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鋼管杭工法と費用

地盤改良工法の一つである鋼管杭工法に関して、その他の地盤改良工法との比較表を元に相場を解説します。住宅購入などで地盤改良費用を見積もることは難しく、当初予算から大きく外れるケースがあります。ここでは、概算出来ない理由と予算をオーバーした際の対処法に関して詳しく説明します。

鋼管杭工法と費用
撹拌状況

鋼管杭工法の相場

地盤改良には大きく3種類の工法(表層改良工法・柱状改良工法・鋼管杭工法)があります。各種地盤改良工法に関しては、別記事でも詳しく解説しています。こちらの記事もご参考いただけると幸いです。『鋼管杭工法のメリットとデメリット
また、鋼管杭工法には3種類の工法(小口径鋼管杭・既製コンクリート杭・木杭)があります。鋼管杭工法に関しては、別記事でも詳しく解説しています。こちらの記事もご参考いただけると幸いです。『鋼管杭工法の種類』 
戸建て住宅の建設に際して地盤改良のために鋼管杭工法を実施する場合、一般的に小口径鋼管杭工法が適用されます。ここでは、小口径鋼管杭工法の相場を他工法と比較します。鋼管杭工法(小口径鋼管杭)の相場は、一件あたり100~180万円程度が目安であり、坪単価は4~6万円/坪です。坪単価とは、建物の延床面積当たりの単価で表現されることが多く、地方と都市部において異なりますが、一般的な戸建て住宅の延床面積は30坪程度のため坪単価は30坪程度の建物を前提にしています。

また、標準的な戸建て住宅の土地面積は40~50坪程度です。この中に延床面積30坪程度の住宅が建つことが一般的です。従って、工事金額を概算(見積もり)したい場合は、土地面積ではなく、住宅の延床面積で試算しましょう。 

坪とm2と想定

1坪は約3.3m2(1.8m×1.8m)で1m2は約0.3坪です。住宅金融支援機構の2019年度フラット35 利用者調査によると、戸建て住宅において延床面積の全国平均は注文住宅:125.8m2(38坪)、建売住宅:101.1m2(30坪)です。国土交通省が公表している令和2年度住宅経済関連データによると、東京都の戸建て住宅平均延床面積は65.9m2(20坪)です。

見積り時の留意点

住宅購入時の地盤改良費用に関して、最初の見積もり通りに進まないケースが多いことが大きな問題です。住宅購入では基本的に最初に複数のハウスメーカーからプランを取り寄せて比較検討します。ハウスメーカーは設計が固まった段階で概算見積もりを提出します。この概算見積もりには地盤改良費用が入っていないことが通常です。なぜなら、地盤改良費用は、地盤調査をした後でないと全くあてにならない数字になるためです。
 依頼するハウスメーカーを決めた後に地盤調査(ボーリング調査)を行います。本調査で支持層の位置を確認して地盤改良の有無を判断します。ここで、支持層までに軟弱地盤が堆積していることが判ることで地盤改良工法を検討・積算を実施します。相場は、表層改良工法:30~50万円程度、柱状改良工法:50~80万円程度、鋼管杭工法:100~180万円程度となります。ハウスメーカー経由で地盤改良施工業者の複数社に見積もりを取ってもらい、比較検討することが重要です。更に、地盤改良により当初予算をオーバーする場合は、ハウスメーカーに他の工事で減額するように代案の提案を依頼することで予算内での住宅購入を考えましょう。

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