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関西地方の窃盗犯1

平成の中頃、地方都市警察署留置管理係長時代の話。
捕物から留置管理までの2編を。

郊外から農村地帯にかけて自動販売機荒し(自動販売機を破壊するなどして、金員や商品を盗むもの)が多発。

手口(主に窃盗犯が金品を窃取する方法、犯人のやり方)は販売機のドアをバール等の工具で破壊、販売機内のコインメック(硬貨、紙幣が集まる箱)を窃取する荒い手口。


発生は深夜から未明にかけての連続発生。

当時、機動捜査隊、所轄刑事、自ら隊等が血眼で犯人を捜査中、めぼしい容疑者も浮上せず。

手口から来日外国人ではないかと暗中模索になっていたある日の夕方、自ら隊パトカーが郊外の自動販売機の前に駐車している他県ナンバーのトヨタアリストを発見、自販機荒しの関係も捨てきれずと判断職務質問しようとパトカーをアリストにかぶせて止めようとしたら…

いきなり急加速で発進逃走、こいつだとパトカー追従するも異常な加速で逃走、追いつけず失尾、捕まえた後、判明したがアリストに後付けでノーマルターボを付け替え、威力倍増のターボチャージャーを着け変えていたとのこと。

3000㏄ターボをさらに魔改造した車、自然吸気の2000㏄エンジンで勝てるわけない。

失尾しながらもパトカー、逃走方向と車種ナンバーを手配、大捕り物の開始。

窃盗犯、郊外から離脱して早めに高速道路や幹線道路に逃走すれば良かったんだろうがあちこちからパトカー、捜査車両に出くわす為、だんだんと市街地に追い込まれる、ここでアリスト単独犯と思われていたところに他県ナンバーのトヨタセルシオがアリストをかばうように出現、2台が連なって逃走、袋小路のような住宅街に入り込む、アリストは狭小な市道に無理やり入り壁に挟まり出るに出られずとなり捕捉。

セルシオは住宅街に隣接する農道から脱輪走行不能となり、結果はセルシオがアリストを助けようとしたおかげで2車とも御用、捕捉となりました。


取り調べにより関西地方から来ていた二人組の窃盗犯でありました。主犯格のアリスト運転手の方をわが警察署に留置、共犯者は隣の警察署に分散留置と相成りました。

とまあ今日はここまで。
次回は留置施設での同人らの動静についてお送りします。

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