作品、あとがき。
ここで撮ろうと誘ってくれたのはaonさんだった。(今回のモデル)
もともとものすごくアートな建築で、
アート寄りの作品にしようかとか、色々とテーマが決まらなく、様々な場面に合うようにたくさんの服をスーツケースに詰め込んで行った。
当日に向こうで着てもらって決めようかなと思っていた。
駅に着いてから、純喫茶を探して、
雰囲気のあるお店に入り、
私はカレーと、aonさんはナポリタンを頼んだ。
食後にはコーヒーと、
お決まりのメロンフロート。
どんな感じで撮影するかなどをタラタラと話していたら、雨が降るとの予報が。
店内も昼時で混んできたので、もったいぶっていたメロンフロートのアイスも、味わっていたコーヒーもすぐにのんで店を出た。
お会計の時に衣装の入ったスーツケースを店のご主人が見て、どこからきたのと聞いたので、撮影の衣装が入ってて。と返すと店内ジロリとこちらをみるのが伝わった。
現地に到着し、どんよりとした空気の中、目の前に広がる世界観に息を飲む。
決められた法則できっちりと区切られて、何層にも積み上げられていて、
まさに、「人間の巣」だった。
幼なじみや、小さい頃近所で遊んだり、集まったりすることがなかったので、団地内にある公園で遊ぶ子たちを見て、羨ましかったという感情が久しぶりに沸き起こってきた。
「幼なじみという設定でいこう。幼なじみを演じて!久しぶりにここに帰ってきたという設定で!」
実際に幼なじみがいた経験もないし、団地や集合住宅に住んだ経験もないながら、憧れを作品に託そうと思った。
なによりaonさんの青のストライプのワンピースがそう連想させた。
もっともaonさんも、幼なじみがいたわけでも団地に住んでいたわけでもなかったが。
作り込んだ作品を撮りたかったので、場所を変えては次々にアイディアが浮かび、サクサクと撮影が進む。
独特の世界観と、憧れや、懐かしさや
そんな感情がどのような表現をしたら写真に収められるかを研究しながら、
具体的に「幼なじみだったらこんなことするよね。」や「昔のキャラクターはどんなだったのかな。」など撮影が進むたびに幼なじみキャラクターとして確立していく。
家族構成、生活を知っていた。というところがポイントでありネックで、aonさんは大学の友達でまったくもって過去を知るわけではないし、もちろん仲はいいので話はするが、小さい頃の顔さえも、声さえも知らない。
私の撮っている写真を確認するたびにお互いにキャラクターを創造し、頭の中で非常に抽象的なイメージをし、一生懸命に共有した。
それを具体的に表現できるaonさんの表現力、創造力、演技力はとてつもなく尊敬する。
「女の子を撮る」ということで、可愛いだけを撮るというこは絶対にしたくない。
儚さだったり、強さだったり、綺麗に見せようと努力したり、可愛いこぶったり、数え切れないほどの特徴がある。でもその感情や特徴をその場で出せということはかなり難しいし、強要するべきではないので、できるだけポージングや表情指示で出すようにしてもらっている。
それをやろうとしてくれるところも、女の子だなぁ。と実感するし、感謝が深い。
この舞台で、完璧に幼なじみを演じきるということでさえ難しいのに、世界観や空気、雰囲気まで形にしてくれるaonさんは本当に素晴らしかった。
橋を渡る、幼なじみ。
たくさんの要素を写真に詰め込んでいるので、是非是非深読みして解釈していただきたい。
まだまだ研究中で、発展途上ですが、今回の作品でまた私の写真がパワーアップできた。
それは全てモデルをしてくれたaonさんの
おかげです。
これからも人で創る写真を撮っていきたい。
長々と書きました、ほぼaonさんへのラブレターです。。
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これからも、さらなる表現に向かって頑張ります!
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