ホソヤ

社会主義に憧れて人間に失望 したアラサー

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  • 小説

    すばる文学賞に落選した作品

  • 風変わりなツーリズム

    ポップな異色のツーリズムをご紹介いたします。 お好みのツーリズムが見つかる事を祈ってます♪

  • テクノロジーと協同主義

    戦前に結成された昭和研究会、そのイデオローグとして活躍した三木清によって提唱された協同主義と井上智洋氏の提唱する純粋機械化経済をマッチングさせ、新たな政治経済形態を考えられないかまとめたマガジンです。

  • Foreign Affairs Report

    アメリカの外交問題評議会(CFR)が発行する外交・国際政治専門雑誌Foreign Affairs Reportについて

最近の記事

『聖戦』という言葉の近現代史①

こんばんは  突然ですが、皆さんは『聖戦』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?  今回は、近代戦争における総力戦の国家間戦争における『聖戦』について紹介します。私の問題意識は、戦争を『聖戦』と当事者である政府が呼んだ瞬間、宗教性を帯びた絶対的な総力戦に変化するということです。 聖戦とは? 耳にして、「えっどんな漢字?」とはならない言葉ですよね。 それもそのはずで、試しに「聖戦」でググっても、ゲームや映画の主題歌のタイトル等が表示されます。多くの人にとっては、そこまでレ

    • 【ロシア革命2.0?】注目の反政府組織を特集してみた

      概要 つい先日、ウクライナ軍の東部大反攻作戦が行われ、ロシア軍は大きな被害を出しました。 なぜなのか、この状況には既視感がある。 独裁者主導の戦争の大敗、独裁者に追従するだけの野党、高まる厭戦ムード、使い潰される軍人の不満。 同じような出来事があったような・・・ そう、ロシア革命です🟥 1905年の「血の日曜日事件」に端を発した第一革命、 1917年の兵士のストライキから巻き起こった第二革命、 そして、様々な勢力が主導権を奪い合った4年間の内戦を経て、ボリシェヴィキがロシ

      • 暗殺事件と悪意、そして世界

        概要 7月8日11時31分、安倍晋三元首相は一人の男によって殺された。  日本最強クラスの一族に産まれ、輝かしいキャリアを積み、妖怪の跋扈する政界をのし上がり、「美しい国・日本」や「アベノミクス」を日本の路線に打ち立てた(正直、キモいと思っただけど)。  今回、安倍晋三を批判する気はない。政界の狸どもは、全員批判されて当然の存在だ。叩けば、無尽蔵に埃が出る。  私は安倍政権及び菅政権のテロリスト絶対許さない姿勢で、物凄く被害を被ったと自称できるポジションだからこそ、正直

        • テロリストの正義と行方

           様々な物・媒体に当時の気持ちを描きづづる癖がある。今回はそんなメモをまとめていき、一つの記録にしたい。

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        記事

          まだまだ動くIRA セピアツーリズム

           1968年、若者たちの意志が歪な現実社会を「否定」した。世界に線を敷く帝国主義、貧困を加速させる資本主義、全ての首輪に対して若者たちは叛乱の炎を放っていったのだ。一時は消えたかに思われた動乱の炎は、世界の混沌が深まれば深まるほど、また大きく燃え盛る。 概要 さて、今回は「1968」から数年経た「恐怖の10年」に活躍したテロ組織・IRAを紹介します。2020年の日本国内ではセピア色に染まった「1968」ですが、欧州の端アイルランド🇮🇪や北アイルランドではまだ生きているのです

          まだまだ動くIRA セピアツーリズム

          ナショナリストのライトツーリズム

           今回は若きナショナリストへのオススメ旅行スポットを紹介します! ナショナリスト向けってどんなん? ナショナリストの皆さんなら、グローバリズムが吹き荒れている時代に国民国家の存在意義を強調する姿勢には興味を持ってしまいますよね!  国民国家が再分配機能の一つである社会保障を行い、その国の民族・宗教・文化・習慣を他国や資本主義から防衛している共通認識の下にご紹介させていただきます。 国際情勢  世界中で国境を越えた資本の動きが活発化しています。マクドナルドやNIKE、ビ

          ナショナリストのライトツーリズム

          共産主義者のレッドツーリズム

          今回は、若き共産主義者へのオススメ旅行スポットを紹介します! 共産主義向けってどんなん? 共産主義者の皆さんなら、共産主義的価値観の享受や政治運動の訓練、更なる知識を海外旅行に求めると思います。かくいう私も社会主義者だったので、キューバなり、モンゴルなり、下調べをしたものです(同志の何人かは渡航しました)。 国際情勢  共産主義を掲げる大規模組織はソビエト崩壊後、世界的に主流ではありません。また、中国のようにバキバキの国家資本主義を方針に据え、自由主義諸国のプロパカンダ

          共産主義者のレッドツーリズム

          FOREIGN AFFAIRS 2月号(2)

           メリトクラシーと新エリートー中間層の崩壊とエリートの呪縛   コロンビア大学ジャーナリズム大学院名誉学長 ニコラス・レマン  法学者ダニエル・マルコビッチは、ここで取り上げる新著『メリトクラシーの罠』で、メリトクラシー(能力主義)の勝者たちは、エリート校を卒業するや、金融や法律などの領域で莫大な給料を得る「上位労働者」になると指摘している。   1995年のロンドンから文章ははじまります。社会学者マイケル・ヤングと過ごした著者ニコラス・レマンは、彼が1958年に出版した

