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世界を覗く魚の目“魚類の王”🐟

 無数に張り巡らされた堀に魚の群れがあった。一尺になるかならないかの立派なヘラブナである。釣り師達はこの魚を求めて止まない。水中に酸素が満たされていないのか、群れは水面に顔を出して盛んに呼吸をしている。
 魚はエラで呼吸するのでは無かったのか?それなのになぜ、口で水面の空気を吸いに来る?それとも単に水面のエサを食べているだけなのか?
 Wikipediaなるものでその真理を探ることもできる時代ではあるが、そんな野暮なことをする時間はない。彼らは水面でエサを食べる振りをしながら、恐らくはこちら側の人間達を観察しているに違いない。彼らからすれば空気を吸っている振りでも何でも良く、ただ水面に現れても不自然でない理由を当てつけているだけなのであろう。

 『深淵を覗くとまた深淵はこちらを覗き返す。』

 確かそんな言葉があったような気がする。「指輪物語」の間違った引用かも知れない。魚の群れを覗くものは、また魚に覗かれる。魚の視力が人間よりも悪いなどとは誰も決める事はできない。
 何処かで書いたかも知れないが、ボラが海で飛び跳ねるのも、目的は観察に違いない。無意味に見える連続ジャンプも観察のためであるのならば、理にかなった行動である。
 そしてこれは、『昆虫の王🪲』でも書いたが、彼らの収集した情報は何物かの元へ送られ管理されているに違いない。万が一のためのバックアップ。地球が滅んだ日のためか、それとも滅ばないように監視しているのか?
 平和な5月の休日の、不穏なnoteへの書き込み。

            2022年5月3日

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