちらを使わせていただきました。エアコンもついていて布団も用意していただき、本当に頭が下がります・・その節は本当にありがとう湊くん・・!

(梅湯寮にはテラスがあって、そこから町家が並ぶ景色を眺めるのが朝の楽しみでした)

その日はめちゃくちゃ疲れていたのでそのまま梅湯へ。

久しぶりに梅湯に入ったら、サウナは都内ではなかなか体験できないほどあっつくてお尻が溶けそうだし、水風呂は真夏なのに地下水で16度ぐらいの体幹があって最高・・!疲れたのもあってか、ドロッドロに整ってしまいました・・・

そして梅湯にくるに当たって一番楽しみにしていたのが梅湯2階。

つい最近、煙突をリニューアルしたときに、今まで使わないでいた2階をオープンにしました。早速、お風呂上がりに行ってみると、、

むっちゃおしゃれーー!!!お風呂にまつわるものがごろっと置いてありますが、梅湯さんらしいちょっとサブカルっぽいおしゃれな雰囲気があってお風呂上がりに最高です。中でも欄干に座れる場所があって、そこでお風呂上がりの外気浴ができるの最高オブ最高・・・

ちょっと蒸してる夜の風を感じながら、目の前を流れている川のせせらぎや、桶の音、梅湯に自転車でくるお客さんの姿を見ているともう極上で・・・お風呂上がりの牛乳を飲みながら、このまま夜に溶けてしまうんじゃってぐらい最高の気分でした。

あまりに良すぎて、梅湯滞在中は毎晩のようにこの欄干に遊びにきました。本当に良い。京都にきたらぜひ試してほしい。

2階はこのフリースペースの隣になんとタトゥー屋さんをオープンさせるとのこと!ぜひ詳しく話を聞きたいと思い、後日タトゥー屋さんがいるときにゆっくり話を聞かせてもらうことになりました。

この日は欄干であまりに整いすぎたので、寮に帰って即寝ました・・

<2日目>

お昼すぎに湊くんに改めてインタビューをするまで時間があったので京都で観光・・ではなく、コワーキングスペースに篭って図解を進めてました。

(愛知で取材して来た銭湯の下書き作業)

京都に来たからには観光・・!という気持ちもあったのですが、いまは何より図解を進めたいのと、「作業を頑張った後に夜に京都の銭湯に行くのは最高かもしれない」と思い、作業を進めたところ思いの外順調に行きまして、いつもの1.5倍の速度で終わり驚きました。そのあとの楽しみがあると仕事って早くなるんだなあ・・・

作業の後は改めて梅湯へ。梅湯は一度百年銭湯で描いたことがあったのですが、梅湯のアチアチサウナが大好きなのはもちろんのこと、フロント前の様々な小物がごちゃっと詰められたおしゃれな空間や、若いスタッフの方がいる雰囲気や、そして同年代として湊くんの活動を尊敬しているからこそ、図解書籍を出すからには絶対に梅湯を描きたいと思いました。

百年銭湯では女湯をメインで描いたので、今回は男湯+2階を描こうと思い、男湯の実測を行うとともに2階について改めて湊くんの話を聞かせていただきました。

取材後は図解作業もある程度きりよく終わったので、京都に行ったら必ず立ち寄ろうと思っていた高辻の白山湯へ!!

この銭湯はサウナも熱いし、何より水風呂がめちゃくちゃいいとサウナ仲間から聞いていたので旅立つ前からずっと楽しみにしていました。実際入るとサウナは熱い・・!やっぱり東京の銭湯サウナより一段と熱く感じました。

そして噂の水風呂は深めで15度前後の地下水が体の芯からがツーンと冷やす最高の体験でした・・。白山湯はタダでさえ本当に最高だったのですが、めちゃくちゃパーソナルスペースが狭いおばあちゃんに声を書けられたのがさらに最高でした。

話をするうちにどんどん近くなって最終的に視界のほとんどがおばあちゃんの顔になったし、「ゆっくり入ってや〜〜〜!」て肩を揉まれまくなったのが面白かったです。東京でもなかなかない体験で和みました。

<3日目>

この日は百年銭湯の取材で滋賀県の小町湯さんへ!

掃除が行き届いたレトロな建物と、100年以上脱衣所に置かれている人形が凄まじかったです。旅の手帖11月号にたっぷり掲載されるのでそちらでじっくりご覧になっていただきたいです・・!

その日は夕方に梅湯に戻り、2階のタトゥー屋さん「狐や」のお話を伺いました。

お話をしてくださったのは恭維(キョウイ)さん。

タトゥーの修行中に梅湯に通っていて、独立のタイミングで2階改装の話があり、2階に店を出すことにしたとのこと。もともと、タトゥーを入れている人に悪いイメージがあるのを、払拭できればと仰っていました。

小杉湯や梅湯など、タトゥーを入れている方も歓迎している銭湯さんは多いですが、刺青を入れている方の来店を控えていただいている銭湯、スーパー銭湯さんもいくつかあります。

それはそれぞれのお店の考えですし、私はその考えを尊重して行きたいと考えていますが、銭湯の2階にタトゥー屋さんが入ることがきっかけで、そのイメージが変わればいいなと思いました。

(タトゥー器具を説明してくれているキョウイさん)

これまで、建築の道で「設計で一番を取らなければ成功じゃない」と思い込んで頑張りすぎて体を壊して、銭湯に出会ってそうでない人生もあることを知った体験があるからこそ、銭湯が多くの人にとって、自由で、居心地の良い場所になればいいなあと思います。だからこそ、湊くんの2階のチャレンジをぜひ応援したいし、書籍でまっすぐに伝えたいと決意を新たにしました。

<4日目>

昼過ぎまでちょと図解を進めて三重県の伊賀へ。銭湯図解の取材に一乃湯へ向かいました。

一乃湯は昨年の秋頃に一度実測と取材をさせて頂いていたのですが、なかなか図解を描くタイミングがなく、機会を伺っていたので、書籍化に際して、ぜひ遠くの銭湯で描きたいと思い改めてご挨拶とお風呂を体験しにきました。

久々に遊びに行きましたが、徹底された“昭和レトロ”の雰囲気と、遊び心たっぷりの雑貨コーナー、そして隅々まで掃除が行き届いたお風呂の気持ちよさはやはり格別です。やっぱり、関西方面に来たからには一度は立ち寄りたくなるような魅力に詰まっています。

お風呂上がりにちょっとお時間を頂き、隣のスペースでご主人の中森さんと近況や最近の一乃湯のお話をしました。突然の連絡にも関わらず、コーヒーや水羊羹など暖かく迎えてくださってとても嬉しかったです。

改めて自分の生い立ちのことなんかも話しましたが、その中で「自分が楽しいと思うことを追求するのが大切だよね」という話で盛り上がったのがまた楽しかったです。

一乃湯の徹底された雰囲気づくりや、そこに垣間見える遊び心はきっとこの中森さんの考えが表れているんだろうなあ、とまた一乃湯ファンになりました。

その日は船岡温泉とサウナの梅湯で締め、翌日の早朝に梅湯を後にして大阪方面へ向かいました。

京都出張は、出張当初から風邪を引いたり取材でヘロッヘロになりましたが、いろんな方のお話をゆっくり聞けて、本当に楽しかったです。またゆっくり京都にきたいなあ。

そして湊くん本当にありがと〜〜!

さて、京都を後にしてからは、神戸スパとニュージャパン でのサウナをたっぷり堪能し、大阪出張編に続きます! 後編も楽しみにお待ちくださいませ〜

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