[SIAM]E2Eのサービス可視化 with ITIL4

SIAMでは、重要な機能(または組織)となるSI(サービスインテグレータ)をエンドツーエンドのサービス品質を保証する責任がある機能として定義していますが、その実現に向けては様々な乗り越えるべき壁があります。

組織横断となると、利害関係者も多岐に渡りますので、それらの関係者と合意形成を図りながらの推進が必須となります。その際、経営層レベルのコミットメント(後押し)があることが非常に重要になりますが、その議論は一旦横に置き、「利害関係者が同じ目的・ゴールに向かって動くために」という観点でお話したいと思います。

SIAMでは明示的に記載はないのですが、ITIL4で定義されているSVS(サービスバリューシステム)バリューチェーンやバリューストリームマッピングの考え方を使ってエンドツーエンドのサービスを可視化し、改善、改革していくのが有効だと個人的には考えています。

#ITIL4の概要についてはこちらがとても参考になります。
第2回:ITIL®4 概説 パート1(株式会社JOIN)
第7回:アジャイルITSM変革アプローチ パート3(株式会社JOIN)

特にITSMの世界では、これまでプロセスにフォーカスされている傾向が強く、価値ベースで業務の定義が弱かったと思います。実務的には様々な工夫がなされてはいますが、それらはIT部門内に閉じていたり、業務部門(または顧客)との議論が十分にないまま(場合によっては認識されていないまま)定義されていたり・・・といった状況ではないでしょうか。

1つ例を挙げますと、例えば新しいサービスプロバイダーを受入れる場合のオンボーディング(サービス受入れ)を考えてみましょう。

これらは単なるサービスの変更管理に留まらず、戦略管理、関係管理、サプライヤ管理、サービスレベル管理、サービスカタログ管理、ナレッジ管理など多岐にわたるプラクティス(プロセス)を参照しながら、それらの必要な活動の流れ及び役割分担を定義します。

登場人物も、SI(サービス統合チーム)が主となりますが、サプライヤ、ツールチーム、ステアリングコミッティなど多岐にわたりますが、それらが明確になることで初めて実務としてエンドツーエンドで価値を提供できるようになります。

・・・とここまで読んで頂いてすでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、SIAMフレームワークは、エンドツーエンドでサービス管理するために必要なヒントが詰まっており、これはDX推進における組織設計・プロセス設計に非常に役に立つと考えています。

ぜひ、使える部分は有効活用していただければ思います。また、ITIL4のSVS(サービスバリューシステム)についてもぜひ参考にしてみてください。

本日は以上です。ありがとうございました。

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