身辺雑記(11月)

最近は周りで不幸があったり、近い人間が体調崩して看病したり(ぼくは大丈夫だったが)、いろいろ疲れている。仕事が滞って、自分のペースメーカーになっていた定期購読マガジンも廃刊されてしまった──これについては読者のみなさん本当にすいません。とはいえ、毎月身辺雑記をつけることは続けたいので、とりあえず書いていく。

小松理虔さんの新刊記念イベントに出た

理虔さんに対談相手として呼んでいただいて、『新地方論』の刊行記念イベントに出た。

イベント直前に読み終わったのでギリギリだったけれども、この本は小松さんの代表作になるようなものだと感じたので、刊行記念の場でお話できて本当によかった。

そう思った理由は、本のテーマと文体とがきれいに融合しているからだ。小松さんは本書で、地方で生きることの幸福や悦びについて書いている。その主題は、小名浜のうまそうな酒やサンマ、子どもの溌溂した姿、海や山の風景といったものの描写を通じて、生き生きと描かれている。小松さんらしい率直な悩みや葛藤の表明もあるけれども、いい意味でそのすべてを吹き飛ばすくらい、情景描写における文章のうまさが光る本だった。純粋に生活エッセイみたいなものとしても楽しめる作品だと思う。

……というような話も含めて語ったアーカイブ動画が公開されているので、興味ある人はぜひ。例によって、対談としては小松さんのホスピタリティに助けられまくったので、個人的には要精進という感じでもありつつ……。

文フリに参加した

『移住と実存』という新刊を頒布したり、『意味ないのに無限』という本を増刷したり、いろいろ同人活動やったので、超久々に自分でブースをとって参加した。

結論としては、マジで参加してよかった。『移住と実存』が謎に売れたこともあるけれども(このテーマで東京で売って100部超えはさすがに喜んでいいのではないか、即増刷しました)、イベント自体がよかった。

単純にブース数もめちゃくちゃ増えたし、テーマも以前より広がっているような。超大雑把な印象としては、これまではいわゆる文芸全体のなかでも特殊なフリマだったのに対して、今回はカルチャーの現場みたいな雰囲気があった。

もう同人誌制作とかあんまりやらなくなるのかなと感じていたけど、こういう場所があるなら頑張ろうかなと思い直した。運営に感謝……。そういうわけで、早速来年の春文フリにも申し込んだ。

限定公開の意味

以前、定期購読マガジンは限定公開にできるから重要だということを書いた。限定公開だと、キワどい内容でも(ある程度)気楽に書けるからだ。

実際のところ、定期購読マガジンで公開範囲を限定しなければならないようなアヤしいことを書いてきたわけではない。けれども、やはり、いざ誰でも見られる文章をこうして書いていると、かなり窮屈さがある。具体的には、この身辺雑記は普段の日記やメモ帳をコピペして、それを編集して制作している。そのときに削らないといけないなって思う部分が増えるのだ。

……まあ、そういう圧のなかで作業するのも必要だと思うようになっていたところだった、ような気もする。いいタイミングだったということにして、今後もなるべく月イチで身辺雑記を書いていきたい。

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