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転職するときの「引き留め」 #転職体験記

転職の際、退職する意思を会社に告げると「引き留め」行為をされることがあるかと思います。
私も実際に引き留めの言葉をいただきました。が、基本的には引き留め行為は無駄で、大切なのは以降に同じような理由での退職者を出さないことではないかと思います。

退職の意思を会社に告げるまでの間、今後の人生のこともあるので本当によく考えた末に退職するに至っているはずです。軽はずみに「ちょっと辞めようと思ってるんですよね~」のノリで会社に退職意思を告げる人はほぼいないかと(環境によるのかもしれませんが)。
辞める理由は様々だとは思いますが、給料や将来性、環境などを考慮して辞める決断をしているはず。トータルで考え、辞めた方がよいと判断し、タイミングとかシチュエーションなども考えながらようやく会社に告げることになったのに、ちょっと引き留められたくらいで思いとどまるなんてありえないかと思います。そんな覚悟で言っていない。

私が受けた引き留め

実際私が退職意思を会社に告げたとき、「いくら給料を出せば残りますか?」と聞かれました。私が退職を決意した理由は、ブラックとも言える労働時間の解消できること、そして給料のアップです。同業他社への転職なので、労働環境がよくなることが1番、そのうえで給料が増えるなら申し分ないなと。しかし現職に留まって給料だけ上げられても労働環境は変わらないし、同業他社への転職は見方によれば裏切り行為なので、裏切り宣言をしてまで退職意思を示したのにお金につられて思いとどまるのはダサいという感覚もあります。
なので、1億円くれるなら残る、と伝えました。ほんとうに1億円くれたら残るし、中途半端な額を言うと何とか用意されそうな気もしたので。そして転職先からのオファー額を知るための参考情報にされそうなので。

また、「本当にいつでもいいから戻ってきて欲しい。それまでにもっといい会社にしておくので。1か月後でも、1年後でも、5年後でも」という言葉を本当に多くいただきました。そんなにすぐいい会社になるなら先にやっとけやと思いますが(私も在籍時によりよい会社にするためいろいろ意見を言ってきたつもりではありますが、叶いませんでした)。
そういったなかで、まともな引き留め人からは「退職を引き留めることはできないけど(社内的には形式上引き留めたことにはするけど)、何が理由で、どうなったら戻ってきたいかを教えて欲しい」と聞かれました。全くその通りで、冒頭の通り次の退職者を出さないこととが大切。そして、出戻りの確保(変な辞め方をした人は不要かと思いますが、私は辛うじて円満退社したつもりです)。出戻りは完全に即戦力なので、いい人材を確保するには手っ取り早い手段です。

私のあとに退職意思を示した人

私の2か月後に同じ会社にて退職意思を示した人がいるそうです。その人によると、引き留めるために具体的な給料増額の提示があったそうです。なかなか積まれたそうで悩んだようですが、トータルで考えやはり退職することを選んだそうです。私がいなくなった直後の話なので、これ以上のメンバー減を回避するための苦肉の策だったんだろうと思いますが、無念です。やはりお金だけではないんです。労働環境は本当に大切。

中には戦略的退職宣言をする場合も

さらに過去に働いていた職場では戦略的な退職宣言をすることも多々ありました。業界的には、同業他社への転職を重ねて給料を上げていくのがセオリーとなっているようなところでした。
とある人物が、全社トップの営業成績をたたき出したもののあまり待遇がよくならず、「であれば辞めます」と。会社としてはそのパフォーマンスを出す人がいなくなることは痛く、同業他社に行かれるとそれも痛いので、「ちょうど君にマッチするポジションを準備していたところなんだよ」と言い昇格させるという、なかなかの対応。大して成績がよくない場合は「はいどうぞお辞めください。出口はこちらです」なんですが、成績上位者に対しては会社も強く出れません。その頃合いを見て退職宣言をして会社を脅して好待遇を得る「伝家の宝刀」と呼ばれる行為。
私は刀を抜いたことはないですが、そういった業界もありますね。

会社が喜ぶ場合も

さらにもっと過去にいた会社では、退職宣言をしても誰からも引き留められませんでした。
当時大きいクライアントの方針展開があり、受注減の見込みもあったので、売上に合わせて人員の縮小をしたいという思いもあったようで、管理職だった私は引き留められるどころか喜ばれる形に。もちろん一緒に仕事をしてたメンバーは惜しんでくれましたが、会社としては給料が高い人が辞めると利益を出せるため、どうぞどうぞ、と。
そういう会社は離れるべきなので、こちらとしても変に引き留められずに辞めていけるためラッキーではありました。

まとめ

基本的には引き留めは無駄。しかし業界によっては引き留めを利用して雇用条件を吊り上げる「伝家の宝刀」も存在する。逆に引き留めてこない会社は、自分に価値がないか会社に体力がないかどちらか。
というところではないでしょうか。
ずっと在籍したいと思える会社が増えること、そして少しでも多くの人がそういった会社に出会えることを祈ります。

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