見出し画像

惜別、村松大輔。

2018年。
ギラちゃんはキャンプも終わって、あとは開幕するだけというある日に、村松大輔の加入が発表された。

初めて見たときの、ツーブロックの似合いすぎ具合と職人感が凄かった印象で昨シーズンずっと「村松兄貴」と勝手に呼んでいたのでここでもそう呼ばせてもらいます。

正直言うと、名前はなんか見たことあるなー清水にいた選手だっけ、くらいの知識しかなかった。
だから湘南にいたことも、徳島にレンタルでいたことも、神戸にいたことも五輪代表だっとことも知らなかった。
本当に、ギラちゃんの開幕戦である琉球戦が初めましてだった。

他の新加入選手は開幕前に新門司で練習見たりキャンプでの様子を聞いたりしてたから、なんとなく覚えたけど、ほんと開幕戦で初めてプレーを見ることになったので、他の新加入選手よりちょっとだけ注目して試合中見ていた。どんな選手なんかなーと思って。

バリバリのツーブロックにそんなにデカくない背丈、眼光の鋭さ。色々な感想を思ったけど、一番印象的だったのは、ボールを相手から奪っていくプレーが物凄く綺麗で凄かったことだった。
ボールを奪うって、ガッと激しい攻防をして奪っていくイメージだったのに(中の人はサッカー見るの好きだけど詳しくないです)、村松兄貴は相手が持ってるボールを音もなく激しくぶつかるわけでもなくすれ違いざまに美しくサラッと奪っていく人だった。

そのプレーを見た瞬間に「うわ!なんじゃ村松って人!すげー人だわ!!」ってなったのでした。いやほんと昔から応援してる人からしたら何言ってんだコイツって感じでしょうけど、ほんと凄いな!と思ったのでした。

その日から、ギラちゃんを見に行く時は、平井将生ともう一人、村松兄貴を見るのがとても楽しみになった。
とにかくこの2人のプレーを楽しみにして、ゴール裏の最前列でカメラ構えて写真を撮りまくった。
ユニフォームの再販が決まった時にはアウェイユニをせっせと30番で注文した。
将生さんが移籍してからは、試合の一番の楽しみが村松兄貴を見ることになった。

決して大きくない背丈で自分より大きい選手と競り合う。

よく、指示を出してたんだと思う、人差し指で前を示していた。ピンチの時にも周りに声かけたり、いつでも冷静な村松兄貴。

とにかく走る村松兄貴。あっちにいたと思ったら目の前にいたり、ゴール前にいたりものすごく走る。

最初は、あまり表情が変わらない人だなって思ってたけど、仲間がゴールを決めたときはめちゃ笑顔になる村松兄貴。

相手選手によく吹っ飛ばされて痛んでいるシーンも見た。それは体張ってるってこと。痛そうにしてるけどしばらくしたら立ち上がって、笑顔で相手選手を見てたりする。「大丈夫」って意味の時もあっただろうし、たぶんちょっと村松兄貴キレてんな?って見えたときもあった(笑)

ギラちゃんでのゴールは1つだけ。その試合は私は行かなかったので生では見てない。確かビハインドだったけど、人差し指立てて嬉しそうだったのを映像で見た。
私が現地に行ったときはことごとく惜しいシュートばかりだった。悔しがって天を見上げたり、歯を食いしばったり、頭を抱えたり。
表情が変わらないなんてことなかった、色んな村松兄貴を見た。

多分、人前とかイベント系は苦手なのかなと思った。ファン感での表情も試合では見ないものだから行ってよかったと思った。「オリジナルパンを考えよう」って企画、あのパンは手抜きですよね?(笑)カメラ目線でポーズとってくれたり、壇上でコメント求められてマイク通しても聞こえるかギリの声量だったり、ほんと色んな表情の兄貴が見られた。

うすっぺらい昨年の感想と写真。結局私は村松兄貴のことは殆ど知らない。
村松兄貴の11年間のJリーガーとしての人生の中でたったの一年しか見られていないし、ルーキーの時から、いいやもっとそれより前から応援してる人にとっちゃ、たった一年で村松兄貴の何が分かったというんだ、という話だと思う。
ミクスタで村松兄貴の清水のユニを着てたお兄さんとか、色んなスタジアムで村松兄貴の大きいゲーフラを持って応援してた人たちとか、色んな人が村松兄貴をずっと応援してるんだなあって思ったし、正直もっと前から存在をちゃんと認識していたら、もっと楽しいところを見られたんだろうな、この人たちはずっと見てきたんだなあと羨ましいと思うとこもあった。

でも、たった一年、北九州に来てくれたことで、村松兄貴という選手に出会えたことは、知らないまま終わるより、とてもよかった。クールそうに見えて熱いプレーだったり、ファンサの時は意外とふわふわしてるとこだったり、野口選手を舎弟のように従えてニマニマ楽しそうだったり色んなところが、たった一年でも見られたと思う。

先日のリリースを見たときに、引退という字を見たときに、あまり実感がわかなくて「あーそうなんか、もったいないなー、まだやれるのになー」とぼんやり思った。でもこれを、とりとめのない文章だけど一年間の感想を書いてたらものすごく悲しくなってきて、ほんとに辞めてしまうのかもう見られないのかと寂しくて悔しくて。

それでも、先ほども書いたように、村松兄貴を知らないまま終わらなくてよかったと。たった一年だけどプレーが見られて、写真が撮れて、好きになれてよかったと、思いました。チームは最下位だったけど、とても印象深くてつらく楽しい一年を過ごせたのは、村松兄貴が来てくれたのも大きいと思います。

お疲れさまでした、楽しい一年をありがとうございました。北九州に来てくれてありがとうございました。村松兄貴は北九州が楽しかったでしょうか。
今後の村松兄貴の人生が楽しく素晴らしいものとなりますように、ただ願うばかりです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?