冷静と情熱のあいだ - 2 -

最初に少し西田くんについて書こうかなと思います。

私のプレーを初めて見たのはインターハイの動画だったと思います。背が低いのにすごい高校生がいると友人から聞いて動画を見てみたのですが、正直なところあの頃の私にはその凄さがよくわかりませんでした。

彼の存在に驚いたのは彼が高校生の内定選手としてジェイテクトでコートにたった試合を見た時です。
当時17歳とは思えない活躍ぶりでした。
実際に彼が跳ぶ姿を目の前で見た時には「やばい」とか「すごい」のような語彙でしか語れないほどの衝撃を受けて、帰り道には友人と彼を代表に呼んでほしいよねという話をしていました。

例えすぐにはコートに立てなくても刺激になるはずとその時は話していたのですが、そんな緩やかな私の憶測を乗り越えて、彼はその年に代表に選出され、VNLで衝撃的なデビューを果たしました。

今でも忘れないのはインテックアリーナで行われたイタリアとの試合で、彼はその強烈なサーブとスパイクでフルセットの末に勝つという劇的な結末を見せてくれました。(フルマッチではありませんが下記の動画でそのポテンシャルを見ることができると思います)

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Posted by Volleyball World on Sunday, January 24, 2021

その年のイタリア開催の世界選手権では怪我もありなかなかうまくいきませんでしたが皆さんもよく知っている通り、2019年W杯では彼はそのサーブの威力とスピードとパワーのあるスパイクでその名前を世界のバレーボールファンに覚えてもらえたのではないでしょうか?

この試合の2:31:00ごろから診ていただくとあの強烈なサービスエースの嵐で試合を締めくくった姿を見ていただけます。
私は会場で見ていましたが、その日、清水さんや久原くんが活躍していてどちらがVOMかな?なんて話を友人としていましたが、全てを薙ぎ倒す西田劇場がそこにありました。

この時、彼は19歳。
彼の衝撃的な代表デビューから2シーズン目のことでした。彼の存在が龍神NIPPONの強さを強固なものにしたのは疑いようがありません。

だからこそオリンピックシーズン、紅白戦で彼が怪我をした時、ものすごい衝撃を受けたことを覚えています。
間に合わなかったらどうしようと。

西田くんを語るとき、その背の話が出てこないことはありません。
身長がハンデだと言われるスポーツで、より早く、高く跳ぶことで、相手を圧倒する攻撃を見せてくれますが、同時に背の高い選手に比べると体を酷使しながら戦っているとも言えます。

だから彼の口からは長い選手生命ではないかもしれないという言葉も出てくるのかもしれません。

東京オリンピックを経て、彼がイタリアに挑戦するという話が出た時も心配する声も多く聞かれました。でも、今日の試合を見て確信したことは、彼もそのコートに立つべくして立った選手だなということでした。

サーブでも、スパイクでもそして数字にならない献身的なプレーもずっと西田くんらしい戦い方でした。
今日はチームは勝てませんでしたが、彼の成長も感じる戦いぶりを見れてもう次の代表シーズンの西田くんの活躍が楽しみです。

彼も間違いなく2022-2023シーズンに龍神NIPPONのユニフォームを着る一人だと私は信じて一ミリも疑っていません。

あの髪型のまま代表選手でいてほしいところですが、許されるんですかね?
もうそろそろ髪型とか、見てくれで細かいことを言う大人には退場してもらいたいですよね。
スポーツは結果ですから。
どう戦うかですから。



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