          FOREIGN AFFAIRS 2月号(2)

          FOREIGN AFFAIRS 2月号(1)

           【資本主義の未来】「新社会主義運動」の幻想と脅威ー富は問題ではない         米カトリック大学歴史学教授 ジェリー・Z・ミュラー  著者であるジェリー・Z・ミュラー氏は専門は近代ヨーロッパの知性史、資本主義の歴史。著書である「測りすぎーなぜパフォーマンス評価は失敗するのか? 」では、数値化のデメリット点を歴史的に解説しました。  資本主義の強さと弱さがある。実際、自由市場を基盤とする資本主義が18世紀に定着して以降、このシステムは長く批判されされてきた。  国家

          FOREIGN AFFAIRS 2月号(1)

          「協同主義の経済倫理」について⑴

           今回は「協同主義」の提唱者である三木清が昭和研究会から発表した協同主義の経済倫理についてです。(正確には昭和研究会の全体から発表されたもの)  三木清とは? 数奇な人生を辿った京都学派の哲学者・三木清について説明していきます。  京都学派の代表的人物・西田幾多郎の弟子になり、谷川徹三、林達夫、小田秀人らと切磋琢磨した彼は、京都学派における栄光の時代の一人と言えるます。  戦後に新左翼の革命理論家的存在になった羽仁五郎とマルクス主義系雑誌を立ち上げたり、共産党へ資金援助

          「協同主義の経済倫理」について⑴

          FOREIGN AFFAIRS 1月号

          資本主義の衝突 執筆者はニューヨーク市立大大学院の経済学者ブランコ・ミラノヴィッチである。彼は「大不平等――エレファントカーブが予測する未来」の著者として知られ、各国の格差問題などを論じている。  グローバル経済の未来を左右するのは、資本主義と他の経済システムの競争ではなく、資本主義内の二つのモデル、つまり、「リベラルで能力的資本主義」と「政治的資本主義」へ進化し、拡大する格差問題にうまく対処せない限り、欧米のシステムは、社会主義ではなく、中国型の政治的資本主義に近づき、金

          FOREIGN AFFAIRS 1月号

          協同主義の立ち位置

           第一回は協同主義のカテゴリーについてです。  このカテゴリー分けは、比較や情報整理により特定の思想や文化への理解促進の足がかりになるので非常に有意義です。 昭和研究会 最初に主だって協同主義が唱えられたのは、近衛文麿の同級生や友人が集った昭和研究会(1936年設立)でした。会員の三木清を中心に昭和研究会から1939年4月に「新日本の思想原理・協同主義の哲学的基礎・協同主義の経済倫理」、1940年9月に「協同主義の経済倫理」が発表されます。1940年に近衛文麿内閣により新

          協同主義の立ち位置

          今後の予定

           これからの読書と感想や考察の記述予定を忘れっぽい自分用に書きます。  以前、仕事関係で協同組合について調べる機会がありました。協同組合の組織運営、必要とされた歴史的背景、社会主義者の私にはとても興味深く、楽しみながら打ち込めむことができたと思います。  協同組合を紐解いていくと、イギリスのフーリエやオウエン、ドイツのラッサール、それらの大物たちよりも古くに始めた日本の大原幽学、それに続いて二宮尊徳(薪を担いで読書する二宮金次郎)が現れます。脈々と続く歴史、世界同時発生的

          今後の予定

          感想文:政治神学(2)

           前回の政治神学(1)に続けて、第2回目をやっていこうと思います。  今回は第3章からです。 現代国家理論の重要概念は、すべて世俗化された神学概念である。  この導入箇所は、保守思想の父エドマンド・バーグのような「近代左翼の人間観に対する懐疑的な態度」と非常に近いものを感じる。「理性に間違いはない」と信じ、理性と合致した社会設計さえ行えば、理想社会が実現できるといった思想に基づいて、法や国家は発展した。そして、これらは時に「発展」の名を、時に「革新」の名を冠した。も

          感想文:政治神学(2)

          感想文:政治神学(1)

           1922年に当時34歳のカール・シュミットによって書かれた本である。本文は以下のようにはじまる。 主権者とは、例外状況にかんして決定をくだす者をいう。  その後も、極限領域の概念を意味する限界概念。例外状況、国家論の一般概念として理解すべきものなど、聞きなれい単語や初見で理解するのが困難な文章が1Pには散りばめられている。彼は何に危惧し、何を希求したのか?  一般的規範では、絶対的例外を把握できない  様々な法学者、法律家が想定外の状況のないように、法律は国家運

          感想文:政治神学(1)

          感想文:物語 北欧の歴史―モデル国家の生成

           この本は武田龍夫氏によって執筆され、中公新書から出版された。著者である武田氏はストックホルム大学留学し、在スウェーデン大使館、外務省北欧担当官、在デンマーク大使館、北欧文化協会理事長と北欧における外交のプロフェッショナルと伺える。  今回、この本を手にした理由は、端的に言えば日本の外交戦略において北欧が大きなモデルの一つになるのではないかと考えたからである。北欧といえば、汎スカンディナヴィア主義と社会主義、コーポラティズムが混ざり合った社会システムで有名である。  

          感想文:物語 北欧の歴史―モデル国家の生成