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3年前の5ヶ月間

豊島美術館という、一風変わった美術館に勤めていたことがある。たった5ヶ月間だけど。

美術と建築と環境が一体となったその美術館。
一度訪れたいと学生のころから思っていて、ふいに思わぬ連休がとれたときに訪れた場所だった。
そして初めて訪れたその半年後には、施設運営をするためにそこに立っていたことになる。

周りの環境と、1つの建物と、そこに広がる空間しかないその場所を美術館と呼んでいるそこは、その日の自然環境をそのまま受け入れて、生活の中にある風の動きや太陽の動きをそのまま映したような作品であり、人としての根源的な好奇心やよろこびを探せる作品でもある。

そこにいた3年前の5ヶ月間、
私は朝起きてから夜寝るまでずーっとうれしくてたのしくて満ち足りた状態だった。

島の状況も美術館の倉庫の隅もすべてを把握しきった中で、その日その日のお客さんや環境にあわせて最善の提供をしてくというのは至極私の得意な仕事だったし、
なによりもそこで提供しているものが、私自身の一番好きな作品なのだ。

仕事をとっても土地をとっても、自分の体と思考に豊島での離島ぐらしが抜群に調和していた。

いまの旦那さんと、約束さえしてなければ帰って来てなかったと思う。(事実、戻ってきたら一緒に暮らす約束をして当時遠い地に行ったのに、帰らないことを考え、悩み、何度も相談していた。)

豊島美術館。大切な人にはみな訪れてほしい場所。

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