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大阪から民泊に来てくださいました!

この記事は2017年8月20日に投稿されたものです。
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自ら手を挙げた生徒さんたちが広田町に

 今回広田町に民泊に来てくださったのは、豊中市社会福祉協議会の皆さん。大阪の高校に通う生徒さん19名と引率者9名の計28人が、広田町内8軒のご家庭に入りました。豊中市社会福祉協議会は、東日本大震災以降、継続的に陸前高田市へ多大な支援をしており、毎年訪れています。今回の民泊は豊中市社会福祉協議会にとっても初の試みでした。

 大阪からバスで半日以上かけて来た皆さんは、震災以降の見学や市長講話を終え夕方に広田町地区コミュニティセンターに到着。すぐに受け入れ家庭との対面の場「はまって会」(はまって:加わり一緒になっての意)を行い、各お家へと向かいました。

はしかけメンバー 3軒のご家庭に同行!

SETの情報発信プロジェクト”はしかけ”は、3軒のご家庭に密着し、民泊体験の様子を見てきました!

 1軒目は、佐々木幸悦・光子さんのご家庭。引率の先生方3名を受け入れました。コミュニティセンターを出発し、地元の美術館『三陸館』へ。

 三陸館では、畠山孝一画伯が自宅を開放し、これまで描いてきた様々な”岩”の絵を展示しています。ご覧になった先生方は、終始絵の迫力に圧倒された様子で、「これはすごい!」と感銘を受けていました。鑑賞後は、孝一さんご本人と交流する時間もあり、短い時間ではありましたが、三陸館を満喫していました。


 2軒目にお邪魔したのは、村上榮二・妙子さんのご家庭。お家に伺うと、高校生5名が夕ご飯の支度の準備を手伝っていました。テーブル一面に広がるたくさんの料理。ウニとホタテの炊き込みご飯やカツオのお刺身、ワカメの春巻きをはじめとした数々のワカメ料理など、豪華な夕食です。

 高校生は、口いっぱいにご飯をほおばりながら、ご夫妻との会話を楽しんでいました。子どもたちの学校生活のことや東日本大震災当時のことなど、色んな話題で盛り上がっていました。


 最後に訪問したご家庭は、村上均・トモ子さんのお家。こちらのご家庭には、社会福祉協議会の方1名と引率に来られた先生2名がいらっしゃいました。私たちが到着したのはちょうど食後のお茶っこ中。すっかり打ち解けていた皆さんは、ざっくばらんにがだりっこ(話をする)していました。仕事の話や社会の話など、大人同士だからこそ語り合える深い話も飛び出していて、生徒さんが泊まったご家庭とはまた違った雰囲気を感じました。
 

一時のお別れ ほんでまんず会

翌朝6時半、あっという間の民泊は終わりを迎え、各ご家庭がまた広田町地区コミュニティセンターに集まりました。”はまって会”の時とは違い、皆さんの顔からは緊張の表情は消え、笑顔と名残惜しさが溢れていました。

”ほんでまんず”
このお別れはほんの一時のこと。「じゃあまたね」と握手を交わし、昨晩のことを思い出しながらお互いに「ありがとうございました」「とても楽しかったです」と感謝の言葉を伝えていました。

民泊の声

民泊終了後、はしかけメンバーは民泊の参加者の方や受け入れ家庭にインタビューをしてきました。その声の一部を紹介します。
–高校生–
高校生(男)「昨晩食べたごはんがとても美味しかったです。トマトの丸かじりをしたことがなかったので、とても印象的でした。」
高校生(女)「震災のお話は、TVのニュースで聞くのとは違って親近感がわき、体感しているかのように聞けた。」
高校生(女)「わかめと昆布をお土産でもらった。とても楽しかったです。」

–先生–
男性教諭「大人同士だからこそ腹を割って話せることもある。選挙や結婚の話、仕事の話。都会と田舎の違いについて。ご家庭では、生徒さんが泊まる時とはまた違った話が聞けたと喜んでもらえた。」

–地元の方–
女性「今まで民泊をやりたいと思っていたので、今回民泊ができてよかった。」
女性「民泊の受け入れを始めて以降、家の中で笑顔がたくさん溢れている。今回の民泊で改めてそれを実感することができました。」
男性「これまでは生徒さんを泊めることが多かったが、大人の方に泊まってもらうのも楽しいものだと気づけた。」
女性「自ら手を挙げて来てくれた子たちだから、テキパキお手伝いをしてくれた。自分たちで用意したご飯だから美味しい美味しいと喜んでくれた。いい体験をしてくれたと思う。」

民泊を終えて

 半日と短い民泊ではありましたが、終始なごやかで温かい空気が広がっていました。最初を見ず知らずの人同士でも「一緒に暮らしをする」ことで一気に距離を縮められる。田舎と都会が混じり合うことで、お互いが刺激になるようなものに出会える。人と人の関係が薄くなりつつある今だからこそ、人と触れ合える民泊には、暮らしを豊かにするヒントがたくさん散りばめられているように感じました。それぞれの日常に戻ったとき、自分の暮らしを見つめ直すきっかけになればいいと思います。

(民泊終了後の集合写真)

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