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空から落ちてくるズボン

話の冒頭で空から何かが落ちてくる演出が大好きだ。

「親方、空から女の子が!」

最も有名であろう、天空の城ラピュタ。
採掘抗の天辺で、夜空から天使のように舞い降りてくる女の子を両手を掲げて受け取るシーン。

無条件にワクワクさせられる。
これから何かが起きると期待してしまう。



ジェンダーがテーマの映画「わたしはロランス」

青い空をバックに、色とりどりの洋服が落ちてくる。
その中を主人公2人が手を繋ぎ、楽しげに歩いてくるこのシーン。
「わたしはロランス」は全体を通して色使いが派手で、パーティのシーンや家の内装もおしゃれだ。
なかでもこの「服が空から降ってくる」シーンはズバ抜けて印象深い。


「春が空から降ってきた」

伊坂幸太郎が著作の、重力ピエロ。
冒頭一文がこれだ。
「トンネルを抜けるとそこは雪国であった」のように、最初の一文が肝心だと言われる小説だが、この重力ピエロに関しては完璧だろう。
春?降ってくる?思わず惹きつけられ、ドキッとする最高の導入だ。
(実際は「春」という名前の少年が階段から飛び降りて、不良どもをボコボコにするシーンに繋がる。それもまた最高)


空から何かが落ちてくる。

今挙げた3つとも、どれも最高のシーンなのだがそれをゆうに越える最高の「空から降ってくる」に出会ってしまった。




それが、海外ドラマ「ブレイキングバッド」第1話だ。


これが、めちゃくちゃ面白い。
頭がおかしくなるくらいに面白い。

第1話冒頭で、荒野を駆け抜けるキャンピングカーと空から落ちてくるダサいズボン。

この演出がたまらなく効いているのだ。
視聴者の心を掴んで離さない。

そして意味深に始まるこのドキドキは、45分途切れることなく維持し続ける。

見ていない人は、絶対に見てほしい。
第1話の演出だけでも映画一本以上の価値があると思う。

この謎だらけのオープニングは、もちろん最後に綺麗に回収される。
まさに、今まで見た中で最高の「空から何かが落ちてくる」だった。



全人類、ブレイキングバッド第1話を見ろ!



ちなみに今朝は、空から鳩の糞が降ってきた。




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